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観た映画の感想とそれから連想したアレコレ(ネタバレ有)。

サイコ・ビーチ・パーティー Psycho Beach Party

2006年08月19日 | Weblog
監督:ロバート・リー・キング
脚本:チャールズ・ブッシュ
音楽:ベン・ヴォーン
出演:チャールズ・ブッシュ
   ローレン・アンブローズ
   トーマス・ギブソン
   キャサリン・ロバートソン
   ニコラス・ブレンダン
   ベス・ブロデリック

2000/米/1h34m ☆☆☆

 舞台劇の映画化という点で「ロッキー・ホラー・ショウ」には及ばないが、監督のロバート・リー・キングは、長編劇場作品はこれが初めてにしては上手くくだらなく見える様に計算して作っている。いわゆる60年代ビーチ映画&C級ホラーの雰囲気にヒッチコック風スリラーを加味した、チープでポップでお馬鹿な低予算パロディ。戯曲の原作と脚本を書いたチャールズ・ブッシュは、映画の中ではモニカ・スターク警部として女装して(さながら「ロッキーホラー~」のフランクフルター!)出演している。60年代のダイナー、ドライブイン・シアター、ゴーゴー、サーフィン、B級SF映画などのポップカルチャーを題材にして、明るくクレバーで面白い。おそらく戯曲の完成度が高かったのだろう。映像の面でも乏しい予算の範囲内でうまく仕上がっていて、おそろしくバカなことをやっていながらぜんぜん下品にならないところが素晴らしい。主人公のChickletを演じるローレン・アンブロースは、表情がくるくると変わって実にかわいい。その他、サーフィンの王者 Kanakaを演じるトーマス・ギブソン(『ダーマ&グレッグ』の人)、主人公のロマンスの相手Starcatを演じるニコラス・ブレンドン (『バフィー』の人)が熱演。B級映画の女優Bettinaを演じるキンバリー・デイヴィスは美しい。スウェーデンから来た交換留学生を演じるマット・ キースラーは『ラスト・デイズ・オブ・ディスコ』で検事補を演じていた人である。映画のクライマックス近く、ビーチでのパーティーで、ゴーゴー・ダンスのかなり本格的なミュージカル・シーンがある。ここが一番面白い。やはり元ネタがミュージカルだけある。当時のアメリカ若者風俗が原色バリバリの毒を持って再現されてます。現代風にブラックな部分としては、ゲイネタと、連続殺人事件の被害者達が全員、身体的欠陥・健康的疾患の持ち主であるという点。お約束ではありますが、ラストのどんでん返しはどこまで想定出来たか、考えながら観てみて下さい。低予算ながら、おバカの質は「オースティン・パワーズ」より上な位だ。


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