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観た映画の感想とそれから連想したアレコレ(ネタバレ有)。

昭和歌謡大全集

2007年05月01日 | Weblog
監督: 篠原哲雄
製作: 鈴木光
プロデューサー: 藤田義則 原田文宏 渡辺正子
原作: 村上龍 『昭和歌謡大全集』(幻冬舎文庫刊)
脚本: 大森寿美男
撮影: 高瀬比呂志
美術: 小澤秀高
音楽: 池頼広
音楽プロデューサー: 裕木陽
出演:
松田龍平 (イシハラ)
池内博之 (ノブエ)
斉藤陽一郎 (ヤノ)
村田充 (スギヤマ)
近藤公園 (カトウ)
安藤政信 (スギオカ)
樋口可南子 (スズキ)
岸本加世子 (ヘンミ)
森尾由美 (タケウチ)
細川ふみえ (トミヤマ)
鈴木砂羽 (イワタ)
内田春菊 (ヤナギモト)
原田芳雄 (金物屋の店主)
市川実和子 (スガコ)
古田新太 (サカグチ) 

2002/日本/1h52mins.  ☆☆☆★

 1994年の週刊プレイボーイ連載時より物議を醸した村上龍の同名小説を『はつ恋』『命』などの俊英・篠原哲雄監督が映画化した近未来風ノンストップ・バイレンス映画です。些細な行き違いから少年グループとおばさんグループが血で血を洗う抗争を繰り広げる様子をブラック・ユーモアと過激なバイオレンスで描きます。松田龍平を始めとした豪華出演陣を迎え、少年6人VSおばさん6人の復讐が復讐を呼ぶ壮絶な殺し合いが展開します。
 東京都下の調布市に住む6人の若者イシハラ(松田龍平)、ノブエ(池内博之)、ヤノ(斉藤陽一郎)、スギヤマ(村田充)、カトウ(近藤公園)、スギオカ (安藤政信)らは、定期的にカラオケ・パーティーを開く仲間。音響機材からコスプレにまでこだわった筋金入りのパフォーマンスを、内輪で楽しんでいる。ある日、極度に警戒心が強くいつもナイフを持ち歩いているスギオカが、道ですれ違った買い物帰りの主婦を殺してしまう。その主婦の名はヤナギモトミドリ(内田春菊)。彼女はメンバー全員がミドリという名の親睦会「ミドリ会」に入っていた。イワタミドリ(鈴木砂羽)、ヘンミミドリ(岸本加世子)、スズキミドリ (樋口可奈子)タケウチミドリ(森尾由美)、トミヤマミドリ(細川ふみえ)ら、ミドリ会のメンバーは、これは自分たち「おばさん」を馬鹿にしたガキの犯行だ、と激怒。死んだヤナギモトを弔うために、また踏みつけられた自分たちのプライドを回復するために、犯人を見つけ出し復讐することを誓う。こうしてちょっとしたいさかいからいつしかおばさんとガキの血で血を洗う壮絶な殺しあいへと発展。しかもその武器もどんどんエスカレートしていき……。
そうは言っても、そのスタイルは一貫してブラック・ユーモアに溢れたもので、同時にそれらのシーンをタイトルさながら『恋の季節』『また逢う日まで』など色々な昭和の歌謡曲が一見何の脈絡もなく彩り、一段と不可思議な映像空間へと導いてくれます。殺し合えば殺し合うほどお互いのグループが生き生きとし始めていくという、病める現代日本で実際に起こりそうなリアリズムが面白いと同時に怖い。
 最後にドカーンとまとめてやる案は映画「バタリアン THE RETURN OF THE LIVING DEAD」(1985/米)と同じと思ったのは私だけでしょうか。あちらは更にオチがあったけど。



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