mapio's STREETS OF MOVIE

観た映画の感想とそれから連想したアレコレ(ネタバレ有)。

素晴らしき哉、人生! IT'S A WONDERFUL LIFE

2006年03月29日 | Weblog
監督:フランク・キャプラ Frank Capra
製作:フランク・キャプラ Frank Capra
原作:フィリップ・ヴァン・ドレン・スターン Philip Van Doren Stern
脚本:フランセス・グッドリッチ Frances Goodrich
   アルバート・ハケット Albert Hackett
   フランク・キャプラ Frank Capra
撮影:ジョセフ・ウォーカー Joseph Walker
   ジョセフ・バイロック Josef Biroc
音楽:ディミトリ・ティオムキン Dimitri Tiomkin
出演:ジェームズ・スチュワート James Stewart
   ドナ・リード Donna Reed
   ライオネル・バリモア Lionel Barrymore
   ヘンリー・トラヴァース Henry Travers
   トーマス・ミッチェル Thomas Mitchell
1946/2h10m/米 ☆☆☆☆☆

 満点の映画である。金融会社を営む人のいい主人公ジョージは、幼い頃から幸運にいつも不運が付き添っているような逆境の多い運命にあった。仲間のミスで8000ドルもの大金を失い、その金を工面する当ても無くなった彼は絶望して冬の雪の中、河へ投身自殺を図るが、その目の前で先に一人の男が身を投げた。思わず助けたジョージに、男“クラレンス”は自分は羽の無い二級天使だと告げる。そして、自暴自棄気味のジョージにクラレンスが導いてくれる“もしジョージがこの世界にいなかったら”という仮想世界で、彼は自分の存在理由を再認識する事になる。その後、現実世界に戻り心機一転した彼に素晴らしい出来事が待ち構えている…。挫折つづきで人生が嫌になりそうな時に元気を与えてくれる話である。最後のクラレンスからのメッセージ
「Remember no man is a failure who has friends (友ある者は敗残者ではない)」
は同じ言い回しの『お熱いのがお好き』のラストと並ぶ名言だ。
 ジョージの商売敵役ライオネル・バリモアは、その名から気づくかも知れないが古くは『E.T.』、最近では『25年目のキス』『チャーリーズ・エンジェル』シリーズに出演しているドリュー・バリモアの伯父(父の兄)である。
 公開当時、アカデミー賞5部門にノミネートされるが受賞は逃している。しかし後年、再評価されてアメリカでは『クリスマス・キャロル』と並んでクリスマス映画の定番となっている。クリスマス時期が舞台のSF映画『グレムリン』の中でテレビに映っていたのは、この映画である。また前回観た『エクソシストⅢ』で劇中、警部と神父が観に行く映画もこれである。もっとも、こちらはその後に殺された神父の血で壁に“It's A Wonderful Life”と記されて、思いっきりブラックであるが。

エクソシスト3 THE EXORCIST III

2006年03月24日 | Weblog
監督/製作/原作/脚本
  :ウィリアム・ピーター・ブラッティ William Peter Blatty
撮影:ゲリー・フィッシャー Gerry Fisher
音楽:バリー・デ・ヴォーゾン Barry De Vorzon
出演:ジョージ・C・スコット George C. Scott …キンダーマン
   ブラッド・ダリフ Brad Dourif …双子座の殺人鬼
   エド・フランダース Ed Flanders …ダイアー神父
   ジェイソン・ミラー Jason Miller
1990/1h50m/米 ☆☆☆☆

 『エクソシスト』でアカデミー賞に輝いた原作者W・P・ブラッティが、第一作から17年後の設定で正統な続編として自ら監督も手掛けた作品(『エクソシスト2』には彼は関与していない)。ワシントンDCで起った猟奇殺人事件。首を切断され磔にされた惨殺死体が発見される。事件の担当となったキンダーマン警部は捜査を進める内に、やがてリーガンの悪魔払いで死んだはずのカラス神父の存在に突き当たる。ジョージ・C・スコットが格好いい。『パットン大戦車団』でのアカデミー賞受賞辞退など職人気質な彼の存在感は見れば納得する。彼は99年に無くなったが息子のキャンベル・スコットも俳優となり、何の因果か、2005年にはアメリカ映画『エミリー・ローズ』(日本公開2006年)という同じように悪魔に憑依されて無くなった少女の実話に基づくホラーにも出演している。
 で本作は大人の映画である。刑事ドラマ的要素も多分にあり、じっくり見れば恐怖を感じるが、飛ばし見では何が何だか分からないだろう。第一作を観てから見る正統派続編である。冒頭でテーマ曲として有名になったマイク・オールドフィールドの“チューブラー・ベルズ”が少しかかるが、後半は全然かからないのでこの曲と共にエクソシストを覚えた自分には期待外れである。もっともマイク・オールドフィールドはアセリン・デビソンの歌やディスコ曲のカバーでも知られる“ムーンライト・シャドウ”がベストと思う。

誘拐犯 The Way of the Gun

2006年03月21日 | Weblog
2000/1h59m/米 ☆☆☆★
監督:クリストファー・マッカリー Christopher McQuarrie
製作:ケネス・コーキン
脚本:クリストファー・マッカリー Christopher McQuarrie
撮影:ディック・ポープ Dick Pope
音楽:ジョー・クレイマー Joe Kraemer
出演:ライアン・フィリップ Ryan Phillippe
   ベニチオ・デル・トロ Benicio Del Toro
   ジェームズ・カーン James Caan
   ジュリエット・ルイス Juliette Lewis
   テイ・ディグス Taye Diggs
   ニッキー・カット Nicky Katt
   スコット・ウィルソン Scott Wilson
   ディラン・カスマン Dylan Kussman
   クリスティン・レーマン Krinstin Lehman
   ジョフリー・ルイス Geoffrey Lewis
「ユージュアル・サスペクツ」脚本家の初監督作。出演は「トラフィック」で一躍スターの仲間入りを果たしたベニチオ・デル・トロ、「クルーエル・インテンションズ」のライアン・フィリップ、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のジュリエット・ルイス。その日暮らしのアウトロー、ロング ボー(ベニチオ・デル・トロ)とパーカー(ライアン・フィリップ)は精液提供者の資格検査に訪れた病院の待合室で若い後妻のフランチェスカ(クリスティン・リーマン)の代わりに、大富豪チダック(スコット・ウィルソン)の子を宿した代理母ロビン(ジュリエット・ルイス)の存在を知る。二人はロビンを誘拐するが、チダックが実は裏組織と通じていたことから二人は殺し屋にも追われることに。2人の護衛、ジェファーズ(テイ・ディッグズ)とオベックス(ニッキー・カット)の猛追を振り切り、携帯電話で呼び出したロビンの主治医であり、チダックの息子でもあるペインター医師(ディラン・カスマン)に脅迫状を預け、チダックのもとに帰らせたが、すでにチダック直属の"掃除屋"ジョー(ジェームズ・カーン)は、相棒のアブナー(ジョフリー・ルイス)と共に2人を追って動き始めて いた。大勢の男の中でジュリエット・ルイスの演技が光る。身重の体でライフルを抱え孤軍奮闘するシーンは『フロム・ダスク・ティル・ドーン』を彷彿させる。サム・ペキンパーばりの銃撃戦や暴力描写のエグイ部分もありアメリカの「DVD & VIDEO GUIDE」では評価がTurkey(評価外)だったが、裏切りに次ぐ裏切り、仲間割れ、秘密と嘘、心の裏側に隠された野望と欲望といった複雑に絡み合ったその思惑の、どれが実を結び、どれが踏みにじられるのか…観がいのある作品です。音楽も新鋭ジョー・クレマーが、聴くからにシンプルでかっこいいリズムを主体としたハードボイルドな、ウエスタン風スコア。カスタネットを効果的に使ったサウンドは今までになく新鮮。ストーンズの“Rip This Joint”も使われている。どこでかかるかは見てのお楽しみ。原題“The Way of the Gun”(銃の掟)を邦題『誘拐犯』と付けるのは相変わらずストレートで、日本の一部の配給会社担当(?)のセンスの無さを感じさせる。

アンダーワールド UNDERWORLD

2006年03月19日 | Weblog
監督:レン・ワイズマン Len Wiseman
製作:ゲイリー・ルチェッシ Gary Lucchesi
   トム・ローゼンバーグ Tom Rosenberg
   リチャード・S・ライト Richard S. Wright
原案:レン・ワイズマン Len Wiseman
   ケヴィン・グレイヴォー Kevin Grevioux
   ダニー・マクブライド Danny McBride
脚本:ダニー・マクブライド Danny McBride
撮影:トニー・ピアース=ロバーツ Tony Pierce-Roberts
美術:ブルトン・ジョーンズ Bruton Jones
編集:マーティン・ハンター Martin Hunter
音楽:ポール・ハスリンジャー Paul Haslinger
衣裳デザイン: ウェンディ・パートリッジ Wendy Partridge
 
出演:ケイト・ベッキンセイル Kate Beckinsale
   スコット・スピードマン Scott Speedman
   シェーン・ブローリー Shane Brolly
   マイケル・シーン Michael Sheen
2003/2h01m/米 ☆☆☆☆
 人間の未知なる世界“アンダーワールド”を舞台に、何百年にわたって続く吸血鬼<ヴァンパイア>と狼男族<ライカン>の壮絶な闘いを軸に、ヴァンパイアと人間の禁断の恋を描いたアクション・ゴシック・ホラー。主演は『ブロークダウン・パレス』のケイト・ベッキンセール(『パール・ハーバー』以前にこの作品で彼女は注目されるようになった)。共演に『ダーク・スティール』のスコット・スピードマン。監督は、映画の美術部門でキャリアを重ね、その後はCFやミュージック・ビデオの世界で活躍、これが映画デビューとなるレン・ワイズマン。
 ビルの屋上から楽々と地上に降り立つ一人の美女。彼女の正体は吸血鬼<ヴァンパイア>の女戦士セリーン。ある時、彼女はヴァンパイアの宿敵、狼男族<ライカン>が人間の青年医師マイケルを追いかけていることに気づく。不審に思ったセリーンはマイケルの行動を追跡。そして、彼に直接尋問している最中、ライカンたちに急襲される。セリーンはとっさにマイケルを助けて逃走するが、その直前、マイケルはライカンのリーダー、ルシアンに肩を咬まれてしまう。それは、マイケルがほどなくライカンになることを意味するのだった…。禁じられた恋を描いたこの作品、最後までアップテンポで持っていく。ケイト・ベッキンセールが格好いい!これでこの後製作された『ヴァン・ヘルシング』に彼女が起用されたのかも知れない。前作の撮影中に彼女と恋に落ちてしまった監督のレン・ワイズマンの間もなく公開予定『アンダーワールド:エボリューション』でも前夫マイケル・シーンと共演している。私生活共々禁じられた恋である。
 強くて格好いい女性映画が多い。公開したばかりの『イーオン・フラックス』では『モンスター』でアカデミー賞に輝いたシャーリーズ・セロンがレザーのカクテルドレスが似合うミステリアスな近未来の革命戦士を演じている。CM等に使われている脚を開いて身を屈めた姿は『エントラップメント』のキャサリン・ゼタ・ジョーンズを思い出す。『バイオハザード』シリーズのミラ・ジョボヴィッチも近作『ウルトラヴァイオレット』でヴァンパイアで構成する反政府組織の強いリーダーを演じる。GWには『ターミネーター3』のクリスタナ・ローケンがヴァンパイアと戦う女闘士に扮している。同じく4月公開の『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー兄弟がプロデュースした『Vフォー・ヴェンデッタ』ではナタリー・ポートマンが『エイリアン』のシガニー・ウィーバーや『G.I.ジェーン』のデミ・ムーアばりにスキン・ヘッドになってるという。キャリー・アン・モスみたいに強いのかな。

アイ the EYE

2006年03月18日 | Weblog
2001/1h39m/香港=タイ
第22回香港電影金像奨(香港アカデミー賞)主演女優賞受賞
第39回台湾金馬賞(台湾アカデミー賞)最優秀主演女優賞受賞
製作: ピーター・チャン/ローレンス・チェン
監督・原案・脚本・編集: オキサイド・パン/ダニー・パン
出演: アンジェリカ・リー/ローレンス・チョウ/チャッチャー・ルチナーノン/ソー・ヤッライ
☆☆☆★
2002年5月に香港で公開されるやいなや『スターウォーズ エピソード2』や『スパイダーマン』を抑え、記録的ヒットとなり、トム・クルーズがリメイク権を取得したという、実話に基づくラブ・ミステリー。幼い頃失明したマンは、20歳の時に角膜移植手術を受け視力を取り戻すが、人には見えない人影も見えるようになる(人が死ぬ直前に、その人と共に黒い人影<死神?>が見える)。心理療法士ワ・ローの協力を受けその原因を探ると、実は角膜提供元のタイの少女に驚愕の真実が隠されていた。静かに始まる物語がラストの大惨事までヒートアップしていく過程は『キャリー』的!?いや死の予兆の点では『ファイナルデスティネーション』シリーズ的かも!?『リング』的要素もあるが、こっちの方が盛り沢山で面白い。

ワンス・ウォリアーズ  ONCE WERE WARRIORS

2006年03月17日 | Weblog
1994/1h44m/ニュージーランド ☆☆☆☆
1994年モントリオール映画祭グランプリ、最優秀女優賞(レナ・オーウェン)
 監督:リー・タマホリ Lee Tamahori
製作:ロビン・ショールズ
原作:アラン・ダフ(文春文庫・1995年刊)
脚本:リヴィア・ブラウン Riwia Brown
撮影:スチュアート・ドライバー Stuart Dryburgh「エンジェル・アット・マイ・テーブル」「ピアノ・レッスン」
音楽:マーレイ・グリンドレイ Murray Grindlay
マレイ・マクナブ
出演:レナ・オーウェン Rena Owen
テムエラ・モリソン Temuera Morrison
ジュリアン・アラハンガ Julian Arahanga
マヌエンガロア・カーベル
ジョージ・ハナレ George Henare

ニュージーランド国内でタブーとされていたスラム街のマオリ族の現状をマオリ族の血を引くアラン・ダフのベストセラーを基に映画化した作品。監督は同じくマオリ族の血を引き、CM界で活躍する一方で大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」の助監督を務めた経験も持つリー・タマホリ。人口の約90パーセントをイギリス系が占めるニュージーランドにおいて、先住民ポリネシア系マオリ出身の父、イギリス系白人の母との間に生まれる。映画界入り以前の1970年代は、コマーシャルアーティスト、あるいは写真家としての道を歩んでいた。 1970年代後期から1982年までブーム・オペレーター(Boomoperator - 録音アシスタント)を出発点として映画製作に従事。 その後、テレビコマーシャルフィルムを監督・製作、100本以上を手がけて国際的賞を受賞するなど頭角をあらわし、1983年にジェフ・マーフィー(Geoff Murphy)監督『UTU』(日本未公開)などの長編作で助監督を務めながら、監督手法を磨く。主演は「モアイの謎」に続いて2作目となる英国人とマオリ族のハーフ、レナ・オーウェン。共演のニュージーランドのテレビ界で活躍するマオリ族出身のテムエラ・モリソンは、『ワンス・ウォリアーズ』の演技で絶賛を浴び、ハリウッド映画に進出した。『スター・ウォーズ エピソードII クローンの攻撃』で賞金稼ぎジャンゴ・フェット役を演じることになって、大変喜んだという。キャスティング・ディレクターのガーランドは、「『ワンス・ウォリアーズ』を観て以来、すばらしい役者だと思っていた」と語る。「この配役のために彼のことをルーカスに話すと、監督も大賛成してくれた」とつづけた。モリソンのその他の出演作品には、『バーブ・ワイヤー/ブロンド美女戦記』『D.N.A』『スピード2』『6デイズ/7ナイツ』『フロム・ダスク・ティル・ドーン3』がある。ニュージーランド最大の都市、オークランド郊外。ベスはジェイクと結婚して18年が経っていた。彼女は、マオリ族の王族の子孫だったが、もと奴隷の一族だったジェイクと地位も名誉も捨てて結婚した。ジェイクは、野性的な魅力にあふれた筋骨たくましい男、彼女は5人の子の母親になった今もジェイクに夢中であった。だが、ジェイクは行きつけのパブに入り浸り、拳を振りかざしては腕っぷしの強さを自慢してばかり。ベスが歯向かうような態度をとれば、彼女にも同じように拳が飛んでくる。ベスは家族の絆を守ろうと必死だったが、やがて、そんな様々な暴力が家族を崩壊させてゆく… …。この映画に登場するマオリ族は、ポリネシア人の流れを汲むニュージーランドの先住民族である。ニュージーランドの全人口の約12%がマオリ族であるが、しかし、その中でも都市部のスラム街に住むマオリ族は様々な形で差別を受け、失業者が続出、犯罪者も後を絶たない。映画は、そんな彼らを取り巻く状況、彼らの怒り、哀しみなどを、力強く、そしてダイナミックに切り取ってゆく。これは、かつての“誇り”を支配者側の様々な“力”が踏みにじっているという点で、スパイク・リー監督を代表とする黒人映画にも同様して見られる問題点でもある。)を映画化し監督デビュー長編作として発表。 白人がマジョリティーとなっているニュージーランドで、マイノリティーとして生きる現代のマオリが置かれている貧困や生活苦を映像化。マオリ家庭の妻と子どもの視点から捉え、疎外感と逆境の中で子どもがマオリとその戦士の伝統文化に目覚めて誇りを取り戻してゆく描写は、植民地としてのニュージーランドの歴史と、同国の現状を捉えた問題作として国際的に大きな注目を浴びる。 この作品は、ニュージーランド国内でジェーン・カンピオン監督の『ピアノ・レッスン』(1993年)や、スティーヴン・スピルバーグ監督の『ジュラシック・パーク』(1993年)と並ぶ興行成績をあげ、タマホリにとって映画監督としてのブレイクスルーとなった。ハリウッドへデビュー作の成功を期に、ハリウッドへ製作拠点を移し、ロサンゼルスを舞台とした犯罪映画『狼たちの街』(1996年)は、1950年代のフィルム・ノワール形式を踏襲して製作、犯罪映画『L.A.コンフィデンシャル』(1997年)などハードボイルドや犯罪もの流行の先鞭となった。 また、著名俳優アンソニー・ホプキンスを主演に、アレック・ボールドウィン助演で脇を固めた大自然アドヴェンチャー『ザ・ワイルド』や、ジェームズ・パターソン(James Patterson)原作で犯罪心理捜査官アレックス・クロスシリーズAlong Came a Spider (1992年 - 日本語訳: 『多重人格殺人者』新潮文庫1994年刊)を映画化した『スパイダー』でハリウッド監督としての地歩を築く。
スパイ・アクション映画ピアース・ブロスナン、ハリー・ベリーの主演で、イギリス、スペイン、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、韓国、ハワイのマウイ島と、世界各地でロケーションを敢行して製作した007ジェームズ・ボンドシリーズ20作目の作品『ダイ・アナザー・デイ』を発表。さらに2005年にはロブ・コーエン監督(RobCohen)のヒット作『トリプルX』の続編、『トリプルX/ステイト・オブ・ザ・ユニオン(邦題:トリプルX/ネクスト・レベル)』でもスパイ・アクション映画を
手がけた。現在ハリー・ベリー主演のアクション作や、フィリップ・K・ディッ
クの短編「ゴールデン・マン」映画化の準備中と伝えられている。2006年1月8日
に、売春のおとり捜査にひっかかり逮捕された[1]。
主なフィルモグラフィー
1983年 『UTU』(助監督、日本未公開)
1983年 『戦場のメリークリスマス』(助監督)
1994年 『ワンス・ウォリアーズ』 Once Were Warriors (本作以後は監
督作品)
1996年 『狼たちの街』 Mulholland Falls
1997年 『ザ・ワイルド』 The Edge
2001年 『スパイダー』 Along Came a Spider
2002年 『007 ダイ・アナザー・デイ』 Die Another Day
2005年 『トリプルX/ステイト・オブ・ジ・ユニオン』 xXx: State ofthe Union

P.S. K-1のTOAもマオリ族である。これを見た後、少しは彼贔屓になるかも?

トゥームストーン Tombstone

2006年03月09日 | Weblog
監督:ジョージ・P・コスマトス George P. Cosmatos
撮影:ウィリアム・A・フレイカー William A. Fraker
音楽:ブルース・ブロートン Bruce Broughton …
出演:カート・ラッセル Kurt Russell…ワイアット・アープ
   ヴァル・キルマー Val Kilmer…ドク・ホリディ
サム・エリオット Sam Elliott…バージル・アープ
   ビル・パクストン Bill Paxton…モーガン・アープ
パワーズ・ブース Powers Boothe…カーリー・ビル
マイケル・ビーン Michael Biehn…ジョニー・リンゴー
チャールトン・ヘストン CharltonHeston
1993/2h10m/米  ☆☆☆☆★
 
ドク・ホリディを演じるヴァル・キルマーが格好いい!これまで見た中で一番いいと思う。『Dark Blue』のカート・ラッセル絡みで選んで観たが、むしろヴァルの方が気に入った。ジョアンナ・パクラもいいし、色んな役者が揃った活劇である。
最初にモノクロ映像でこの映画の舞台となるトゥームストーンの説明がある。このモノクロ映像には、史上最初の西部劇映画『大列車強盗』が挿入されている。カラー映像に変わり、カーリー・ビルとジョニー・リンゴーが登場する。カーリー ・ビルは、アリゾナ南東部東地区の牛泥棒(牧畜を業とするが、仕入れは盗み)の リーダー。その黒髪が巻毛だったので“カーリー”と呼ばれている。西地区の親分 オールドマン・クラントン(『OK牧場の決闘』ではこのクラントン一家が敵である)が死んでからは、この一味も手下とした。アリゾナ南東部では彼らのことをカウボーイと呼んだが、牧童の意味でなく、アウトローの意味に近い地域の特殊用語だ。 次ぎにジョニー・リンゴーであるが南部の出身で教育レベルは高く、シェークスピアなどの古典を愛読していたらしい。西部人にはめずらしい高い教育を受けているドク・ホリデーとよく似ている。3人の無法者に兄を殺され、西部の町々を仇をたずねて歩き、出会ったときには、たった3発で彼らを仕止めた。『駅馬車』のリンゴ・キッドはジョニー・リンゴーのエピソードをモデルにしている。1882年3月にカーリー・ビルがアープに倒され、7月にジョニー・リンゴーも死んでいる。サルファ・スプリングの樫の木の下で頭を射たれた死体となって発見された。この映画では犯人はわかるけど、それは見てみて。満点にしたい所だが最後がきれい過ぎてちょっと違和感があり減点。

ダーク・スティール DARK BLUE

2006年03月04日 | Weblog
2002/1h51m/米

監督:ロン・シェルトン Ron Shelton
製作:デヴィッド・ブロッカー David Blocker
   カルデコット・チューブ Caldecot Chubb
   ショーン・ダニエル Sean Daniel
   ジェームズ・ジャックス James Jacks
製作総指揮: モリッツ・ボーマン Moritz Borman
ガイ・イースト Guy East
ナイジェル・シンクレア Nigel Sinclair
原作:ジェームズ・エルロイ James Ellroy
脚本:デヴィッド・エアー David Ayer
撮影:バリー・ピーターソン Barry Peterson
編集:ポール・セイダー Paul Seydor
音楽:テレンス・ブランチャード Terence Blanchard
 
出演:カート・ラッセル Kurt Russell ペリー
   スコット・スピードマン Scott Speedman ボビー
   マイケル・ミシェル Michael Michele ベス
   ブレンダン・グリーソン Brendan Gleeson ジャック
   ヴィング・レームズ Ving Rhames アーサー
   クルプト Kurupt ダリル
   ダッシュ・ミホク Dash Mihok ゲイリー
   ジョナサン・バンクス Jonathan Banks ジェームズ
   ロリータ・ダヴィドヴィッチ Lolita Davidovich サリー
   カンディ・アレクサンダー Khandi Alexander ジャネル
 
 「L.A.コンフィデンシャル」の原作者ジェームズ・エルロイが、警察によるロドニー・キング集団暴行事件に端を発する1992年のロス暴動にインスパイアされて描いた原作を基に、警察の暗部に鋭く切れ込んだ日本劇場未公開のバイオレンス・アクション。原題のまま、日本の劇場で公開しても良かったのでは。
 1992年、ロサンジェルス。前年に起きた“ロドニー・キング事件”の評決を目前に、街は不穏な空気に包まれていた。その頃、スーパーで起こった強盗殺人事件の捜査にあたっていたロス市警のベテラン刑事ペリーと相棒ボビーは、ついに2人の容疑者を特定する。彼がそのことを上司に報告すると、驚いたことに、上司はその2人を見逃し、新たに別の犯人をでっち上げるようペリーたちに命じる。純真なボビーは嘘をつくのも平気な警察の体制に耐えられなくなってくる。カート・ラッセルにしてはアクションシーンが少なく、やや凡庸な出来になってしまい、それが日本劇場未公開の理由かな。ラストでロス暴動の中、真犯人を追い詰めるが一人は手をかける前に暴徒達に襲われ倒れる。リアルである。エンド・クレジットでかかる“Streets On Fire”(ラップ調の曲)がロス暴動の雰囲気を醸し出しててグッド。☆☆☆★

チャイルド・プレイ チャッキーの花嫁 BRIDE OF CHUCKY

2006年03月02日 | Weblog
監督:ロニー・ユー
製作:デビッド・カーシュナー、グレース・ギルロイ
製作総指揮:ドン・マンシーニ、コーリー・シニーガ
脚本:ドン・マンシーニ
撮影:ピーター・バウ
音楽:グレアム・レヴェル
美術:アリシア・キーワン
編集:デビッド・ウー
チャッキー&ティファニー・パペットエフェクト:ケビン・イエーガー
キャラクター原案:ドン・マンシーニ
チャッキー&ティファニー制作:デビッド・カーシュナー
共同製作:ローラ・モスコヴィッツ
■キャスト■
ジェニファー・ティリー(ティファニー)
ブラッド・ダーリフ(チャッキーの声)
キャサリン・ヘイグル(ジェイド)
ニック・スタビル(ジェシー)
1998/1h29m/米
1999年度ジュラルメール国際ファンタスティック映画祭特別審査員賞受賞
☆☆☆☆
面白かった。88年、90年、91年と続いて3本作られたシリーズの4作目。ホラー映画みたいだが、アクション・コメディとして人に薦めたい。主人公チャッキーが人間だった頃の自称恋人が3作目でバラバラになったチャッキー(グッドガイ人形)を盗み出し再縫合して復活させる。今回チャッキーが執拗に付け狙う相手は特にいない。気の強い彼女と喧嘩した挙句、殺して自分と同じように人形として再生するのである。ブラッド・ダーリフ、ジェニファー・ティリー(あの“バウンド”の女優!)とも声優を楽しんでやっている感がある。全編明るい画面が多く、恐怖映画独特の暗くて見辛いゆえの恐怖相乗効果を狙った節は無い。それどころかサントラにはロブ・ゾンビを使いロックバリバリなのである。前3作とは方向性が変わった楽しめる作品だ。