mapio's STREETS OF MOVIE

観た映画の感想とそれから連想したアレコレ(ネタバレ有)。

ウルトラヴァイオレット ULTRAVIOLET

2007年02月25日 | Weblog
監督: カート・ウィマー
製作: ジョン・バルデッチ
    ルーカス・フォスター
製作総指揮: スー・ジェット
    チャールズ・ワン
    トニー・マーク
脚本: カート・ウィマー
撮影: アーサー・ウォン
    ジミー・ウォン
プロダクションデザイン: チュー・サンポン
衣装デザイン: ジョセフ・ポロ
編集: ウィリアム・イェー
音楽: クラウス・バデルト
出演: ミラ・ジョヴォヴィッチ(ヴァイオレット)
    キャメロン・ブライト (シックス)
    ニック・チンランド (ダクサス)
    ウィリアム・フィクトナー (ガース)
2006/米/87min.   ☆☆☆

  「リベリオン」のカート・ウィマー監督が、「バイオハザード」のミラ・ジョヴォヴィッチを主演に迎えて贈るSFアクションです。驚異的な能力を持つ<超人間 (ファージ)>とその撲滅を目指す政府が対立する近未来を舞台に、人間の少年を守るため、両勢力を敵に回したファージの女戦士の戦いを、息をもつかせぬアクションとCGの連続で描いています。
 21世紀末、新種のウィルスが蔓延し、感染した人間は“ファージ”と呼ばれ、超人的な知能と運動能力を身につける代償に、感染後わずか12年で命を落とす運命となります。ファージの能力を恐れた人間たちは、彼らの根絶を企て、政府によるファージ掃討作戦が開始されます。追い詰められたファージは地下組織を結成し、人間政府との激しい抗争を繰り広げます。しかし政府はファージ絶滅の切り札となる最終兵器の開発に成功します。ファージ側はその情報をつかむと、最終兵器強奪のため、最強の殺し屋ヴァイオレットを送り込みます。以前、感染した夫と子どもを政府に殺され復讐に燃えるヴァイオレットは、兵器の入ったケースを難なく奪い去りますが、「決して開けるな」という指令に背き、ケースの中を見た彼女は最終兵器がわずか9歳の少年であることを知るのでした…。
 ミラ・ジョヴォヴィッチはSFチック(アメコミ風)な格好をすると本当に絵になると思います。彼女の扮装が映画製作で一番初めに決まったのではないでしょうか。CMはカッコイイ、ポスターもチラシもソフトジャケットも全ては“衣装がきまってるミラ在りき”でまとまった感があります。CGを駆使した映像は綺麗過ぎて派手なアクションにも今一つ躍動感が伝わってきません。本編87分とコンパクトにまとめたのは正解でしょう。同軸の作品では「ブラッディ・マロリー」の方が話が分かり易くてお勧めです。ミラファンとお時間のある方向きかな。

呪われた森 The Watcher in the Woods

2007年02月11日 | Weblog
監督:ジョン・ハフ
製作:ロン・ミラー
原作:フローレンス・エンゲル・ランドール
脚本:ハリー・スポルディング
   ローズマリー・アン・シッソン
撮影:アラン・ヒューム
音楽:スタンリー・マイヤーズ

出演:ベティ・デイヴィス (アイルウッド夫人)
   キャロル・ベイカー (ヘレン・カーティス)
   リン=ホリー・ジョンソン (ジャン・カーティス)
   デヴィッド・マッカラム (ポール・カーティス)
   カイル・リチャーズ (エリー・カーティス)
   イアン・バネン (ジョン・ケラー)
   ジョージナ・ヘイル (若き日のアイルウッド夫人)
   ベネディクト・テイラー (マイク・フレミング)
1982/米/84mins.   ☆☆

 隠遁生活をおくる老婦人から家を借りた一家が遭遇する怪異な出来事を描く。ディズニー・プロ社長のロン・ミラーが製作に当った恐怖映画だけあって残酷シーン等は無いが、その分30年前の謎に迫るミステリー要素はそこそこです。もっとも全体的に曖昧でラストの種明しの強引なやり方はいただけません。監督は「ブラス・ターゲット」のジョン・ハフ。フロレンス・エンゲル・ランダールの原作をブライアン・クレメンス、ハリー・スポルディング、ローズマリー・アン・シソンが脚色。撮影はアラン・ヒューム、音楽はスタンリー・マイヤーズが担当している。何より出演陣が豪華で老婦人役にベティ・デイヴィス。彼女は81年、グラミー賞を受賞したキム・カーンズの『ベティ・デイビスの瞳』でも歌われた、非常に目が印象的な気の強い個性派大女優。本名はRuth Elizabeth Davis。34年の「痴人の愛」あたりから注目を受け始め、翌年の「青春の抗議」でアカデミー主演女優賞を受賞。38年にも「黒蘭の女」で再び主演女優賞を受賞した。この作品の2本前に出演した映画「家」での演技が「ヘルハウス」を撮ったハフ監督の目に適ったのでは。他に「ナポレオン・ソロ」のデヴィッド・マッカラム、プロ・スケーターで「アイス・キャッスル」で映画デビューし、この翌年公開の「007/ユア・アイズ・オンリー」でボンド・ガールに抜擢されたリン=ホリー・ジョンソンなど。撮影はイギリスで行われました。
  アメリカの作曲家ポール・カーティス(デイヴィッド・マッカラム)は、童話作家の妻ヘレン(キャロル・ベイカー)と2人の娘、17歳のジャン(リン・ホ リー・ジョンソン)、10歳のエリー(カイル・リチャーズ)を連れてイギリスの田舎に越して来た。不動産屋のサイヤー夫人の案内で、奇妙な老婦人アイルウッド(ベティ・デイヴィス)から森の中にある古い邸宅を借りることにする。ジャンが2階の窓から外を覗くと、 森の中で青緑色の光が輝き、手の触れていたガラス窓が三角形にひびが入った。以後、鏡が三角形にひび割れたり、目隠しされた少女の姿が鏡面に見えたりする。ある日、エリーが近所のフレミング夫人から小犬を買い、ネレク(NERAK)と名付ける。曇り窓に指で描いたその字を見てジャンがエリーに尋ねると誰かがこの名を囁いたのだという。ネレク、それはカレン (Karen)の逆綴りだ。カレンとは30年前に失踪したエイルウッド夫人の娘の名前だった。エイルウッド夫人はジャンに30年前の出来事を話す。礼拝堂でカレンと3人の友人が遊んでいるうちに、落雷で礼拝堂が炎に包まれ、3人は逃げ出したが、カレンの姿は忽然と消えたという。ジャンは礼拝堂で棺に横たわる目隠しをしたカレンを目撃。突如、ステンドグラスが割れ、2つの円形グラスが重なった。ジャンは成人となった3人の友人に会う。3人、すなわちフレミング夫人、トム・コリー、ジョン・ケラーは昔のことを語りたがらない。やっとコリーから30年前の夜は月食で、目隠しされたカレンを中心にクラブの入会肝試しをしていたことを聞き出す。日食の日が来た。円形グラスが重なったのは日食を意味していたのだと気付いたジャンは、フレミング夫人ら3人を礼拝堂に集める。目隠しをしたジャンを中心に、入会の儀式が再現された。果たして青緑色の光が浮かび出て、実体化してカレンが現われ、老いた母親のエイルウッド夫人と抱き合う。めでたしめでたし。