監督・脚本:李相日(り・さんいる)
製作:李鳳宇
脚本:羽原大介
撮影:山本英夫
美術:種田陽平
音楽:ジェイク・シマブクロ
出演:
松雪泰子:平山まどか
豊川悦司:谷川洋二
蒼井優:谷川紀美子
山崎静代:熊野小百合
池津祥子:佐々木初子
徳永えり:木村早苗
岸部一徳:吉本紀夫
富司純子:谷川千代
高橋克実:木村清二
三宅弘城:猪狩光夫
志賀勝:熊野五郎
寺島進:石田(借金取り)
2006/日本/2h ☆☆☆☆★
昭和40年1月15日、福島県いわき市の炭鉱町に“常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)”がオープンするまでに、フラダンスショーの成功を支えた人々の姿を描いた実話の感動ドラマ。『69 sixty nine』の李相日監督が石炭から石油へと激動する時代を駆け抜けた人々の輝きをフラダンスを通じて活写する。主演の松雪泰子をはじめ、『花とアリス』の蒼井優や南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代らが魅惑的なフラダンスを披露する…。
石炭から石油へとエネルギー革命が押し寄せ、閉山の危機脱出の為に炭鉱会社が構想したのが、レジャー施設“常磐ハワイアンセンター”だった。当初、ハワイアンセンターの吉本部長の「求む、ハワイアンダンサー」の呼び掛けに集まったのは、僅かに4人。そして娘たちにフラダンスを仕込むために東京から本場ハワイでフラダンスを習い、SKD(松竹歌劇団)で踊っていたダンサー、平山まどか先生を招く。最初は田舎町を軽蔑し、母親の借金を背負って自暴自棄気味で泥酔しないとこんな遠くまでやって来れないまどか先生だったが、紀美子達の熱心さに次第に忘れかけていた情熱が再燃し夢を持つ大切さを思い出す。やがて身内が炭鉱を解雇された娘たちも徐々に加わり、ダンサーの数が増えてゆく。子供たちに教えられ、だんだんと変わっていくまどか先生。言葉に出すわけでは無く、それでも感情の共有部分が増えて子供たちへの愛情が芽生えていくのを感じさせる。特筆すべきは、教え子の一人、早苗がフラガールになる事を快く思っていない父親から顔が腫れ上がるまで殴り飛ばされ髪まで切られた現場に駆けつけ、父親を庇い自分が悪いと落ち込む早苗を尻目に、単身銭湯の男湯に怒鳴り込み、湯船に浸かっていた父親に拳を振り上げるシーン。この裸の男たちの群れの中に突進していく痛快な光景は、まどか先生の感情表現が下手で言葉は少ないが生徒達に対する過多な思いの証しであり、笑いと共に胸を熱くさせてくれます。
宣伝キャラバンツアーが始まるが、畳敷きの会場で酔客からの野次や物投げに紀美子たちは喧嘩を始めてしまう。帰りのバスで互いに責任をなすりつけ合う娘たちに、まどか先生の一喝「“一山一家”とか言って、出来ないなら出来ないなりに、助け合うとか、励まし合うとか、そういう気持ちは無いわけ?悔しくないならもうやめちまえ!見てるこっちが恥ずかしい!」。そう言って一人バスを降りてしまいます。反省する娘達でしたが最後のキャラバンステージの直前、落盤事故で小百合の父が犠牲となった報が届く。一度は「帰ろう」といったまどか先生だったが早苗のステージを続ける熱意にキャラバンを最後まで行う。しかし炭鉱へ戻ると事故にも関わらずキャラバン続行の責任を取って、まどか先生は東京に戻る事になってしまう。電車に乗り込み発車を待つまどか先生に駆け付けたフラガールの面々は覚えたフラでメッセージを送る。その踊りの意味は“わたしは あなたを 心から 愛してます”。まどか先生はそれを涙ながらに見て残る事にする。劇中、まどか先生の講釈にあるがフラの踊りは一つ一つに意味を持ち、手話的要素を持っているのです。
そして遂に常磐ハワイアンセンターのオープンの日を迎える。リズミカルな音楽が鳴り響く中、最初は反対していた紀美子の母も含めた大勢の客が詰め掛けたドームのステージに、笑顔(スマイル)をたたえたフラガールたちが登場する!
見ていて気持ちが良くなるアメリカンな映画です。
☆フラ(Hula)とは、ハワイの伝統的な踊りと音楽を意味する。日本では長い間「フラダンス」と呼ばれてきたが、現在は正しく「フラ」の名称に統一されつつある。
製作:李鳳宇
脚本:羽原大介
撮影:山本英夫
美術:種田陽平
音楽:ジェイク・シマブクロ
出演:
松雪泰子:平山まどか
豊川悦司:谷川洋二
蒼井優:谷川紀美子
山崎静代:熊野小百合
池津祥子:佐々木初子
徳永えり:木村早苗
岸部一徳:吉本紀夫
富司純子:谷川千代
高橋克実:木村清二
三宅弘城:猪狩光夫
志賀勝:熊野五郎
寺島進:石田(借金取り)
2006/日本/2h ☆☆☆☆★
昭和40年1月15日、福島県いわき市の炭鉱町に“常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)”がオープンするまでに、フラダンスショーの成功を支えた人々の姿を描いた実話の感動ドラマ。『69 sixty nine』の李相日監督が石炭から石油へと激動する時代を駆け抜けた人々の輝きをフラダンスを通じて活写する。主演の松雪泰子をはじめ、『花とアリス』の蒼井優や南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代らが魅惑的なフラダンスを披露する…。
石炭から石油へとエネルギー革命が押し寄せ、閉山の危機脱出の為に炭鉱会社が構想したのが、レジャー施設“常磐ハワイアンセンター”だった。当初、ハワイアンセンターの吉本部長の「求む、ハワイアンダンサー」の呼び掛けに集まったのは、僅かに4人。そして娘たちにフラダンスを仕込むために東京から本場ハワイでフラダンスを習い、SKD(松竹歌劇団)で踊っていたダンサー、平山まどか先生を招く。最初は田舎町を軽蔑し、母親の借金を背負って自暴自棄気味で泥酔しないとこんな遠くまでやって来れないまどか先生だったが、紀美子達の熱心さに次第に忘れかけていた情熱が再燃し夢を持つ大切さを思い出す。やがて身内が炭鉱を解雇された娘たちも徐々に加わり、ダンサーの数が増えてゆく。子供たちに教えられ、だんだんと変わっていくまどか先生。言葉に出すわけでは無く、それでも感情の共有部分が増えて子供たちへの愛情が芽生えていくのを感じさせる。特筆すべきは、教え子の一人、早苗がフラガールになる事を快く思っていない父親から顔が腫れ上がるまで殴り飛ばされ髪まで切られた現場に駆けつけ、父親を庇い自分が悪いと落ち込む早苗を尻目に、単身銭湯の男湯に怒鳴り込み、湯船に浸かっていた父親に拳を振り上げるシーン。この裸の男たちの群れの中に突進していく痛快な光景は、まどか先生の感情表現が下手で言葉は少ないが生徒達に対する過多な思いの証しであり、笑いと共に胸を熱くさせてくれます。
宣伝キャラバンツアーが始まるが、畳敷きの会場で酔客からの野次や物投げに紀美子たちは喧嘩を始めてしまう。帰りのバスで互いに責任をなすりつけ合う娘たちに、まどか先生の一喝「“一山一家”とか言って、出来ないなら出来ないなりに、助け合うとか、励まし合うとか、そういう気持ちは無いわけ?悔しくないならもうやめちまえ!見てるこっちが恥ずかしい!」。そう言って一人バスを降りてしまいます。反省する娘達でしたが最後のキャラバンステージの直前、落盤事故で小百合の父が犠牲となった報が届く。一度は「帰ろう」といったまどか先生だったが早苗のステージを続ける熱意にキャラバンを最後まで行う。しかし炭鉱へ戻ると事故にも関わらずキャラバン続行の責任を取って、まどか先生は東京に戻る事になってしまう。電車に乗り込み発車を待つまどか先生に駆け付けたフラガールの面々は覚えたフラでメッセージを送る。その踊りの意味は“わたしは あなたを 心から 愛してます”。まどか先生はそれを涙ながらに見て残る事にする。劇中、まどか先生の講釈にあるがフラの踊りは一つ一つに意味を持ち、手話的要素を持っているのです。
そして遂に常磐ハワイアンセンターのオープンの日を迎える。リズミカルな音楽が鳴り響く中、最初は反対していた紀美子の母も含めた大勢の客が詰め掛けたドームのステージに、笑顔(スマイル)をたたえたフラガールたちが登場する!
見ていて気持ちが良くなるアメリカンな映画です。
☆フラ(Hula)とは、ハワイの伝統的な踊りと音楽を意味する。日本では長い間「フラダンス」と呼ばれてきたが、現在は正しく「フラ」の名称に統一されつつある。