mapio's STREETS OF MOVIE

観た映画の感想とそれから連想したアレコレ(ネタバレ有)。

HOUSE ハウス

2006年09月16日 | Weblog
監督:大林宣彦
製作:大林宣彦、山田順彦
原案:大林千茱萸
脚本:桂千穂
撮影:阪本善尚
音楽:小林亜星、ミッキー吉野、ゴダイゴ
CAST:
池上季実子 (オシャレ)
池上季実子:一人二役(オシャレの母)
大場久美子(ファンタ)
松原愛(ガリ)
神保美喜(クンフー)
佐藤美恵子(マツク)
宮子昌代(スウィート)
田中エリ子(メロディー)
尾崎紀世彦(東郷圭介先生)
笹沢左保(オシャレの父)
小林亜星(西瓜を売る農夫)
石上三登志(写真屋さん)
鰐淵晴子(江馬涼子)
南田洋子(オシャレの伯母)
1977/日本/1h28m  ☆☆☆

 コマーシャル監督として活動していた大林宣彦の劇場用初監督作品。画面隅からの太陽射光線入れ、コマ撮り実写アニメ、左右分割撮影など自主製作映画の教科書みたいな撮影技術オンパレードのCGに頼らない映画。大林宣彦はこの後、代表作となった尾道三部作「転校生(1982年)」「時をかける少女(1983年)」「さびしんぼう(1985年)」を製作する。
 中学生のオシャレを中心に仲間のファンタ、ガリ、クンフー、マック、スウィート、メロディーたち(今では考えられないようなネーミング)が経験する夏物語。オシャレが学校から帰ると、イタリアから父が帰国していた。父は彼女に、自分の再婚の相手だと言って涼子を紹介する。新しい母など考えてもいないオシャレはショックで自分の部屋に籠もり、近年会っていないオバチャマへ手紙を出し、夏休みに仲間と行くことにする。そして夏休み。オシャレは仲間とオバチャマの羽臼邸へ向かって出発。学校の人気者、モミアゲがハイカラな東郷先生も一緒に行く筈だったが、あとから来ることになり、七人でオバチャマを訪ねる。都会育ちの七人は田舎の雰囲気に大喜びだったが、それもつかの間で、次々と怪異現象に遭遇する。実はこのオバチャマというのが戦争で死んだ恋人のことを思いつつ、数年前に死亡して、今はその生霊が羽臼邸(オバチャマの身体)となって七人を迎えていたのだった。まず最初に冷やしておいた西瓜を取りに入ったマックが井戸の中に引き擦り込まれ、探しに行くと首だけが飛んで来る。他にも、ピアノや、ふろ桶や、布団に次々と少女らが襲われ、その度に一人一人この家から消えてゆくのであった。オバチャマは、若い娘を摂取した時だけ若返り、自分が着るはずだった花嫁衣裳が着られるのであった。最後は、オシャレになりすまし、後から来た涼子をも襲うのだった。
 神保美喜扮するクンフーが若い頃の夏目雅子を思わせる。小林亜星の西瓜売りは西遊記に出てきても違和感無い位、妖しい雰囲気を醸し出している。笹沢左保はダンディな役で彼の書く小説からのイメージとかけ離れていた。とにかく一見の価値有り。


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