mapio's STREETS OF MOVIE

観た映画の感想とそれから連想したアレコレ(ネタバレ有)。

キャノンボール  The Cannonball Run

2007年07月01日 | Weblog
監督:ハル・ニーダム
製作総指揮:レイモンド・チョウ
製作:アルバート・S・ラディ
脚本:ブロック・イェーツ
撮影:マイケル・バトラー
音楽・編曲・指揮:アル・キャップス
出演:
ロジャー・ムーア Roger Moore(Seymour)
ファラ・フォーセット Farrah Fawcett(Pamela)
バート・レイノルズ Burt Reynolds(J. J. McClure)
ドム・デ・ルーイズ Dom DeLuise (Victor)
ジャック・エラム Jack Elam(Doctor Nicholas Van Helsing)
ディーン・マーティン Dean Martin(Jamie Blake)
サミー・デイヴィス・ジュニア Sammy Davis Jr.(Moris Fenderbaum)
ピーター・フォンダ Peter Fonda(Chief Biker)
エイドリアン・バーボー Adrienne Barbeau(Marcie)   
タラ・バックマン Tara Buckman(Jill)
ジャッキー・チェン Jackie Chan 成龍(Subaru Driver 1)
マイケル・ホイ Michael Hui 許冠文(Subaru Driver 2)

(1981/米・香港/95min.)    ☆☆☆☆☆

 アメリカ・香港合作のアクションコメディ超大作。プロローグの格好良さではベストテンに入る映画です。冒頭、お馴染みの夜空に交差するスポットライトを背景に「20th CENTURY FOX」の文字が現れ、何とそこにアニメで赤いオープンカーがその文字を上り、後を追ってきたパトカーが曲がり損ねてクラッシュするのを「0(ゼロ)」の間から覗き見下ろしてクラクションを鳴らし笑うのです。これは同じくハル・ニーダム監督が前年発表した「トランザム7000vs激突パトカー軍団」の冒頭と比べるとより楽しめます。一転、画面が暗くなり、エンジン音と共に始まる、レイ・スティーブンスのテーマ曲をバックに黒いランボルギーニカウンタック(LP500-S?)の疾走シーンでタイトル・クレジットです。カメラに僅かに差し込む朝日の斜光の中、広い大地を猛スピードで突っ走るカウンタックはとにかくカッコイイ!「山があれば、どかせろ。川があれば飛び越えろ。壁があればぶち壊せ~♪」という歌詞がぴったりフィットします。
 北アメリカ大陸を市販車でどれだけ速く横断できるかを競う非合法レース:Cannonball Baker Sea-To-Shining-Sea Memorial Trophy Dash)をモチーフにしています。東海岸のコネティカット州ダリーンから西海岸のカリフォルニア州ロサンゼルス郊外にあるレドンドビーチまでの5,000kmを、最速で完走した者が優勝する"キャノンボール"。世界中の度肝を抜いた、前代未聞の痛快カー・アクション・コメディの記念すべきシリーズ第1作目です。交通法規を無視してぶっ飛ばし、一番乗りしなければ意味がない、問答無用のカーレースです。この映画を製作するために監督のハル・ニーダム、および本作の脚本を書いた自動車ジャーナリストのブロック・イェーツ自らこの大陸横断レースに参戦したそうです。
 公道レースでアメリカ大陸横断する、なんともハチャメチャで壮大なレースに登場するのは、バート・レイノルズ、ロジャー・ムーア、ファラ・フォーセットなど名前を挙げたらキリがない、ハリウッドの超豪華スターばかりで、至る所にスターたちの見せ場があります。高額の賞金目当てに、各地からドライビング・テクニックに自身のあるチームが続々と集結する中、J.J.は制限速度がない救急車でエントリーし優勝を狙うが、一癖も二癖もある面子が顔を揃え、ただ走るだけじゃ到底収まらない。おまけにパトカーとのカー・チェイスなんてのもあって、起こるのは珍騒動ばかり。たたみ掛けるようなギャグとアクションでラストまでぶっ飛ばす娯楽作です。
 主演はクライスラー製ミニバンの救急車に乗るバート・レイノルズとドム・デ・ルーイズの凸凹コンビで当初はキャノンボールにポルシェでエントリーする予定だったが、モーターボートで事故を起こし、救急車で搬送されたことで、自らのチームを救急隊に仕立てることを思いつき、レース直前になって医師を確保します。このシナリオは1979年にニーダム&イェーツがキャノンボールに参戦したときに実施したものです。レース前には飛行中にビールが飲みたくなってセスナ機で町中に降り立つシーンもあります(但し飛行中の飲酒は禁則)。その他、当時全米の青少年に人気抜群だったファラ・フォーセット(この製作年にR.オニールと婚約)、フェラーリ308GTSに乗るお笑い担当のディーン・マーチンとサミー・デイヴィスJr.の飲んだくれニセのメソジスト牧師コンビ(第2作では一家の大将、フランク・シナトラが登場します)、赤外線ゴーグルやロケットエンジン、カーナビゲーションなどを搭載したハイテクマシンのスバル・レオーネ(2作目では三菱スタリオン)に乗る日本人(?)コンビ:ジャッキー・チェンとマイケル・ホイ、『イージー・ ライダー』『ワイルド・エンジェル』のパロディで笑いをとるピーター・フォンダ、特殊装備のボンド・カー:アストンマーチン・DB5のハンドルを握る『007』のロジャー・ムーア自身をパロるR.ムーアと、次々とスターが登場します。レースが始まりフリューゲルホーン奏者のChuck Mangione(チャックマンジョーネ)のキャノンボールのテーマが流れる中、ショート・エピソードが展開します。
 そしてゴール。「また来年もやろうよ」の台詞と共に子供達のコーラスで“You've Gotta Have A Dream”が流れます。平和に皆で楽しんで作っている雰囲気がありありです。同時に始まるエンドクレジットのバックには、香港映画特有のNG集が流れ、最後の最後まで笑わせてくれます。
 気を付けて欲しいのは、DVDで出回ってる方は最初にPONY VIDEOで発売された同作品に比べて、日本語字幕の訳が荒っぽい事を念頭に置いといて下さい。