不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

地図資料、画像資料の調べ方、図書館の活用雑談。

2007年08月09日 23時27分09秒 | まちづくり
 夏らしい暑い日が続く。このところ仕事にかかる時間を朝の4時に早めて
結構調子が良い。子供が夏休みに入る前、学校から持って帰ったプリントに
は「夏休みの過ごし方」と題し、早寝早起きの効能や勉強のやり方なども書
かれてあった。素直な?私は「そうか、朝飯前の空腹時に勉強=仕事をする
のが一番アタマに入るのか!」と感心し、以来その通りに実践している訳で
ある。

 朝の匂いは大好きである。子供の頃からそう、学生時代の新聞配達でさら
に好きになった。日中は35度以上になる猛暑日でも、朝はすっきりと爽や
かだ。朝8時を過ぎると事務所裏のマンション建設現場の作業が始まり、う
るさくて仕事どころではないのも事実。工事が始まるまでの4時間弱を集中
して充実した時間として過ごしている。

 例年、夏場は私の仕事は閑散期にあたり、これまでは本の執筆などをこの
時期に行うことが多かった。今年も企画本を3つほど同時に進めているが、
それ以上に企画提案の機会を増やすことにチャレンジする夏となっている。
その合間に、夏の課題のひとつにあげている?絵葉書アーカイブスのサイト
追加である。スキャンはどんどん溜まるのだが、解説文の作成やHTML組
には結構時間がかかる訳で、今日は久々に100点ほど画像をアップした。

 柳川市、博多・土居町、呉服町、名島などを次々に公開。週末には大牟田、
甘木朝倉、直方・中間、飯塚、津屋崎、行橋など福岡県内各地の公開を準備
中だ。さらにデータ化の終わっている唐津、佐賀、小倉、八幡、戸畑、若松
なども盆前に公開したい。合わせるとこれだけで500点ほどになる。それ
でも目標の1万点にはまだ遠い(笑)。

 どこから作業を進めるかは風まかせである(笑)。日々の打合せや歓談の
中で話題になった地を、思い立った時にデータ化し解説文を書く。フラウの
濱砂専務との話で話題に上がった大牟田、直方、行橋などを空き時間にスキ
ャン。昨日某社との打合せで話題になった柳川を急遽先に公開したといった
具合だ。

 今日は午後、久々に福岡県立図書館へ行った。朝4時からすでに8時間仕
事を終えての昼食、一番暑い2時に自転車で約3キロ、東区箱崎までサイク
リングである。東比恵から堅粕、吉塚を抜け裏通りばかりを通って箱崎まで
向かうのであるが、私はこの道筋の光景が大好きだ。

 つい最近までこのルート上には銭湯だけで5軒があったが、今は3軒。表
通りから一歩裏路地へと入ると、そこは戦災を受けずに戦前の雰囲気が残る
一帯である。にわか煎餅や博多の女など菓子工場も点在し、馬出から箱崎へ
と入ると昭和の路地だらけである。それでもこの数年の間に新しい幹線道路
ができ、次々に古い木造アパートや家屋が取り壊される風景ばかり。

 デジカメ片手に、図書館に着くまでに数百カット撮影した。今日は夏特有
のコントラストで、陽炎まで写真に写りそうな勢いだった。

 県立図書館でまず子供図書館をチェック。その後、目的の郷土資料室へと
向かう。夏休みに入ってから、サイトを見たといって「自由研究」の質問が
毎日1~2件電話が掛かってくる。昨日も東区の中一のお母さんが掛けてき
て「自由研究で郷土の地図をもとにしたものを息子がやりたいそうだが、古
い地図はどこで手に入るだろうか」という相談。

 アドバイスとして「福岡市であれば塔文社から昭和初期や昭和30年代と
現在の地図がセットになったものが書店にあります」という情報を与え、さ
らに東区であれば県立図書館の郷土資料室に行けば、該当する地図がコピー
できると教えた。県立図書館には住宅案内図を創始した片山親作成の福博の
戦前の住宅案内図(住宅地図はゼンリンの商標)も多数ある。他の図書館で
は蔵書も少ないし、まず福岡市総合図書館などはコピー不可である。

 この手の情報、調べ方は私の経験に基づくものだが、これは他の公文書館
などでも事前にチェックしておかねば、尋ねていってもコピーさえできない。
例えば、京都府立総合資料館には吉田初三郎の印刷折本だけで300点以上
が蔵書されていて、コピーも可能。しかしながら著作権の観点から継承者の
承諾が無ければ実際にはコピー不可である(笑)。個人情報保護法が発令さ
れて以来、著作権継承者の連絡先すら教えてもらえない。

 これでは結局のところコピーは不可となってしまう訳だ。初三郎の著作権
は一般的に没後50年を経過したので、今は同館でも承諾なしにコピーが可
となっているかもしれないが、この手の条件は著作権が生きている写真や地
図には付き物である。

 また地図は貴重品扱いされている事も多く、現物そのままコピー機にかけ
るのが不可であることも多い。マイクロフィルム化されていればそこから複
製できるが、予算が年々削減されている公的機関ではマイクロフィルム化の
予算すら無い場合も多いようだ。

 さらに地図には制作時の事情が繁栄されているものが多く、つまり戦時下
の情報や差別等の情報など今では問題となる表現が多い。古地図の復刻
などで一番神経を使わねばならない点であり、ゼンリンが地図マガジン「ラ
パン」を発売している際にも何度かこの理由で即回収となったこともあった。

 同様に、一度書籍になってしまった場合、出典や所有者の情報などが漏れ
ていると、その元図が誰の所有かが不明瞭となる。絵葉書画像なども、某新
聞社発行の写真集から転載されて、市発行の写真集などに同じ写真が使われ
ていることも多々ある。絵葉書だとヨゴレやスタンプの位置など些細な部分
で私のような研究者であれば所有元がすぐに判る。

 そんなことも考えながら、県立図書館に滞在し目当ての本を何冊か読破し
た。必要なカ所はメモし、またコピーを申請する。郷土資料室内にはカバン
等は一切持って入れない。筆記具のみである。これが山口県立公文書館など
であると、資料のコピーは不可であるがデジカメでの撮影であれば申請さえ
出せば可である。

 福岡になぜ公文書館が無いのか、ずっと不思議に思っている。周囲の県に
は大体ある訳で、国立博物館の誘致が成功した今、残るは公文書館の設置を
一番希望する。ネットであればやはり国会図書館の企画展示サイトが一番楽
しい。予算があればここまで作り込みたいが、なかなか普通ではムリだ。
それでも夢は日本一の画像アーカイブサイト創りである(笑)。

今日の画像は大牟田市の栄町商店街の往時の光景
背後に見えるのは廃業した松屋百貨店だろうか?

アンティーク絵葉書に観る懐かしの風景・町並み
人気blogランキングへ
鳥瞰図絵師・前田虹映

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 阿久悠さんのこと、好きな音... | トップ | ひとりっ子の寂しさと昭和の... »
最新の画像もっと見る

まちづくり」カテゴリの最新記事