晴れ、17度、81%
香港に来た当初、20年以上前のことです。飲茶に行くと、今のようにお茶は何にしますか?と尋ねられることはなく、出てくるお茶は全て、プアール茶でした。香港では、ポーレイチャと言います。色は見るからに濃く、香りがお茶の香りとは違います。でも、周りのみんなが飲んでいますから、郷に入っては郷に従えです。
そのうち、日本でも脂を溶かすとかで、痩せるためのお茶などと言って、流行ったことがありましたね。ポーレイチャもピンからキリまであります。昨年からは、お茶の投機が盛んで、古い物は信じられないような値段がついています。
発酵茶で、長く寝かせたものほど、いいとされています。普段、ポーレイはお外で飲茶と飲むものと思い、自分からか買い求めません。年末に頂き物をしました。
普通にルーズリーフになっているものもありますが、いいものは、こうして団茶として売られています。形も、丸いもの四角なもの大きさも様々あります。これを、削ってお茶を入れます。
以前は、乾かすときについたほこりや砂をのぞくため、急須に入れてまずはじめに注いだお湯は、捨てるように言われてきました。最近は、作られているところの衛生状態も変わったのか、砂もほこりもでなくなりました。
中国茶は、とにかく熱いお湯で入れることです。脂を溶かす作用の真偽のほどは、解りませんが、ウーロン茶などに比べると胃に優しく感じます。飲茶の時のように、2度3度と濃いお茶が出てくれます。寒いこの時期、発酵茶は、体も温めてくれます。
食べ物を楽しむ人たち話し声、食器がふれあう音の中で飲むお茶は格別です。
同時に、初釜で最後にいただく濃茶をねるときの静寂と釜のしゅんしゅんという音も思い出しました。
すごく合理的にそれぞれの茶っ葉をしまう引き出しが、あります。おじさん達、慣れた手つきでお茶っ葉をひと救い、熱いお湯を注いで持って来てくれます。そんなにいいお茶じゃないかも知れません。でも、あのざわめきの中で飲むと、美味しく感じます。