曇、20度、81%
主人が香港に戻ったその晩、年若い友人が訪ねてくれました。確か彼女のお母様と私は同じ歳です。出張で福岡に来ています。夕方までの会議の後、疲れも見せずにやって来てくれました。
彼女の手土産はうかい亭のセックです。私のワインのお供にと選んでくれたようです。うかい亭は八王子にありました。30年前に一度友人に連れられて訪れた鉄板焼きのお店です。お店の作りも目の前で焼いてもらえるお肉や海老も記憶にありますが、料理と一緒にサーブされたシナモンロールの味が忘れられません。暖かな甘みのないディナーロルはほのかにシナモンが香りました。最近、うかい亭はお店の数も増えてお菓子の店「アトリエうかい」もできたと何かで知りました。あのシナモンロールはうかい亭の自家製でした。そんなパン作り、デザートの延長線のお店に違いありません。
ラベルの可愛いポルトガルワインを主人が彼女のために冷蔵庫に入れておいてくれました。頂き物の賀茂茄子やアスパラガスを使った料理と合わせます。近況や食べ物の話、香港時代の話と時間は尽きません。会うたびにきれいになって行きます。食べることもお酒を飲むことも大好きな彼女です。家に置いて来た猫の話をするときはまるで母親の表情です。
香港の時代は彼女の他にもう一人、3年前に逝ってしまった私より少し年下の友人も一緒でした。スペインが好きだった亡くなった友人、小さい頃スペインに住んでいた訪ねて来てくれた友人。初めて香港の我が家を訪ねて来てくれた時、私がワインを開けてと頼んだそうです。今回も私が火を使っている間、「ワイン開けといて。」と頼みました。「少しは上手になってると思います。」とオープナー片手にきれいに抜いてくれました。
昨晩は、彼女の手土産の「アトリエうかい」のセックとワインをいただきました。 甘みの少ないセックは30年前のシナモンロールを思い出させます。逝ってしまった友人、まだまだ人生の真っ只中の年若い友人。私自身の生きて来た時間。様々な思いが胸を行き来します。
ポルトガルのワイン、フルーティーなのにしっかりしたお味でした。度数は12%。私には甘く感じました。人が訪ねて来てくれること、喜びの一つです。甘く感じたポルトガルワインのおかげでほんのりいい酔い加減の晩でした。
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