晴、19度、82%
ワタリガニが店に並び始めました。大きな蟹はいいお値段、小ぶりの蟹は手頃なお値段です。中くらいのワタリガニを5杯買いました。 お味噌汁にするには大きめ、そのまま蒸してもいいのですが、春雨と合わせて土鍋仕立てにしました。
香港では寒くなり始めると土鍋料理が並びます。大衆料理やさんの道沿いには一人用の土鍋が積まれます。土鍋で作る炊き込みご飯用です。ご飯の焦げる匂いと干し椎茸の香りが夕方の街に流れます。蟹と春雨の料理はこうした大衆料理やさんのメニューです。中秋節以降はいいレストランでは「上海蟹」が出されます。春雨と土鍋で出てくる蟹は地元のもので市場では生きたまま売られています。青くてぷっくりした「青蟹」です。
小ぶりのワタリガニはざっくりと包丁を入れます。ニンニクと生姜で炒めて、豆板醤とオイスターソースで味をつけた簡単な料理です。 包丁を入れた時から「みそ」が詰まっているのが見えました。赤く火が通った蟹は食欲をそそります。「みそ」を吸った春雨が美味しい。
「上海蟹」を食べに行くと給仕の人がハサミを入れてくれます。手が汚れますから中国茶の指洗いが出されます。「蟹」以外のものだと食事中ずっと仕事の話ばかりする男の人たちも、「蟹」の時だけはみんな黙りこくって「蟹」に向かいます。食べ終わるまでは静かなテーブルでした。真剣に蟹の身を取り出し啜ります。懐かしい思い出です。
もちろん私も5杯の蟹を前にせっせと手と口を動かし食べることに専念しました。
大きな「毛蟹」や「足長蟹」とは一味違う「ワタリガニ」の旨さでした。土鍋で仕立てると、蓋をとった瞬間の湯気と香りが楽しめます。
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