うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

どっちもどっち

2020年02月28日 | 日記

左手の甲に書いたMの文字が

まだ消えない。

 

おはようございます。

書いたのは、月曜日だ。

これは、私のパンツのサイズだ。

事の始まりは、

先週、母さんが尿漏れパット付きのパンツを頼んできた日だ。

母さんは通販のカタログを見せながら

「ほい、これを頼んでくれ」と印を付けた。

だったらついでに、私のパンツも注文することにした。

いや、私は尿漏れパットの付いていない物を頼んだのだが、

どさくさに紛れて、母さんに一括で支払わせてやろうと企んだのだ。

パソコンから注文して、待つこと数日。

メールに発送のお知らせが届いた。

金額は、母さんのパンツ代に、私のパンツ代が同等に加算されているから、

倍の金額となっている。

「大丈夫、ばれやしないさ」

どんどん、いろんなことを忘れていく母さんが、

金額なんて覚えているはずなどない。

 

しかし、そこからが問題だ。

発送のメールに安堵した私は、この時点でパンツの事を

いっさいがっさい忘れてしまったのだ。

先週の金曜日の朝、実家へ行ってみると、

母さんは、冷蔵庫にマグネットで貼られた請求書を睨んでいる。

「それ、なに?」と聞くと、

「何なのかが分からんのや。一万円も何を誰が買ったんや?」

納品書は無いのかと聞くと、「知らん、覚えとらん」と繰り返すばかりだ。

「請求書があるという事は、品物もあるはずだろ?」

それでも母さんは、

「それらしい箱はあるんやけど、わし、どっかに片づけたんか?」

と、何もかも、すっかり忘れてしまっている。

「これ、払った方がええんかや?」

そう呑気に聞いてくる母さんに、私は苛立ちを覚えた。

どんどん何でも忘れていく母さんに、やるせない気持ちを

ぶつけそうになりながら、ぐっと堪えて

「ちょっと調べとくで、まだ払ったらあかんよ」と伝えて実家を出た。

 

こんな事、初めてではない。

母さんは、もう私の年齢さえ覚えていない。

私が、子供の頃から肉が食べられない事や、

母さんが作るナスの味噌炒めが好きだという事も、もう覚えてはいない。

一度結婚して出戻ってきた事も覚えてはいないが、それは忘れてもらって構わない。

むしろ、私だって忘れたい。

 

その後、言いようのない淋しさに駆られながら、

請求書を調べるためにパソコンを開いて、発送のお知らせメールを思い出した。

「これやん!」

翌朝、私は実家へ行くなり、まるで家探しする取り立て屋のごとく、

母さんのタンスを探した。

「母さん、このパンツ、これ買った代金だったわ」

すると、母さんは思い出しように、

「あぁぁ、これ覚えとる。新品のやつや。ほっか、これか」

一件落着だ。

と思い込んで、出勤すると、母さんから携帯に電話が来た。

「わしの払った金よぉ。多すぎんか?」

ん?

母さん、何を言っているんだい?

あのね、尿漏れパット付きのパンツ6枚も買ったんだぞ。

それくらい支払って妥当じゃない?

そう諭した後、「母さん、かなりボケちゃってるもんで」と

誰に言うでもなく呟いた。

 

そして月曜日の朝、

着替えようと履き古したパンツを手に持った時、

私に電撃が走った。

「わしのパンツ、わしが注文したMサイズのパンツ、どこ行ったんや?」

そうして、私はパンツを探すために、

まずそれを金輪際忘れないように、手の甲にMの文字を書いたのだった。

走って実家へ行き、また家探ししようとすると、

ちゃんと袋に入ったままのパンツ10枚を手に持った母さんが、

「これよ、お前のやろ?どうもわしには小さい気がしてよ。」と笑っていた。

 

「ほうやろぉ?一万円なんて、えらい高いなぁと思ったんや。

わしはごまかされんぞ~」

ヒッヒッヒっと笑う母さんに、私は抱きつきたい気持ちになった。

母さん、ごめんよ。

 

という、どっちもどっちな母娘のやり取りであった。

ねえ、私のおチビちゃん?

寝っ転がってるの?

 

あれ?私のおチビちゃんだよな?

おチビの、のんちゃんだよな?

 

あれれ?

 

そんなにおチビではない!?

いつの間に、こんなに大きくなっちゃったんだい?

かかぁ、淋しいや~ん。


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8 コメント

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Unknown (チコ)
2020-02-28 11:49:24
おはようございます\(^-^)/

おかっぱさんとお母様のお話に大笑いしてしまいました(o´▽`o)ノ
意外にちゃんとしてるお母様! 微笑ましいです(*^^*)

のんちゃん(=^ェ^=)背が高い!と言うべきかな( *´艸`)伸びてますね♪
Unknown (金時豆)
2020-02-28 22:19:19
おかっぱさん♪こんばんは〜(*'▽'*)
あたいもパンツMだど😁笑
それにしてもおかっぱさん、ちゃっかり自分のパンツもこっそり頼んで、カズコさんに支払わせようなんて、賢い😁笑
しかしカズコさんもまんまとしてやられないところが😁なお素晴らしい😁
あたすは、正々堂々と、これ買ってくれ〜い、と言うのだが💦今月あんたの買い物これだけ支払ってやったから❗️と、1円単位まで細かく書かれた紙を渡されて、んで、いつも白髪染めさせられるのさ(ーー;)💧
のんちゃん♪でっかくなったなぁ〜😃まだまだうんこさんには及ばないけどね😁そう☝️厚みが😁笑
しかし・・・巨大だよね( ̄▽ ̄;)うんこさん♪😁
うちのトラちゃんも、食いしん坊で、巨大化しつつあるけど😅💦
Unknown (ポンまま)
2020-02-29 00:48:35
こらこら~!
ちょっと切ない話かと、うるっとしそうになったあたしを
どーしてくれるんじゃい。爆
そうね、おかっぱさんがやりそうなことよね~(*≧艸≦)
でもそれだからこそ、カズコさんと
渡り合えるんだよね~ε=(>ε<)
ボケてきた母をね、切なく思うのも大切なこと。
でもね、その内、ちょっと可愛くなってきちゃってね、
愛しさが湧いてきたら、もう大丈夫。
昔の恨みつらみも、自然と水に流せたなぁあたし。
ずっと守って欲しい・・・って思ってた人が
ちっとも守ってはくれなかったんだけども、
守ってあげなきゃ・・・って思う人に変わるのよね。
切ないけども、そうなってくれることが
あたしたちみたいな人間には
きっと必要なんじゃないかな~って
あたしは思う~(^-^ )
ま、同居してる頃は、母もまだしっかりしてて
鬼みたいな娘でしたけども。笑
おかっぱさんも、カズコさんとの残された
しっかり会話できる日々を、大切にね~♪
んでまた便乗商法で、えぇもんゲットしなはれや~。爆
チコさんへ (おかっぱ)
2020-02-29 16:39:48
チコさん、こんにちは。
笑っていただき、ありがとうございます。
ねえ~、ボケとんのかと思いきや、
案外しっかりしてたりするし、
娘も娘でこれだもな~(笑)。
のんちゃん、なんか長くなってきてます。
私の中では、おチビちゃんなのに、
案外もう大きいんですよね(笑)
金時豆さんへ (おかっぱ)
2020-02-29 16:44:20
金時豆さん、こにゃにゃちは~。
おぉぉ、金時豆さんのお母様、さすがやね。
きっちり元をとったるで~って事だよね(笑)。
かずこさんも、なんだかんだ、銭勘定にかけては、
まーったくボケていないというね。
恐ろしや~(笑)。
トラちゃんも、大きくなってるでしょうね。
ちょっと前までチビだったのに、早いよね~。
のん太も、たれに比べてというか誰よりもなんだけど、
すごく食べる子でね。
将来、うんこみたいになるのだろうか?!
あっ、うんこは実は、食事は
量より質な美食家なんだけどもね(爆)。
ポンちゃんママへ (おかっぱ)
2020-02-29 16:50:23
うふふ、いまだにちょろまかそうとしている、
キツネとタヌキ母娘です(笑)。
そうそう、それです。
私はまだ、守ってもらいたいて思っちゃうくらい、
自分が頼りなく思えているのに、
母さんはどんどん守られる側になっていく。
それが複雑で不安で、まだ苛立ちもあるんですよね。
母さんばっかりずるいって思ったりしてね。
そっか、そうだね。
全てが逆転していく中で、自分も変わっていけるんだろうね。
私もまだまだ大人の階段の途中なんですね(はよ登れ笑)。
ありがとうございます。
どんどん面白くなっていくカズコさんが、
さらに面白くなっていけるように、
笑顔でいられるように、過ごそうって思います。
そして便乗商法も仕掛けていきやす(爆)。
Unknown (solo_pin)
2020-03-01 06:12:46
おはようございます。

お母様との話、ちょっぴり切なくて
じわーっと来ました。
でも、おかぱちゃんのオチが素敵で
読後感スッキリ💛
やっぱアレですよ。
やたら自信があるときは
自分をまず疑わんといかんです(笑)。
あたいもよくやるんですよ。
すんごい、大威張りこいたあとに
ミスに気づいちゃう。
好事魔が多しといいますが
全然問題ないくらい物事進んでる時は
やっぱり後から、とんでもない「やらかし」が出てくる。
ほーらね、って自分で自分を呪う朝です。
solo_pinさんへ (おかっぱ)
2020-03-01 06:33:19
solo_pinさん、おはようございます。
ほんと、そう!
やたらと自信持ってる時に限って、
恐ろしい程、やらかしてるんですよね(笑)。
もうね、キレちゃってお説教した後とかに
気が付いた時の心境ったら、
まさに穴があったら入りたい、夜逃げした、
そんな気持ちに駆られちゃいます(笑笑)。
母さんの失敗と比べたって、私の方が悪だし。
でもさ、失敗の数もまんざら無駄ではないですよね。
そういう経験を通して自分を振り返れますもんね。
でもさ、失敗する前に振り返る人になりたいです(笑)。

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