うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

知っているのは、あなただけ

2019年03月06日 | 真面目な日記

一昨日は、卵を買い忘れた。

「今日は、絶対、卵を買わないとな」

そう思い、家から一番近くにある、

こじんまりしたスーパーに立ち寄った。

 

おはようございます。

昨日は、買い物をするために立ち寄ったが、

普段、このスーパーで買い物をすることは、滅多にない。

最低限の品数しか置いていないからだ。

しかし、その駐車場に停車することは、

私にとっては、日常だった。

買う物もないくせに、駐車するなどと無礼な話だが、

3回に1度は、何かしら買うようにしているから、

それで勘弁して欲しい。

きっと、私のような輩は、少なくはないはずだ。

そうならば、スーパーの売り上げにも貢献していると思いたい。

 

その売り上げに貢献せずにはいられなくなる理由は、

スーパーの片隅に住処を持つ1匹の猫の存在だ。

名前は、ブチだ。

白黒のブチ模様だから、私はそう呼んでいる。

しかし、本当の名前は知らない。

言い方を替えれば、彼は名前を沢山持っているのだと思う。

ある日の夕方は、学校帰りの高校生が、その猫をしばらく膝に乗せて微睡む。

きっと、自分が付けた名前を呼んでいるのだろう。

その翌日には、老婦人が、その猫におやつをあげながら

なにか、内緒のお話しているようだし、

小さな子供にも、猫は静かに背中を撫ぜさせてやっている。

ブチはその都度、きっと違う名前を呼ばれているのだろう。

 

みんな、常連客だ。

スーパーのというより、ブチの常連客。

もちろん、私も、その中の一人だった。

初めてブチと会った時、

ブチはもう成猫で、スーパーの片隅で何年も暮らしていた。

たいそう人懐っこい猫だから、

私は、保護をするべきではないかと考えた。

しかし、すぐやめた。

ころっころに太ってて、

ケガをしたかと思ったら、翌日には薬が塗られているし、

時に、被毛にはブラシの跡があり、

冬になれば、あちこちから毛布や小屋が集まってくる。

誰が何をしたか、誰も知らないまま、

ブチは、いつでもなんでも持っていた。

マフラーだって持っているんだ。

誰が巻いたか知らないが。

だから、名前を一つにしてしまう事は、違う気がした。

 

そして、昨日はブチの姿が見えないようで、

しかし、そんな日も少なくはない。

「今日は、ブチじゃなく、卵に用があるんだよ」

そう思いながらも、ブチの定位置に再びしっかり目をやると、

そこには、花が飾られていた。

他にも、いくつか猫の餌も置かれていたから、

私は、急いで店内に入り、卵を探さず、猫の餌を探した。

やっぱり、猫の餌は置いていない。

まったく、品数の少ないスーパーだなと、ため息をつき、

私は卵は探さず、花を探した。

 

ブチが、どうして死んだのか、

誰がそれを知っているのか、

そして、誰が花を飾っているのかなんて、

そんな事、誰も知らない。

私が花を買って飾った事も、知っているのはブチだけなんだ。

ブチ、さようなら。

ありがとう。