この日は、兄と母が10時半までと午後2時から、父と私が終日、義姉が10時から3時まで、と細切れで作業しました。
というのも、ご近所で、同じく農家で、私の大叔母が亡くなりまして、このお手伝いで兄と母が出かけました。
当地でも農家ではいまだお葬式のお手伝いというモノが存在します。
しかも地親類(じしんるい)という地縁のお付き合いもありましてね…。
あまり詳細に書くと身バレするからここまでにしておきます。
作業は、前回に引き続きシャインマスカットの房作り。
シャインマスカットは栽培技術が非常に簡単なので去年あたりから値崩れが始まっています。
それにすでに供給過多なんですよねぇ。
たぶん今年の市場価格はお安くなるだろうなーという印象です。
実家には黒系ブドウの有力品種も育成しているから、ムリに白系ブドウの後継を考える必要がありません。
だって実家にとってブドウはサブ農産物に過ぎませんから。
さて、この日はメイン農産物の摘果(見直し)です。
だいぶ育ってきて、これでスーパーボールとピンポン玉の間くらいです。
白いプツプツは、防除の薬液が乾燥した様子。
農業者はこういうのを日常的にたくさん触っています。
消費者に届く頃には、農業者の被曝量に比べれば雀の涙どころか、虫の涙にも満たないンじゃあないか、と思ってしまいます。
それぞれ主義主張はありますからね、否定はしません。
ちなみに私は積極的な子なし選択をしただけですので、悪しからず。
さて、摘果の見直しというのが、これまた面倒くさいンです。
いや、日本の果物が嗜好品、高価な理由がここにある、ということです。
今回は本摘果の際に見落としたモノ、小玉、変形果、キズ等を切り落とす作業です。
遅れ花という今頃に咲いている花も切り落としの対象です。
また胴芽と言って、主幹から直接芽吹いている脇芽もかき取ります。
主枝からの芽吹きは、来年の長果枝(実がなる枝)にすることもあるので、こちらはかき取りません。
まだ今年の果実の育成中なのに、もう来年の収穫に向けての準備もしていることになります。
つくづく農業は段取りだと思い知らされます。
果樹の場合は、同じ樹木を10年以上育てながら収穫し、経済性が衰える前に次の苗木を育成して、連綿と収益を確保しなければなりません。
これは稲、麦等、蔬菜(野菜)等の一年草系の作物と大きな違いかと思います。
一年草は連作障害と土壌消毒との戦いなので、その段取りと作業性、効率性も果樹とは全然違いますけれどね。
それよりは、地形、土壌の性質、水源、気候がものすごく重要です。
都市部の農地は、なによりも収益性重視です。
だから今回の摘果の見直しは、1回目に過ぎず、まだこれから何度もやる作業です。
というのも、今回は果そうに1つ実を残す作業に過ぎません。
これから、1枝に残す実を選抜し、樹全体で残す実を選抜し、鉄線や枝と干渉する実に緩衝材を挟み込んだり、果実には収穫まで無事に育ってもらうための手間暇をかけます。
その合間も、来年以降に結実させる枝の育成管理をします。
夏季誘引という作業で、これもすでに始まっています。
あとは今年懸念されるのがカメムシの大発生で、これも防除作業があります。
毎年のことですが、草生栽培をしているので草刈りも一仕事と言えます。
次回も楽しくお手伝いしたいです。