兄想い

娘は兄が叱られだすと静かになり、急にテンションを上げて突進してくる。

”あれはなあに”

”これをしてほしい”

とか、たわいもないことを言ってくる。

どうやら兄より自分に意識を向けて母の怒りを収めようと

思っているみたい。

だから面白いこともしてくるし、へんな踊りで注意を引こうとしたり

ちょっとおもしろい。

ちょっとでも”ぷっ”と笑えばこっちのものとも作戦みたい。

女の子はすごいなあと感心する。

人の心の動きにすごく敏感で、今よりもずっと小さい頃からこんなことをしているから

やさしいなあと思う。



今日は自分がしていた豆剥きに、叱られている兄を

”いっちょに　やろーよー”

と手を引いて仲間に入れてこの場を終わらせようとしていた。

”こっちで　いっちょに　むいて”

何度も声をかけ、ひっぱて来て兄を座らせた。

”ニコニコ　ちてね”

と声をかけながら、お豆を取って

”はい。これどうぞ”

と渡す。

これを私の目の前でよくやってのける。

下手をしたらとばっちりがくるかもしれないのに、自分が叱られるなんて

これっぽっちも思わないのか、そんなことも気にしないのか私の怒りも

沈めようとしてくれる。

小さいけど一番やさしいのかもしれない。


兄は幼稚園が始まって、いいも悪いもすべて吸収する。

だから今まで使わなかったような言葉も覚えてきり、

意地悪も覚えて帰ってきた。

長男にはまだ人の気持ちよりも自分の思いのほうが勝ってしまい

同じことで何度も叱られる。

しかもすぐに泣いているから言われたことが頭に入らない。

しかも叱って、何回言っても頭に入らないときたからやっかいです。

しかられることに泣いて、相手の言うことよりも自分の状態が非常事態と

思うことぐらいで、”どうして怒られているのですか”

とたずねてもわからないことが多々ある。

うーーーん。問題だ。


何度も意地悪されるんだけど、妹はやっぱり兄が大好きで一生懸命助けられる

タイミングを見ています。

兄のおかげで娘は優しくなったのか・・・と思うことに。