James P. Riser (Jim Riser)氏が作成したミニカップです。いつ頃購入して、いくらだったかすっかり忘れてしまっていましたが、下記ページを見つけました。どうも2005年あたりで、価格は250ドルだったようです。
Riser Mini Cups and Balls by Jim Riser
当時、私は今ほどではありませんが、カップに興味があり、いいカップを探していた時、たまたまこのカップが目に入りました。理由はよくわからないのですが、とてもそのデザインに惹かれました。当時はJames Riser氏が誰かもわからないまま、発注をしたという感じですね(;^ω^)。
James Riser氏はすばらしいカップ職人の1人です。カップに限らず「モノ作り」をされてます。氏のページは下記にあります。残念ながらカップの生産は今後もなさそうです。
以前作ったカップの一部が紹介されています。
ここにもありますが、氏が作った「Innocent Cups」というのはショルダービーズが無い珍しいカップです。以前紹介したトムフランク氏のDVDの中でも紹介されています。
私の持ってるミニカップに戻ります。サイズは私が測ったものですので正確ではありませんが高さが約53mm、口径が約52mm,重さ57gです。前回紹介したPaul Fox Mini Cupsと比較する写真も載せましたが、比較すると背は低く、重さは少し軽いです(とはいえしっかりしています)。Paul Fox Mini Cupsはポールフォックスカップをそのまま小さくしているのに対し、Riser Mini Cupsはミニカップとして演技し易いように考えられていると思います。Paul Fox Mini Cupsもコンボカップにするにあたり、少し背を高くし、屋根裏部屋の空間を広くすることで、22㎜(7/8インチ)のボールが3つ置けるように改良したと書いていますが、私のカップでは3つのボールを含んだままカップのスタックはできませんでした(詳細については、また、前回の記事に追加します)。しかし、Riser Mini Cupsは背が元のPaul Fox Miniより低いのに、サドルの面積が広いので22mmのボールが3つ屋根裏部屋に入りますし、入れた状態でスタックして取り除くと、ちゃんとサドルに3つ乗ります。Miguel Pizarro氏のミニチョップカップのボールも3ついけます.私が通常サイズカップ&ボールで利用しているMike Roger氏のボールは7/8インチサイズなのですが22mmより微妙に大きく、3つを入れることはできませんでしたが、2つまでは入りました。
このサイズのボールだと、ミニカップといってもほとんと通常カップのサイズと同じなので、手順において十分な迫力を保てると思います。さらに、3つ同時にサドルに乗せることが無い手順だとすると、単体では1インチ(約25.4㎜)を乗せてスタックできます。TCCのレザーボールは約1インチと言いつつ27mm~28mmあるので、微妙です(ほんのわずかに浮く感じ)。Paul Fox Mini Combo Cupsではこれを入れることはできませんでした。これはRiser Mini Cupのショルダーがほんの少しですが高めにあるためです。
ファイナル用ボールとしては、Paul Fox Mini Combo Cupsと同じ47㎜がジャストサイズです。つまりTCCのファイナルロード用レザーボールも入るのです!まあポールフォックスの方がサドルの面積が狭くサイドの形が大きく変化しているので、ファイナルロード用のボールをTOPに置いたときの視覚的インパクトは大きいかもしれませんが…でも、これだけ大きなボールを扱えて、ミニサイズなのでコンパクトで持ち運びやすい…カップ&ボールは持ち運びが…と思っている人には非常に良いカップだと思います。
Bill Palmer氏は2005年のマジックカフェの投稿で下記のように書いています。
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Mike, Jim and Brett (Sherwood) have the highest consistent standards of quality of anyone currently manufacturing cups today.Their work is at least as good as anything that P&L or any of the other legendary makers of the past put out.
I should also add Joe Porper's name to that list. Joe makes consistently high quality products.
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James Riser氏は多くのマジシャンやコレクターが認めるカップ職人なのですが(そういう意味でもうカップは作らないという氏の宣言は少し悲しい…)、そのこだわりの一つをこのカップに見ることができます。購入してからしばらく気が付かなかったのですが、氏の名前がカップの底に彫ってあるのです。まあ他のカップもその手の物はありますが、それがめちゃめちゃ小さいんですよ(笑)。はじめて見つけたときは、「なんやある!」(君の名は風…)、でも、老眼の入った私の眼ではとても見れない(笑)…そこで携帯のカメラのズームを使ってみると、なんと!名前が彫ってあるではありませんか!驚きました(笑)
毎年新しいカップがリリースされて販売されますが、職人が作ったカップ!というのは、あまり見ない気がします(私が知らないだけかもしれませんが…)。これは、Donnie氏が高品質で多種類のカップをRings-N-Thingsで作って販売していること(これはカップ職人が作ったカップとなりますが…)、また、削り出しのカップは3Dキャドデータさえ作れば機械が精密に作ってくれること、単品カップではもうけが得られないことなどが理由かと思います。
カップ職人が作ったカップをみんなで「いい仕事してますねぇ~」と語り合ってる2000年代前半のマジックカフェなどをみているとなんかいい時代だったような気がします。
ちょっと、追加です。
Riser氏はこの Mini Cupsを作った数年後、「Riser Midi Traditional cups」というミニカップをリリースしています。
このカップについて以前紹介した「Watson Cups」を作った、Brian Watson氏がレビューしていますので、そのリンクも示します。Riser Mini Cupsより少し背が高くなり、スリムに見えます。素材や槌目仕上げなどのいくつかのバージョンがあります。
Cups and balls | Cups and balls magic - James P Riser Copper Mini's
ただ、このBrian Watson氏のカップは「Riser Midi Traditional cups」と書いていますが、ずんぐりむっくりな形からRiser Mini Cupsじゃないかなぁと個人的は思ってます...
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