そろそろ、紹介できるカップも残り少なくなってきましたので、チョップカップも織り交ぜながら紹介していきたいと思います。
チョップカップについては、年末の日記で上口龍生氏のチョップカップDVDを紹介させて頂きました。
氏のDVDの中でもチョップカップの由来が話されていますが、チョップカップのチョップはいわゆる「Chop(木などを斧などで叩き切る)」という動詞と関係ありません。1700年代からワックスなどを使ってボールをカップの中に留めるという考えはありましたが、現在のチョップカップを完成させたのは、Al Wheatley (1901-1964) というオーストラリア出身のマジシャンで1950年代半ばのことだそうです。また100年も経っていないんですね。この人の芸名が「Chop Chop(チョップ・チョップ)」だったという事で、現在の仕掛けが施されたカップのことを「Chop Cup(チョップカップ)」というようになったそうです。
このチョップカップを有名にしたのはドン・アラン(Don Alan)氏です。氏の実演動画を2つほど示します。シンプルな手順ですね。
その後、彼の演技に影響され多くのマジシャンがチョップカップを演じるようになりました。カップ&ボールのフルセットより持ち運びも楽ですし、現象もわかりやすい、さらにギミックなので不思議…テーブルホッピングをしているプロにとってはチョップカップはカップアンドボールよりレパートリーに入れやすいと思います。そのせいか、様々なタイプのチョップカップが商品化されています。
前置きが長くなりましたが、今回紹介するのはRNT IIの「Little Don Poket Chop Cup」です。ドンアランカップのミニチュアバージョンでステンレス製です。丸みを帯びた形でなるべく大きなボールを最後にロードし、それをサドル(ひっくり返した底)に置いた時ボールがカップより大きく見える錯覚を得ます。内側の底にはRATIIと刻まれています。刺繍入りのキャリングバッグと小さな解説書付きです。ロード用にニコちゃんマークの入ったスーパーボールも入っていましたが捨ててしまいました…。だいぶ前にStevens Magicさんで購入しましたが、今でも売っているところを見つけました(真鍮製でしょうか)
以前、ふじいあきらさんが徹子の部屋でチョップカップの演技をされていて、ミニサイズのカップを使っておられました。そこで、いいなあと思ってその時に購入したのがこのカップです。
RNTIIオリジナルはもうあまり販売されていないと思いますが、同じ形のカップはRings-N-Things Magicで、現在販売されています。
「Each cup is hand spun in .050 Aluminum from the original RNT II Don Alan Chop Cup tooling」と書かれているので形状はほぼ一緒だと考えられます。ただ、現在いくつかの素材で販売されていますが、ステンレス製はありませんし、おそらくRNTIIの刻みもないと思います。ボールの大きさは「1 3/4"」とロード用に「1 5/8"」となっています。実は硬い面ではカップが浮いてしまいますが、マットの上だとギリギリ「1 7/8"」も入ります(写真のボールはこのサイズです)。この最後に出したいものと、カップの大きさって意外と合わせるの難しいですよね。レモン買ったらカップより大きすぎたとか…逆に小さいともう少し迫力が欲しいと思うようになりますし…。ただ、観客はそこまで気にしていないかもしれません…
<追記>
別の商品ページを見つけました。このページによるとこのカップは最後の出現用ボールとしてゴルフボール用を想定しているため、適切なニットボールを見つけるのは難しいと書かれてます。そうだったのか…。ゴルフボールを入手したらまた写真をアップします。