青い花

読書感想とか日々思う事、飼っている柴犬と猫について。

デ・キリコ展(東京都美術館)

2024-08-09 10:39:41 | 日記
“風変わりで色とりどりの玩具でいっぱいの、奇妙な巨大ミュージアムを生きるように、世界を生きる
「パリ手稿1911-14」より”



東京都美術館で開催中の『デ・キリコ展』に行ってきました。
上野に行くのは、昨夏の東京国立博物館・平成館の『古代メキシコ展』以来。コロナ禍以降、本当に足を運ばなくなってしまいましたねぇ。上野公園の博物館・美術館は以前と変わらず興味深い企画展を開催しているので、また遊びに行く習慣を取り戻したいです。

話をデ・キリコに戻しますと、私がデ・キリコの作品を生で観たのは、1993年に上野の森美術館で開催された『ニューヨーク近代美術館展』でした。
そこで展示されていたデ・キリコの作品は、「モンパルナス駅(出発の憂鬱)」の一作のみでしたが、その一作が強烈に記憶に残っていたのでした。
憂鬱と矛盾と、希望と不安。
遠くに見える塔の時計は永遠に止まったままで、どれほど待っても電車は来ない。それでいて、画の前面に置かれた果物は瞬く間に朽ち果てていく。歪んだ時空に閉じこめられた私は、どこにも旅立てないのではないか・・・。そんな不穏と緊張が、当時10代だった私の心に強く刺さり、それは30年近くたった今でも抜けないでいるのです。
今回の『デ・キリコ展』では、デ・キリコの作品のみが約110点展示されています。
絵画だけでなく、彫刻や舞台美術なども、です。
デ・キリコが、約70年の芸術活動の中で興味を持ち、実践した分野の多くが展示されています。デ・キリコに「形而上絵画」の印象が強かった私には、彼の「古典的絵画」は逆に新鮮でした。常に高くアンテナを立てている芸術家だったのですね。
『デ・キリコ展』の東京都美術館での開催は今月29日までなので、興味のある方にはぜひ観に行って欲しいと思います。




いつも駐車しているパーキングから東京都美術館に向かいます。
途中に天海僧正毛髪塔や正岡子規記念野球場など。






東京都美術館到着。












今回の「デ・キリコ展」は展示室内の撮影は禁止なので、フロアに用意された記念撮影用のレプリカなどだけ撮影してきました。






お昼ご飯。
娘と私がパンケーキ。夫はオムライス。


『デ・キリコ展』のお土産たち。
図録、クリアファイル、瓶ジュース、Tシャツ。


ジュースは、デ・キリコの出身イタリア産。


Tシャツは、黒が娘、黄色が私のものです。
デ・キリコの作品はどこかポップなので、カジュアルな服装に合うと思います。確か、アンディ・ウォーホルがデ・キリコを好んでいたとどこかで読んだ記憶があります。

図録はこれからゆっくり読みます。
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