友人がさくらんぼを送ってくださった。
しかも産地直送便だった。
素直に嬉しい。
さくらんぼは今ではメロンを抜く高級果物。
ほんの一掴みでも相当な値段がする。
子供たちがお弁当を持って行っていた頃
お弁当箱に入れてやったのはアメリカンチェリー。
食後のデザートとして出したのもアメリカンチェリー。
子供たちはこれがさくらんぼだと思っていた。
それがある日友人から一箱送って来た。
そして初めて食べた山形の「佐藤錦」
感動の出会いだったようだ。
糖度が高くて、やわらかくって、実に美味しい。
それから子供たちは「赤いさくらんぼ」
「黒いさくらんぼ」と言うようになった。
けれど赤いさくらんぼがお弁当箱に入ることはごく稀。
ほとんどがアメリカンチェリーだった。
佐藤錦は母の大好物だ。
6月は母のバースデー月。
毎年バースデーにはさくらんぼを贈った。
母は喜んで、「美味しい、美味しい」と言ってくれた。
自分が食べなくても、食べさせてあげたい人がいる。
母はそんな人だ。
この贈り主もきっとそう思って贈ってくれたに違いない。
実に優しい友人だ。
頂いたさくらんぼを母にも食べさせてやりたくて
早速小さなタッパウエアに入れた。
明日持って行ってあげよう。
美味しいものに敏感な我が家の住人。
まるで食べさせていない子のように食い意地が張っている。
一皿盛り付けてトイレに行って帰って来ると無くなっている。
そこまで争奪戦は激しい。
もっと味わって食べてもらいたい。
やはり旬のものは美味しい。
友人に感謝しながら、さくらんぼを堪能した。