グルノーブルにて入手した石について、お話します。
(マニアックな内容なので、ついて来れる人、興味のある人だけ読んでね。笑 じゃないと疲れるよ・・・)
日本に鉱物図鑑を置いて来てしまったので、鉱物結晶構造や主な産地については語れないけど、
そのぶん逆に「石の魅力」について語ってみようと思います。
この石は、日本ではエピドット、和名は「緑簾石(りょくれんせき)」と呼ばれています。
最初この石をおっちゃんの屋台で手にした時、「コケが生えてるみたいで面白いな~」と思ったんですが、
実際そういった形で、まるでコケが生えていくみたいにして結晶体は成長していくのです。
↑ホラね、土台の石にコケでも生えてるみたいでしょ?
でもツンツンと突出したこれら全てが結晶体なのです。
日本語で鉱物(ミネラル)と呼ばれ、これはその鉱物が「結晶化」したものです。
透明な石は、光の種類によってその色が変化して見えます。
これは自然光の下で撮った写真で、この記事の一番上にある写真は「植物育成用ライト(太陽光に近い
波長を出すライト)」の下でフラッシュ撮影したもので、ココの一番下に載せた写真は通常のフラッシュ撮影
です。それぞれに、黄緑色、茶褐色っぽい緑色、深い緑色、と違う顔を見せてくれてます。
鉱物、ミネラル、結晶体・・・と言っても、全く知らない人たちにとってはわからないよね。
まずはじっくり近くで見てみてね。↓
この写真の左上あたりにピントがうまい具合に合ったんだけど、その部分で結晶体の構造がすこ~し
わかるんだけど・・・・・・・・・。何か細長いものが沢山ニョキニョキと生えてる感じに見えない?
肉眼ではコレ↑がギリギリだけど、写真でもっと拡大↓しました。
白っぽく光って見えるのが、結晶体の断面です。
水晶みたいに尖った形で成長していくのではなく、エピドットはこのような形で成長するようですね。
なんとなく、色&形からして製菓材料の「アンジェリカ」を思い出してしまうワタシ。
結晶構造と言われても「???」じゃないかと思うので、簡単に図で説明しますね。
(これはワタシがテキトーに描いたものなので、信頼性は薄いです。単なる参考にしてください。)
売っていたおっちゃんの説明によると、「エピドットの結晶がきれいに出てる」ということだったので
結晶構造は大体こんな感じだろうと思うんです。
わたしが石、とりわけ鉱物(ミネラル)の魅力にとりつかれたのは、「その形になるために“成長”している」
という点からなんです。これってまるで、植物とか人間とかと同じじゃないですか。
植物は、種から育ってほぼ全て、同種のものと同じ形に成長します。人間も、親と似たような形に
成長します。他の生き物たちもね。でも、石には命も無いのに、それでもわたしたちと同じように
“同種と同じ形に成長する”存在なのです。
話をエピドットに戻します。
日本語サイトを検索してみたら、エピドット関連でいろいろ出てきました。
ココに載っている写真はわたしが買ったものよりもっと「コケっぽさ」があってステキです。
(↑の写真の石に透明っぽい大きめの石が入ってますが、あれは水晶です。)
ココのサイトの写真で、結晶の表面のしましま具合がよくわかると思います。
上記のサイトでも説明されているんですが、エピドットってけっこう割れやすいんです。(だから宝石として
カットして使われることが少ないんだと書いてありました。)実際、パリに戻って封を開けたらいくつか結晶が
ぽろぽろと落ちてきたので、それを指先で割ってみたら、いとも簡単にポキッといっちゃいました。
鉱物のコレクションで大事なのは、石の名前と、そして産地名。
今回も「どこで採れた石ですか?」と聞いて、フガフガ答えながらもおっちゃんが紙に書いてくれました。
でも字がきたなすぎて読みにくくって・・・ようやく解読したのが「Massif de Belledonne(マッシフ・ド・ベルドン)」
でした。(夫に確認してみたところ、おっちゃんもそう言ってたよ、と言うので合ってるはず。)
で、検索してみたところ・・・ちゃんと存在しました、Belledonne ベルドン。
仏語サイトから地図を拝借・・・・ 水色で示した位置がグルノーブル市で、ピンクで示したのがベルドン山塊。
ということは、グルノーブル市から見えてたあの山々が・・・そうなの?
産地がこうして(地図上だけでも)わかるというのは、わたしの密かなる喜びなのです。
「あ~、キミはそこから来たのね」って、ね。
(ちなみに、このエピドットという石、日本でも出るそうです。)
さ、ここまで読んでみて鉱物の世界に一歩足を踏み入れてしまったアナタ、もうちょっと鉱物の魅力に
ハマッてみませんか?(笑)
コレがわたしが日本で時折見てた本なんですが、著者の堀 秀道氏は、小難しい専門書(しかも主に
白黒印刷)しか無かった鉱物関連の本の世界に、こんなわかりやすく楽しい鉱物図鑑を作って
くださった素晴らしい方です。題名どおり、まさに「楽しい鉱物図鑑」なんです。
これは「楽しい鉱物 の図鑑」であり、かつ「(見てて)楽しい 鉱物図鑑」なんです。
鉱物の世界の楽しさと魅力が、一般人にとってわかりやすく書かれています。
それと、今回この記事を書いてる途中でこんな本を発見・・・。
いかんいかん、また買いたくなってきた。自粛せねば・・・(汗)