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北東アジアの国際情勢の動向

2014-07-05 21:20:34 | Weblog
先日の安倍内閣の集団的自衛権容認の閣議決定の後、これに呼応するかのように北東アジアの情勢が動いている。
まずは、日本と北朝鮮間において、拉致問題に関する協議が進行し、北朝鮮側の拉致被害者調査の実施と引き換えに日本の北朝鮮に対する制裁の一部解除が表明され、さっそく一部の解除が決定された。ここ数日の動きは、急な感じを受けるが、水面下での日朝間でのすり合わせが行われていたことがうかがえる。アメリカはこの日本の動きを容認する姿勢を示している。うがった見方をすれば、日本の集団的自衛権容認決定に対する「見返り」といえなくもない。シリア、イラク、ウクライナ情勢においてアメリカの積極的軍事介入は抑制されており、単独での「世界の警察官」政策は後退する傾向であり、北東アジアにおいても、「リバランス」政策は、均衡とアメリカの軍事的負担を軽減する意図であることは、ほぼ間違いはないであろう。実際の戦火は避ける意向もあるが、実際には北東アジア情勢における軍事的経済的負担、リスクをさけつつ、パワーバランス・均衡を維持を図るには、日米同盟の軍事的緊密性の強化、つまり、アメリカの負担をより一層に日本に負担させることがベターと考えていると思われる。ただし、日本の軍事的突出、日中韓の対立の激化は、当然望んではいない。安倍政権の歴史認識、政治的右派カラーに対しては、なお警戒をもっていることも確かであろう。アメリカとしては安倍政権を自己の北東アジアのでのリバランス政策にどう利用できるか、火種にならないようどうさじ加減をするのかが課題であろう。
これに対し、中国と韓国の対日歴史認識批判での協調の意思表明がなされている。一種のプロパガンダ政策であるが、従前の歴史認識をてことした反日外交路線の強化である。中国と北朝鮮間の関係が冷え込んでいること、日韓関係の悪化から、中韓の協調路線は、敵の敵は味方という古典的な戦略観にしかすぎないであろう。
韓国の立場からすると、日韓関係の対立の継続とこれをよく思わないアメリカとの関係に対する悪影響が懸念される。特に韓国経済の陰りが今後、外交にどう影響をあたえるか、パク政権の不安定化要因も増えていくであろう。中韓接近はうがった見方をすれば、中華帝国の復活と新たな属国化と揶揄されかねない。
このような情勢は、果たして安倍政権が強調した「抑止力」による平和の一歩といえるのであろうか?
ロシアのウクライナ情勢における孤立化、中国のウイグル族等の少数民族の不満、これに対するテロとのその弾圧、経済成長の陰りと貧富の差の拡大の矛盾は、不満のはけ口を排外的ナショナリズム外交に向けるとしても、限界があろう。中国の国内の不安定要因がより過激な政策に走ると、その影響は内外に大きな影響を与える。
北朝鮮の動向も、恣意的な独裁体制が果たして合理的な外交決着をなしうるかどうか、拉致問題の解決の見返りとして、独裁体制の維持強化につながり、北東アジア情勢の緊張緩和に役立つのか、安倍政権の対北朝鮮の交渉、舵取りについて「信念」だけでは、北東アジアの対立・緊張・不安を解消することは難しい。
むしろ、これから先数年の北東アジア情勢は、対立・緊張・不安の増大の中、微妙なバランスをどこまで保てるのか、「引き返せないポイント」をいつ超えるのか課題となろう。ただし、緊張は、いずれ緩和に向かうことは、従前の冷戦下の歴史からよみとれる。要は沸騰しない前にどう火を消して冷やしていくかの具体的戦略が真の安全保障と「積極的な」平和への道筋であろう。そのためには現実主義的シビアな多元的視点と国内的にも国際的にも希望を与える普遍性をもった政治思想が必要である。

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