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マンガ評論8「日出処の天子」(山岸凉子著 1980~84年)

2010-01-16 03:26:55 | Weblog
(ストーリー)
6世紀後半、古代日本、敏達天皇の治世。豪族蘇我馬子の子息、毛人(えみし)は、池で沐浴をしている「美少女」と出会う。天女のような魅惑に戸惑う毛人であったが、その後、朝廷でその「美少女」と瓜二つの少年に出会う。少年は天才と噂される厩戸王子(うまやどのおうじ)であった。権謀術数が渦巻く中、敏達天皇が崩御し、権力争いが激化する。厩戸王子と交流するようになった毛人は、王子の不可思議な行動と不思議な霊と力をかいま見る。陰謀と策略の中心として王子の暗躍に毛人は巻き込まれていく…聖徳太子伝説を大胆にアレンジし、人間の愛憎、葛藤を描く少女マンガの傑作


コミック(文庫版全7巻)

(評価)☆☆☆☆☆
超能力者にして同性愛者、しかもマザコン、ロリコンといった現代的な心理的葛藤をかかえた人物として描く聖徳太子像。政治的な権力闘争の軸と厩戸王子と蘇我毛人を中心とした愛憎劇(三角関係どころか五角関係以上?)の描写は秀逸。異能の能力をもつものは代償として何かを失う。王子にとって権力欲なんか途中からどうでもよくなって、ひたすら嫉妬と毛人の愛への執念の鬼と化す。最後の毛人との「対決」シーンは、映画的なドラマチックさ。

あと繊細な線描、デザインが独特の世界観をかもしだしています。
厩戸王子は、同性愛者といってもよいんだが、両性具有的(アンドロギュヌス)ともいえる。男性性が権力を志向し、女性性が独占的な愛を志向する。
戦慄のはしる美しさ(特に女装のとき)。山岸凉子でなければ描けません。
少女漫画で怖さとエロさと美しさを同時に表現できるのは山岸凉子のみ!

この作品、はじめて読んだのは高校生のころだったんだが、政治歴史ドラマの面に関心があって、同時に同作品のモチーフになった梅原猛の「隠された十字架」「聖徳太子」なども読みあさってましたね。
年月を経て読み返すと、人間愛憎ドラマの面がすごいことに再認識です。
悲劇的結末なんだが、これはこれでつきぬけています。

続編に「馬屋古女王」(うまやこのひめみこ)があり、現在文庫版の最終巻に収録されています。王子一族の滅亡を予感させる短編。これ、長編にしてほしかったな。

ともあれ、日本少女マンガ史の金字塔ともいうべきこの作品、☆5つの評価です。ぜひとも、くわずぎらいなく、読むべし!
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