たったひとりのきみ。

　ボクはある事情で、昨年の紅白のオープニングを５０回以上、見返している。
　仕事ではない。日課だ。
　いちいち数えていないので、５０回ではなく意外と１００回を超えているかもしれない。どちらにせよ尋常な数ではないだろう。
　オープニングというのは、先日発表したレポートにあるとおり、紅組のトップバッター「ハロー！プロジェクト十周年記念紅白スペシャル隊」のステージのことである。
　読者の中には、「ハロー！プロジェクト」あるいは「ハロプロ」を知らない、聞いたことがないという方も多くいらっしゃるだろう。実際、筆者の父親は、まったく知らなかった。
　あまり細かく紹介してしまうと、検索して調べようという自主性が半減されるので簡潔に言うが、モーニング娘。関連のアイドル集団を「ハロプロ(ハロー！プロジェクト)」と呼ぶのである。
　モーニング娘。を知らないという人はまずそこから検索して欲しい。
　話を再開しよう。
　そのハロプロなのだが、昨年の紅白には、モーニング娘。とBerryz工房(ベリーズこうぼう)、そして℃-ute(キュート)の三組、総勢２３名が出演した。
　何度も何度も見返して、今頃になってようやく気付いた。
　２３名中たった一人だけ、アップで映っていないのだ！
　その娘の名前は、嗣永桃子(つぐなが ももこ)である。
　ファンの人が言っているのを聞いたわけではないので、１００％そうだとは言えないが、ほぼ間違いなくそうなのだ。
　そんな嗣永桃子は、意外にも人気の高いメンバーだったりする。
　だから映らなかったのは、そんなことを知らないカメラマンのミスだろうと思う。
　紅白を熱心に見ていた嗣永桃子の親御さんはどう思っただろう。
　うちの桃ちゃんが紅白に出るのだわ！　ちゃんと見ていなくっちゃ！　桃子……桃子はどこにいるの!?　桃……ッ!?
　あっという間にハロプロの出番が終わる。
　なぜ……！
　痛み入る話だ。
　ちなみに嗣永桃子は他のパートで小さく顔が映っている。決して欠席していたわけではないのだ。トイレに行っていて間に合わなかったわけでもないだろう。
　これはＮＨＫの陰謀か？
　他の全員をアップで撮っておきながら、どうして桃ちゃんは映されなかったのか……
　５０回以上見返したボクにも理由はわからない。
　最後に、嗣永家と桃子ファンの方に……。
　すみませんでした！（←無関係なのについ流れで）