嘘日記 １１月１日

　いつのまにか１１月になっていた。
　ついこの間までオムツをはいていたり、オムツをやめてオネショをしてみたりしていたのに。
　時が経つのは早い。
　しかし、あまり大した節目でもないのに、ボクはなぜこんな話をしているのだろうか。
　オムツの話に戻るが、オムレツが言葉だけでなく形もちょっとオムツっぽい質感を出していて、気持ち悪い。オムライスなら大丈夫なのだが。
　いや、今みなさんが思い浮かべたオムライスとボクの言っているオムライスは、似ているようで全然違うだろう。
　みなさんの想像する一般的なオムライスのヴィジュアルは、おそらくチキンライスの上にオムツ……じゃないやオムレツを載せてあるという構図であろう。
　そうじゃない。それではオムツが乗っかっているだけで、オムツ丼と呼ぶべき代物である。
　ボクの言うオムライスとは、チキンライスのうえに餃子の皮のような平べったい円形をした卵焼きを載せてあるという構図である。というかそういう、卵の量を極限まで減らしてコスト削減をはかった、せこいオムライスしか食べたことがない。
　いや、せこくないオムライスなんてオムライスじゃない。
　あんなふわふわした贅沢な料理は……そう、オムツ丼である。そうに違いない。いや、そうなのだ。
　ごく一般的な人が食べているのはオムツ丼なのだ。なんて気色悪い食べ物なのだろう。
　そう考えると、ボクの食べているオムライスは、非常に清楚な料理である。いや、聖なる料理である。
　あぁ、貧乏な家の子に生まれて良かった。あぶなくオムツを食わされるところだった。
　ありがとう、神様。

　……こんな感じに自分をだまそうとする日々が続いている。そろそろ精神科の病院に行くべきだろうか……