暇人に見て欲しいBLOG

別称(蔑称)、「暇人地獄」。たぶん駄文。フリマ始めました。遊戯王投資額はフルタイム給料の4年分(苦笑)。

ダイアリー~嘘日記~ 2月10日

2005年02月10日 16時50分26秒 | 日記系
 え~、嬉しいお知らせ。
 なんと、この日記。十中八九、三日間サボることになる。明日から三連休で更新不可能。筆者残念、読者万歳。
 いや違うな。筆者も万歳かもしれない。だって、そんなに毎日ネタが思い浮かぶほど脳味噌にしわはない。つるつるである。逃げの口実にはうってつけで、筆者も万歳。

 三日も留守にする前に、今までひた隠しにしてきた秘密を暴露しておこう。
 といっても、別に面白いことではない。筆者が……だけの話である。
 実はこの一週間。筆者の周りには笑いが絶えなかった。この嘘日記をプリントアウトしてクラスメイトに配っていたからだ。ウソである。
 それで笑いが絶えないのであれば苦労はしない。筆者は「面白い人」ではなく「ただの変な人」である。自他ともに認める変人奇人の異星人である。顰蹙(ひんしゅく)は買えても笑いは提供しかねる。
 先週末、筆者は鏡の前でハサミを自分の体の一部に当てていた。そしてバッサリ切った。もちろん、血は出なかった。人外の化物だから。というのもあるが、切ったのは髪の毛だった。地球人もそうだが筆者も同じく髪の毛からは血が出ない。
 それはどうでもいいのだが、筆者は腕に自信がなかった。なかったのに切った。床屋へ行くお金が無かったというよりは、ほんの出来心だった。そんなチンケな出来心で髪の毛くんの意思を確認せずに真っ二つに切り裂いてしまった。それも何万人もの髪の毛くんを。彼らは一人として断末魔の悲鳴を上げなかった。物凄い根性である。筆者は罪の意識を感じると同時に彼らへの尊敬を禁じ得なかった。なんというガッツであろうか。筆者は涙したかったが、涙腺の持ち合わせがなかった。残念。
 多くの髪の毛くん達が死んでから初めての登校日。
 犠牲になった髪の毛くん達は筆者の周囲に笑顔を提供した。筆者のネタよりも、何億倍か素晴らしい効果をもたらした。中には顔を赤くして苦しみながら笑う者も居た。おなかをかかえる、という光景を目の当たりにした。『エンタの神様』よりもウケが良かった。
 しかしなぜだろうか。爆笑する者は、いつも筆者の正面にいた。おかげで彼らの笑った顔がはっきりと見て取れた。楽しいところを邪魔してはいけないと思い、笑っているワケは聞かなかった。
 二日目は一日目よりいくぶん静かになった。それでも、爆笑する者は健在であった。これはいよいよ髪の毛くん達はすごいなあ、と感心した。筆者もつい笑顔になった。
 三日目。ようやく爆笑は収まっていた。しかし、クスクスという声が聞こえたり、笑いを噛み殺している者は跡を絶たなかった。そろそろ、みんなが楽しそうにしているワケを聞かせてもらおうと思っていた。正直、気になって仕方が無かったのである。一番仲の良い友人に声をかけた。その時になっても、彼は笑いを噛み殺そうと必死だった。
 筆者「いったい、何がそんなに面白いんだい?」
 友人「何がおもしろいって……クスクス。おまえ、自分の顔見たことないのか?」
 そんなことはない。筆者は不潔な男で鏡を見る頻度は地球人の平均を思いっきり下回っていたが、少なくとも二日に一回は見ている。
 筆者「今朝、ちゃんと鏡を見たぞ」本当だった。自分の顔は見ていないが。
 友人「その……クスクス……かみ……」
 かみ? 神様のことであろうか。筆者の顔の周辺を、妖精のように小さな神様が優雅に飛んでいるのだろうか。違う。地球人には神様が見えないと、本で読んだことがある。かみ……紙か?
 そこで筆者はひらめいた。顔のどこかにメモ程度の紙が貼ってあって、そこに酷い悪口でも書かれているのだろうと考えた。よくあるイタズラだ。馬鹿ばかしい。
 筆者「どこに紙が貼ってあるんだ?」
 友人「……! おまえ、ヅラだったのか!?」
 そこでようやく、筆者は悟った。かみというのは髪のことであったらしい。「髪を貼ってある」と聞いた友人は、即座にカツラを連想したのだ。
 筆者「違う。カツラじゃない。……で? 髪の毛がどうかしたのか?」
 そう言いながら、筆者は思い出した。そういえば、髪を切ってから鏡で自分の顔を確かめていない。もしや……ハサミに付着していた何らかの薬品によって、髪の毛が変色しているのではないだろうか。
 筆者のその予想は大ハズレであった。
 友人「ブハハハハハ……! もうダメだ、こらえきれない! おまえの髪型、最高だぜ!!(爆笑)」
 そうかなるほど。笑ってしまうほど髪型が素晴らしかったのか。
 嬉しすぎると涙が出る。冷たすぎると熱く感じる。笑いすぎると苦しくなる。それらと同じように、素晴らしすぎる髪型は爆笑を巻き起こすのであろう。なっとく。
 なにより、彼は「最高」という賛辞まで述べてくれている。マックスに素晴らしい髪型なのであろう。筆者は安堵した。そして、皆と一緒に笑った。青春を感じた。
 その夜。
 筆者は風呂に入る前に、鏡を見た。
 …………………………………………
 筆者の目の前に、ちびまるこちゃんのような髪型をした人物が立っていた。
 「地球人の美意識は分からんの~……」
 地球人から見ればウルトラ素晴らしい髪型なのだろうが、このまま故郷(ほし)へ帰ったら笑われるだろうな……、と思った。

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