よむのおそい。

　ボクの周りに速読家が多いのかボクの読書スピードがダントツに遅いのか。
　間違いなく後者だと言い切れるのが悲しい。
　誰と比べても遅いし、読書しているのを見られると必ず「遅いね」と言われる。
　どうしてボクは、こんなにも言語処理能力が低いのか。
　やっぱり壊れてるんだろうね、この頭。
　あまりに遅い、遅読家と言って申し分ないくらいなので、おいそれと暇つぶしに本を読めない。
　時間がかかりすぎるからだ。
　一冊の漫画にきっちり一時間かかる。
　小説になったらもっと遅くなり、数日かかるので一冊に何時間かかっているか見当もつかないが、たぶん数時間から十時間程度だろうと思う。
　過去に読んだことのある短編なら２時間くらいだろうか。
　初めて読むなら３時間くらいだろうか。
　よくわからない。
　とにかく遅すぎるのは知れている。
　ライトノベルでその遅さだ。
　純文学や参考書レベルにまで行くと読む気にもならない。
　その点、アニメはちょうどよいテンポで進んで、普通の人と同じ時間しかかからないので良い。
　あーしかし。
　本当にどうして、ここまで愚鈍なのだオレの頭は。
　自分の書いた文章を記憶するのも下手くそだ。
　出来損ないか。
　自分の言動をまったく忘れ去る技術に関しては天才的である。
　どんだけ意識薄弱なまま活動しているのだろうかボクは。
　読んだこともすぐ忘れるので、本の中盤ですでに序盤の内容は頭から飛んでいる。
　それと同じことが書きかけの拙作でも起こって、理路整然とした物語が書けない。
　何度プロットとにらめっこしたことか。
　何度本文を読み返したことか。
　長い物は書けない。
　全体を把握出来ないからだ。
　同じ理由でシリーズ物も書けないだろう。
　設定を忘れ、伏線を忘れ、支離滅裂になってしまうこと請け合いだ。
　オークションの落札でもそう。
　どのオークションの金を払って、どのオークションの金が未払いかを把握できずに何度も確認しなければならなかった。
　とにかく忘れる。
　なんでも忘れる。
　ただ嫌な記憶だけが頭に焼き付く。
　ただ嫌な悪夢だけが頭に食いつく。
　困った！
　アンポンタン。
　トンチンカン。
　支離滅裂。
　ろくでなしの人で無しだ。
　頭が痛い。