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天変斯止嵐后晴(てんぺすとあらしのちはれ)

2009-07-21 05:27:33 | TV/映画/舞台
現在、文楽劇場でやっているのは、シェイクスピアのテンペスト(嵐)をもとにした作品です。タイトルがいいですよね。

登場人物は全員、日本語名になっており、違和感なくまとめてありました。義太夫、お人形ともに中堅所が大活躍で、2時間のスピーディな舞台はあっというまにすぎました。人形は、悪くはないとはいえ、ほとんど上演されたことがないものですから、完成品という使い方ではありませんでした。まだまだこれからよくなるのでしょう。義太夫は千歳大夫、呂勢大夫、文字久大夫、咲甫大夫、相子大夫の熱演もおもしろければ、各自の声や芸風のちがいもわかり、なかなか聞き所も多かったです。

が、なんといってもすばらしかったのは鶴沢清治さんの音楽です!今まできいたことのない音使いあり、合奏あり、登場人物ごとにテーマがありと、きわめて新鮮。それでいながら、大夫や人形を引き立てる、という三味線の役目をしっかりはたしていました。

まず、最初、嵐のシーンを文楽らしく、三味線(+琴)で表現するのですが、幕があがったとたんに舞台正面にずらりと三味線と琴が並ぶではありませんか総勢7人。また、繰り広げられる音がなんともおもしろく、迫力がありました。びっくりしたのなんのって。ここでぐいぐいひきつけられてしまいました。

そこからは音楽のとりこといいますか(笑)ふっと気づくと、神経が音楽のほうに吸い寄せられてしまうのです。妖精の英理彦のテーマなんて、琴の力も借りているとはいえ、こんなのよく弾くよね、と思って聞いてしまいました。それぐらい、いつもの三味線の音色とちがうものが表現されていたたように思います。

三味線、琴と邦楽ってよいよね、とつくづく感じながら舞台を堪能しました。

短いだしものですし、やや安めの値段設定ですから、三味線を聞きにいかれてはいかが。東京では9月のだしものにはいっているようです。これは、今後も再演され、いずれ、定番の一つにはいるだしものになるのでないでしょうか。



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