ジェイン・オースティン・コレクション マンスフィールド・パーク [DVD]ビデオメーカーこのアイテムの詳細を見る |
さて、ジェイン・オースティンのドラマ第二弾です。
まずしい家庭に生まれ育ったファニー・プライスが、伯母の嫁ぎ先にあたる準男爵の館マンスフィールド・パークにひきとられます。親切な家庭とはいえ、実の子供たちにくらべ、ファニーは格下扱い。きている服もちがえば、遊んでいる従姉妹たちをしりめに、ファニーだけがこき使われています。それでも子供たちの中で一番優しく聡明な従兄のエドマンドと仲良くなり、すくすくと育ったファニーは、良識にとんだ優しい女性となり、紆余曲折をえながら、エドマンドと結婚する、というこの物語は、 シンデレラ物語、とも評されるものです。
一時間半程度でけっこうなボリュームのあるこの物語のあらすじをきちんとわかるようにしたててありました。美しい邸宅もふんだんにうつりましたしね。
しかし、先日見たノーサンガー・アベイよりもだいぶん落ちるかも。先日のノーサンガー・アベイが☆5つ、としたら、今回のは3つぐらいのできでしょうか。
マンスフィールド・パークは原作もよくできてまして、登場人物の性格がきちんと書き込まれた小説です。テレビ版はどうしても原作と比べ、登場人物が全体的に薄っぺらいのは、時間の関係上、しかたないのかもしれませんが、以前の259分あったプロダクションとくらべても、中身が薄いように思います...あらすじこそもれなくまとめたものの、登場人物を描く時間まではありませんでした。作品の魅力をきちんと伝えるには、少なくとも2時間、できれば4時間ほしいところじゃないかしら。作品の映像化には時間をかけてやるのがイギリス流と思ってましたが、良くも悪くもスピードアップがはかられているようです。
俳優は全体的にはよかったのでは。
エドマンド(ブレイク・ライトソン)は、以前にみたバージョンのものより魅力があったかもしれません。叔父さんのサー・トーマス叔母さんたち二人(一人はジェマ・レッドグレーブ。ぼんやりしているようで、実はなかなか鋭いところがある)はなかなか適役にみえました。マライアとジュリア姉妹やエドマンドが最初夢中になるメアリーもきれいな女優さんたちでした。
配役として原作を知っている人間にはあまりよろしくないかも、と思ったのが主人公のファニー・プライス役のビリー・パイパー。元アイドル歌手なのだそうですが、口が大きくてややとがらせるせいか、なぜかいつも不満げに見えちゃいました。ファニーはおとなしくて優しくて、地味で辛抱強く意思を貫き通す、けなげな女の子でなかったっけ???パイパーが演じていたのは、なかなか活発で、けなげなシンデレラと言うより下町娘という雰囲気で、違和感はありました。許容範囲ではありましたが...
正直に言うと、パイパーのファニーは映画プライドと偏見http://blog.goo.ne.jp/lycat509/e/25d11298b564c5ebfc74f5a2631e4c1cのキーラ・ナイトレイのエリザベスにいだいた感想に近いものがあります。ジェイン・オースティンを現代的にしたらこうなっちゃうのかしら???それとも人気女優を使うためにあえて変えたのかしら?ジェイン・オースティンがドラマ化されると、作品の半分ぐらいはこの疑問がわきでてくるのかもしれません。
こちらが旧作のほうです。やや地味目ですが、こちらのほうがていねいな作りで、安心して楽しめました。原作付きのドラマは、原作が優れていればいるほど、ある程度時間をかけてやったほうがいいのかもしれませんね。
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