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ターナーは大学の授業ではじめて見て以来、好きな画家。大阪か神戸にくるたびに展示会にはいっていますが、
今回が一番よかったかもしれません。外しがない展示会に久々に行ったというかんじ。
初期から晩年にいたるまできっちり集めたというかんじでした。おまけに遺品や明らかに実験で描いたものまで展示してありました。めずらしく風俗画もあったし、ターナーにしては厚塗りにした油絵とかも。
初期のものをこれだけ一度にみたのははじめてです。
年代別の変化を見てとれました。最初から最後までうまい...自画像からも人物画もうまくかけた人だったんだというのは想像できていたものの、人物は線をくっきりでかくタイプじゃないよね、と思いこんでいたのですが、とんでもない勘違いでした。初期や挿絵ではごくごく小さい人物をしっかりかきこんでいるではありませんか。細密画レベルで。なんでもできて、半端でないデッサン力ももっていて、線の画家になることもできたのだけど、たまたま風景と光に関心がいって、それを効果的に表現するため化け続けた人だったのですね。ものすごい技巧の上に実験や試みの連続。変わらないものと変化し続けるものの混合。その期間、実に50年以上。古典的な技法と抽象画に近いものを描いてしまうアヴァンギャルド精神。天性の才能+果てしない勤勉さとそれを可能にした体力のたまものなんでしょうが、すごいとしかいいようがないです。しかし未完の作品がモダンな抽象画にみえてしまうっていったい...
テートギャラリーにいってターナー三昧したいな、とか、バイロンの詩を久々に読みたいなとか、ラスキンもまじめに読んでみようかとか思ってしまったのでした。
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