
ランクル 95系を購入して1年以上が経過し、走行距離も1万キロを越えた。
そして思うのは、この車はまさに僕のニーズにピッタリとハマった1台だということだ。
これほど満足を感じ、乗り込むのが楽しみな4ドア車(ファミリーカー)は初めてだ。
先に、この車の欠点を言っておく。
<欠点>
●燃費がよろしくない。
夏タイヤ走行で平均6km代半ば、スタッドレスでは6kmかつがつ位しか走らない(レギュラー仕様)。勿論、市街地だけならもっと値は下がる。
以上、だ。
しかし、年間1万キロ走行程度の週末ドライバーだから、あまり燃費は気にしていない。日常の足として使うなら10km/Lは走って欲しいけど、飽くまでレジャー・カーだもの。燃費を気にして車選びしてたら、面白くない車になってしまう。スポーツカーにしてもそうだが、楽しさを優先した車は燃費がどうしても悪くなる。優等生の車は、つまらない。
<いいところ>
●デザインがスクエアなので、見切りがいい。しかも、ハリアーなどの最近のSUVより遥かにアイ・ポイントが高いので、見晴らしがいい。
●フロントスクリーンが立っているので、車内の圧迫感がないし死角も少ない。
●エンジン縦置きFRベースのレイアウトなので、前軸:後軸バランスがほぼ50:50。つまり、回頭性(ハンドリング)が後輪駆動のスポーツカー並みに素直。
●直4エンジンは軽い上に、良い音と適度な振動。決して速いわけではないが、V6エンジンでは味わえないフィールがある。
●荷室が圧倒的に広いので、4人家族のキャンプ道具を全て飲み込んでくれる。
●基本的に5ナンバー枠内でデザインされている(カタログ値が広いのは、オーバーフェンダーが張り出したワイド仕様ゆえ)ため、首都圏で利用するのにストレスがない。
●フルオープンになるサンルーフ装備で、開放感がある。
●基本設計が古いため時計がアナログであったり古めかしいが、反ってその方が個人的趣味に合致している。
●ラダーフレームをもつ構造のため、モノコック車とは比較にならない強度を持っている。そのシッカリ感たるや、走行中常にその恩恵を感じることが出来る。
●センターデフロックできる本格的フルタイム4WDだから、トルクオンディマンドのインチキSUVと違って、雪道でも凸凹道でも安心して走行できる。
●集中豪雨なんかで万一道路が冠水しても、80cmまでなら難なく通過可能。
●そうしたオフロード性能があるという安心感たるや、走行中常にその満足感を感じることが出来る。
●シートア・アレンジというギミックに凝った結果として粗末な後席になってしまっている車とは違い、セオリー通り前席よりも後席を高い位置に設置しており、後席の前方視界が確保されている。
などなど、満足点は枚挙に暇がない。

夏は林道を走り冬は雪道を走る僕にとって、これ以上ない相棒だと思う。
以前乗っていたハリアーに比べて格段に優れているのは、FR構造がもたらすハンドリングとラダーフレーム構造による頑強性だ。
一度これに乗ってしまうと、FFベースのモノコック構造SUVなど、ただのつまらないガラクタに思えてしまう。
いくら内装を豪華にしつらえたって、いくら大きなエンジンを搭載したって、自動車としての素性が勝っている方が運転して楽しいに決まっている。
かつて3000CC V6エンジン搭載のハリアーをこのプラドより高価で購入した経験者として言えるのは、「SUV乗るなら、FRベースのラダーフレーム構造に限る」ということだ。
もちろん、「SUVはファッションで乗っているんだから、悪路走るなんてもってのほか!」「年に2~3回スキーに行く程度だけど、そのときの為に。」「別にハンドリングなんてどうでもいい。FFでネガを感じたことなんて一度もない。」という方は、FFベースのモノコックSUVで十分だと思う。
しかし、個人的には、FRベースでフレーム構造のジムニーやキャミ(テリオス)やエスクードに乗っている人の方が、CR-Vやエクストレイルに乗っている人よりもモノを見る眼があってスマートだなあと思う。
少なくとも、アウトドア派を自認している人であれば、トルクオンディマンド4WDのモノコックSUVは避けたほうが無難だと断言できる。
それは、カタログ値には決して現れない、フィーリングのもたらす満足感の違いだとしか言えないが・・・。