見出し画像

つれづれなるままに・・

老いては子に・・・

久しぶりに美容院に行ってきました。

私の行く美容院は、今風のおしゃれなヘアーサロンと違い、私と同年代のマダムがひとりで切り盛りをしている昔ながらの美容室です。
それ故、お客も年代の高い常連さんが多くなるのも当然のことかも知れません。

でも、お店は予約制となっていますので、普段は他のお客さんと顔を合わせることは殆ど無いのですが、今日は先客がいました。

もちろん、私の知らない人です。

その人は、私が行く前からマダムとお話に夢中だったようですが、私が行ってからも、話は続きました。(私のことを気にする様子もなく・・・(@_@))

私は、少し離れた後ろの椅子に座り、順番を待っていました。
狭い店内ですから、話の内容は否応なく私の耳にも入ってきます。


その人のご主人は、永い闘病生活が続いていましたが、奥様がひとりでご自宅で介護をなさっていたそうです。
そして、この三月、ご主人は力尽き、黄泉の世界に旅立たれたのだとか・・・。

奥様は、長い間、ひとりで病気のご主人の介護をなさっていたわけですが、自分としては『やりきった!』という思いが強いので、悔いも無いし、寂しくもないし、それどころかむしろホッとした・・・と仰いました。

そして、永い介護生活の期間中は、自分の自由になる時間など無かったので、これからは、のんびりと、自分のためだけに時間を使いたい・・・と。

ところが、そんな目論見は見事に外れ、49日も済んだ頃、突然、息子一家が引っ越してきたのだそうです。
「オフクロもひとりになって寂しいだろうから」・・・と。

「でもね・・・」と、その人は泣きながら続けます。
「息子の言葉だけを聞けば、優しい感じがするけど、本当は違うのよ・・・」と。

その証拠に、同居することは事前に何の相談も無かったし、同居以後の自分はまるで息子一家の家政婦のようだと言います。
オフクロが寂しいだろうから・・・と言うけれど、本当は、親のことよりも全てが自分たちに都合がいいからなのよ・・・とも。

お嫁さんが働いていることもあって、息子家族の分を含めた食事や洗濯などの家事一切と孫の世話で、ご主人の介護よりも大変なのだとか・・・。
(息子一家は、それを当然のことと思っているらしい・・・?)

しかも、自分の家なのに、息子一家に気兼ねをして小さくなっているのだ・・・と。

それでも、自分が、もっと歳をとったときに、息子家族に世話にならなければならない・・・と思うと、何も言えず我慢をしているのだそうです。

そして、最後は『老いては子に従えと言うしね・・・』と泣き笑いのような顔でした。


これは、よそ様の家庭のことですから、関係のない私がとやかく言えることではありませんが、でも、考えさせられる話ではありました。

私も夫を亡くし、これからは何事も息子が頼りとなってくるでしょう。
『老いては子に従う・・・』つもりでもあります。

それでも、息子達には、いつまでも親の気持ちを尊重して欲しいし、また親に対して敬愛の念を失わないでいて欲しいと思っています。

たとえ、私がどんなに老いぼれたとしても。。。

あるいは認知症になって、何も分からなくなったとしても。。。

いつもは、美容院に行くとさっぱりとして、晴れ晴れとした気分になるのですが、今日は足取り重く帰路につきました。



名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「Weblog」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事