小太鼓の修理2
今年はもう一個、小太鼓の修理です。
幕末に作られた小太鼓で、同じ時に大太鼓も作られており前奥のはね踊りの歴史を証明してくれる貴重な太鼓です。
3分割の胴のわっぱを繋ぐ帯のわっぱが割れて無くなっています。
今回はこの帯の部分の修理です。
はね踊り保存会の方に家が木工をされている方がいたので帯の部分の薄板を作ってもらいました。長さは2mで厚さは2mmです。
薄板を鍋でゆでて柔らかくします。柔らかい間に胴に巻き付けて型を整えます。
曲げた板の両端の重なり部分を徐々に薄くしてゆき厚さを1mm以下にします。曲り鉋で削ろうとしましたがなかなか綺麗にけずれないので結局鑿で地道に削りました。
重ねた部分をこの後桜皮で縫い合わせます。
昨年桜の枝を取ってきていたので縫う為の桜の皮は十分有ると思っていましたが いざ桜皮を作り始めると今回の太鼓を修理する分の桜皮を取るのが精いっぱいでした。
まだ修理しなければいけない太鼓があるので来年に向けてまた桜の枝を取りに行く必要があります。
太鼓の中にはこの太鼓を造った日付等が書かれています。
字に味わいが有って良いですね。こう言った字を見ると習字をちゃんと習っておきたかったと思ってしまいます。
文久3年は西暦1863年なので既に151年経っています。此れからも大事にしてゆきたいものです。
胴にはベンガラが塗られている様なので今回直した帯が目立ちます。
今年はこのまま使い、来年までにはベンガラで色付けしようと思っています。
2015/10/23追加
昨年2014年のお祭りに間に合わなかった帯の色付けを今年2015年に実施です。色付けはベンガラをボイル油で溶いて塗布しました。
塗ってみると元の塗とは明らかに質感が違うのでどうもベンガラだけを塗っていたのでは無さそうです。柿渋を上塗りでもしているのか、塗装1つでもなかなか判らないものです。
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