旧舞鶴海軍工廠が戦後日立造船になり、更に平成14年に日本鋼管と合弁して設立されたユニバーサル造船は舞鶴の一大産業です。
この日、艦番号425の巨大な自衛艦のユニバーサル造船の岸壁に係留されていました。 積荷が全部下ろされているらしく、喫水が極端に浅くなっています。 この艦は「ましゅう」。 作戦行動中の自衛艦に燃料や水などの物資を補給する補給艦と呼ばれる艦種です。
全長221メートル、満載排水量25000トン。 前述のイージス艦「みょうこう」が全長161メートル、満載排水量が9485トンですから、その大きさが想像できると思います。
艦橋も巨大です。 3年前に就役したヘリ空母タイプの自衛隊最大の護衛艦「ひゅうが」でさえ、全長191メートル、満載排水量19000トンなので、このましゅう型補給艦が現時点では海上自衛隊最大の艦艇ということになります。
数年前封切られた映画「男たちの大和」の冒頭シーンではインド洋から帰還した「ましゅう」の実写場面が使われていました。
補給能力に加えて艦内には病院手術設備も完備していることから、当然のことながらこの艦は東日本大震災時にも被災地で活躍しています。
この時の「ましゅう」は数年ぶりのドック入りで、全面的に補修、整備が行われていたのでしょう。 近くの岸壁には「ましゅう」搭載の内火艇が下され、一緒に整備を受けていました。
この中にロンドン野郎の叔父の名前が出てくるのですが、天一号作戦で大和の直衛にあたり、大和沈没後に生存者を救助した駆逐艦初霜に砲術長として乗艦していました。 大和はこのましゅうの何倍ものを大きさの船ですから、その大きさが分かりますね。
世界の災害や平和維持活動への派遣で活躍する場面が多くなっていることから、自衛隊の中でも輸送艦や補給艦といったどちらかというと地味な船の人気が高まっているそうです。