ろりぽっぷブログ

園での出来事をご紹介していきます。

やさしいハートの天使たち

2008年11月12日 | 園だより
突然のハプニング!!

 今日の午後おやつは、子どもたちの大好きな『チーズ焼きおにぎり』。嬉しそうに厨房に取りに来た4歳児Rくん。もう少しで部屋に到着というところで・・・ドッテーン!!後ろからやって来た友だちがぶつかってしまいお皿ごと床に落として、割ってしまうハプニングがありました。大皿の上には7個のおにぎりがのっていて全部ころころ転がって・・・。
しょんぼりしているRくんの手をつないで、部屋に入った担任S
「実はね、あと少しでみんなのところにおにぎりを届けてくれようとRくんがしたんだけど、お友だちとぶつかってお皿を割ってしまったの・・・おにぎりも、食べられなくなっちゃったの。みんな、どうしようね・・・」と子どもたちになげかけたS担任。
(厨房には、おかわり用のおにぎりがあることを知っていたけれど、あえて子どもたちに話して考える場面を大切にしたかったそうです)

いつも友だちを従えて、ボス的存在のSくんが一言。
「俺は食べなくっていいよ」
今日もたくさん園庭を走り回っていて、本当はお腹がすいているはずのSくんが一番先に声をあげてくれたんです。

「あたしも食べなくっていいよ」
「半分こにしようよ!」
「そうだね、半分こだね」

優しいハートの4歳児クラスの子どもたち。
担任はすでにウルウル感激

「やだよ!半分こ・・・」と思いを声に出してくれたYくん。(子どもだもの。こんな本音がでるのもあたりまえ)

ところが・・・

シクシク シクシクと一人の女の子が泣いています。担任Sが「どうしたの?」と言葉をかけると、「半分こ・・・ってみんなが優しいから嬉しくって涙がでるの

そんな女の子の姿を見たYくんは「・・・いいよ。半分こ」と自分の思いを抑えてゆずってくれました。
その場面を見た担任は更にジーンと心が熱くなるのでした。
「みんな、ありがとう!今のみんなの心はピンクのハートになっているんだよ」と嬉しい気持ちを子どもたちに伝えるのでした。

「今日はこんな嬉しいことがありました」ととびっきりの笑顔で話してくれた担任S先生の顔が輝いていました。S先生は数年前の学生だったころ、学校で紹介された保育園実習に行って、子どもたちをたくさん叱ったり・怒ったりする場面に遭遇してしまい、憧れていた幼児教育の道を断念するまで悩んでいました。
もう、保育者になりたい夢をあきらめかけて、最後の砦としてろりぽっぷ邑に面接に来たあの日を思い出します。ろりぽっぷが大切にしていることは、子どもの心なんだよ。と話をしてもう一度、夢を実現してもらったのです。
あれから数年・・・
おかわりはあることを知っていても、あえて子どもたちにとって考える場面を作ってくれたS先生。
今日の場面は保育者でなければ、体験できないことだったと思います。
誰よりも「保育者になって本当に良かった」って思っていてくださることでしょう。
ありがとう!!S先生。ありがとう!!子どもたち