最近の“騒ぎ”で自治体の長の出張費の使いにも
認識によって大きな差がある事を知りました。
東京都のようなお金持ちとビンボ-な地方の県では出張にかける予算が違って当然なのかも知れませんが…
この騒ぎで、
昔読んだイソップ物語
「都会のネズミと田舎のネズミ」
を思い出しました。
(o^^o)
それに少々ヒントをもらって物語にすると…
むかしむかし、大きな藩に見栄っ張りのお殿様がいました。
お殿様は、人々が汗水たらして納めた年貢で
贅沢三昧の生活をしていました。
どこかへ出かける時も、
それはそれは黒い漆に金の装飾がついた豪華なお駕籠に乗り、
泊まるお宿も、
金屏風や美しい襖絵の描かれた20畳はありそうなひろいひろいお部屋でした。
そのうえ、御付きの家来たちを大勢連れて行くものですから、
まさに泊まる場所に小判をばら撒く豪華絢爛の“大名旅行”でした。
ある時、その大きな藩に、
かねてから親交のある小さな藩の殿様がやって来ました。
大きな藩の120万石という石高から比べると
小さな藩はわずか2万石という石高のビンボー藩でしたから
小さな藩のお殿様は、いつも質素倹約を心掛けていました。
そのため、
家来たちを連れて来なかったビンボー藩のお殿様は、
大きな城の門前で、門番に呼び止められ
何度「たのもう!」
と言っても中に入れてもらえませんでした。
仕方なく小さな藩の殿様は、せっかく来たのだからと
人々の生活を見て回る事にし、
( 金持ち藩の民は、どのような暮らしをしとるんじゃろう…)
と、城下の町を歩く事にしました。
すると…
狭い長屋では、
大勢の人たちが肩を寄せ合い、わずかな米にヒエを混ぜ、
萎びたタクアンをオカズに貧しい食卓を囲んでいました。
店が立ち並ぶ賑やかな町中では、かっぱらいやスリなどが横行し、
安心して歩く事もできません。
何より、人々はいつも不満を抱えていて、
どの顔も、とても疲れているように見えました。
小さな藩のお殿様は、
( 我が藩の民は、どうなんじゃろう…)
と、急に気になりはじめました。
その時、お殿様が見たのは、
『藩の贅沢ぶりを問い質す』
という瓦版でした。
そこに書かれていたのは、大きな藩の民たちが抱く殿様への不満と不信感でした。
小さな藩のお殿様は、気になりつつも自藩に帰ることにしました。
小さな藩は、日本海に面する風光明媚な場所にありました。
決して肥えた土地ではありませんが
民は狭い土地に建てた藁葺きの家に住み、わずかな田を耕し、海で漁をして日々の生活を送っています。
ようやく小さな自分の城が見えた時、
「殿様、これ食べて行きんさい!」
と、城下の民がカレイの干物を手渡してくれました。
「コレも持って行きんさい!」
と、別の民も畑で採れた白菜で作った漬け物を持ってきました。
その人々の顔は、みんな笑っていました。
小さな藩のお殿様は、ほっとしましたとさ。
めでたしめでたし🏯