今 日 の 出 来 事

今日あった出来事、感じた事を綴ります…

ポップな銀貨

2020年10月29日 | 日記
自分が中学生の頃、ゴールドを財産として蓄えようと計画を立てた事があった。しかし金価格が高価で、お小遣いやお年玉程度では気軽に買えないと知ったためサッサと断念。それじゃ金がダメなら銀にしようと計画を変更して、どうせならデザインのカッコイイ外国の銀貨を集めようと、その手のショップや専門店を徘徊した。
そんな頃に出会ったのがこの銀貨である。

南米のウルグアイがFAO(国際連合食糧農業機構)に加盟したのを記念して1969年に発行した1000ペソ銀貨で、銀含有量は900とクオリティはなかなか良い。図案を囲む外周にFAOと刻まれた下にはラテン語でFIAT PANIS(全ての人々に食料を)という機構のモットーが入っている。この記念貨の存在理由たる表記がたったコレだけという実に潔いスッキリ感。何よりこんなピカソや岡本太郎を連想させるポップなデザイン物を国が出していたというのが驚きである。
恐らくコイン収集なんて1ミリも食い付かないであろうギャルも「カワイイ」と言ってウケそうだ。まあ日本にはマネできまい。多分日本で同じものを出したら「国際連合食糧農業機構加盟記念」などとダラダラ野暮ったく表記して、シンプル・イズ・ベストとはかけ離れた物になりそう。
ウルグアイの流通貨幣等は特に触手が伸びる訳でもないごく普通の物だが、これだけは一線を画すかのように異彩を放っている。デザインを活かしてアクセサリーに流用するのも面白いだろうし、コレクションするには充分な魅力を持っていると思う。
ところが最近になって、この記念銀貨の「銅貨バージョン」が存在する事を知った。まあ蒐集家であれば知れたネタであろうが、自分はそこまでのめり込めていないのが恥ずかしくもあり安堵感でもあり・・・
で、その10円玉と同じ素材の物だが、大きさやデザインが全く同じ、しかも1000ペソと額面まで同じときた。まさに何だコレミステリーである。

マテリアルが違えば額面も違ってくる筈なんだが何故?。例えば銀貨が1000ペソで銅貨が100ペソって言うなら話は分かる。しかも発行枚数が銀貨50万枚に対し銅貨はたったの11000枚という激レア物。これまた銀が11000で銅が50万って言うなら分るが・・・ナゾは深まるばかりだ。
世に1万そこらしか出ていない希少モノだとしたら、ブームだった昭和の時代なら何処の店を探しても入手困難だった事だろう。それが今や桁外れの情報が行き交うネット時代、ひょんなことから偶然ネットオークションに出ていたのを見つけたから思わず飛びついた。
このレア物の発見から落札、お代の銀行振込まで全部手元のスマホで出来てしまう現世を、昭和の時代に誰が想像できただろう。
そんな訳で今日は、恐らく生きてるうちにお目にかかれないであろう逸品が呆気なく手元に落ちてきた日だった。
コメント
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