頭にダメージ

仕事が終わってからの話。
着替えて帰るため更衣室に入ったら、上下２段式ロッカーの上段の扉がひとつだけ半開きになっていた。そのちょうど下段が自分のロッカーなので、その開いた扉をやんわりと閉めた後、その場に座って着替えた。着替えで座るのは疲れもあるが、足腰を庇うのとロッカーの間口が低いためだ。
今日は仕事が順調に片付いて早く終わる事ができたので、更衣室は一番乗りで誰も居ない。
ボーッとしながら着替えを済ませてヤレヤレと立ち上がろうとした時、ガーンッという激しい音と共に頭部に
衝撃と激痛が走った。
一瞬意識がアウトしかけてその場にへたり込んでしまった。何が起きたのか理解できなかったが、上からの衝撃なので見上げたら、さっき閉めたはずの上段ロッカーの扉がまた半開きになっていたのだ。
頭は大丈夫だろうか？
打っただけなら安静にしていれば…なんて思っていたら、おでこを何やら液体が伝ってくる感触があった。
恐る恐る手を当てると患部がヘコんでる！
しかも当てがった手が血で真っ赤！
コイツはマズイ…。このナリだと電車の中でドン引きされるな…等と思いつつ、経緯や症状を内勤に告げたら大騒ぎになってしまった。
そりゃアタマ血だらけのオヤジがヌーッと現れたらビックリするわな。
すぐさまスマホで近隣の病院を調べてくれて、帰り際に行きなさいよと案内してくれた。
ウッ…ほっときゃ止まるだろ…なんて呑気に構えていたが、ちょっと大事になりそうだ。色々手を尽くしてくれた内勤さんに感謝して、その病院に行ってみた。幸い手元に保険証を持っていたので受付もスムーズだった。
先生に事の経緯を話し患部を診てもらったら、傷はそんなに深くないのでそっとしておけば治るとの事。ナイフ等でスパッと切った傷ではなく、えぐったような傷なので止血は比較的早いそうだ。何より血が出てくれて幸いだった。これ、内出血だったら逆に洒落にならない事態になっていたかもしれないのだ。
患部に薬を塗って化膿止めの処方箋を出してくれた。
「患部から雑菌が入らないように一日三回服用して、今週は風呂に入らないで下さい」
はい、分かりました…ってそれ矛盾してないか？
今週一杯風呂に入らなかったら不潔で逆に雑菌ウヨウヨで危険だろ？(笑)
結局、先生のお告げはスルーして、血圧を上げないようにソーッと入浴した。まだ患部は半生状態だが、触らない限り疼きは思ったほど感じない。
今回の惨事(？)、自分の不注意と言っちゃえばそれまでだが、何で閉めたはずの扉が開いていたのか未だに謎である。
これは自分に対する何かの忠告なのか？…それとも心霊現象？