YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

VM22型キャブを分解

2018年06月21日 | YB&YBR関係雑記

 ちょっとしたきっかけで中国版ミクニVM22型キャブレターを
入手したので、分解確認をしたよ。
素性は明らかで無いが、旧型YBR搭載の純正キャブレターに酷似
しているから、分解確認の工程は旧型YBRの持ち主さん達のキャ
ブレター整備の参考になるだろう。

 VM22型キャブレターの外観。


初期型と2006年?~2010年までの旧型に少し違いがあるのだ。

エアーカットバルブ(加速ポンプの類似機構)が無い。

どうやらこのキャブは初期型相当品のようだね。

バルブトップが違う。

YBR純正はL字型パイプがあるがこれには無くて通常のワイヤー
に対応している。中国版ケーヒンのPZシリーズと同じ方式だね。

フロート室を外してみた。

ひどい汚れは無いけど水垢みたいな汚れとアルミ特有の白い粉の
サビが少しある。
湿気の多い場所に長期間保存されていたのかも知れない。

パッキンが劣化している。

潰れてて、これではガソリンがにじむだろうから要交換。

ドレンボルトの様子。

密閉部分に異常摩耗は無くて、これなら大丈夫。

ピストンバルブの部品。

綺麗で問題無しだから、これ以上分解せず。

ボディの出力側。

このOリングも潰れていて、もう役に立たないから要交換。

燃料弁関係を確認。

整備時などでここまで確認する人は少ないみたいだけど、実は
ジェット類よりも重要な箇所なのだ。

燃料弁のフロートバルブ(ニードルバルブ)。

円錐型のゴム弁には異常な段差摩耗が無かったのでこのまま再使用。

フロートバルブのダンパー。

この細い突起と内部のスプリングによるダンパーでしっかり密着
させるのだが、突起を精密ドライバーで押しても凹んだままで
戻らない。
潤滑剤を吹いてから何度も押してあげたら戻るようになって、正
常な反発動作をするようになったよ。
ここがダメだと油面が狂ったり燃料が止まらず、オーバーフローの
原因になるのだ。

フロートバルブホルダーも確認。

ここを外して確認する人も意外と少ない。
外す時にガタガタ動いて簡単に外せたからイヤな予感がしたよ。
やっぱりOリングが痩せてて平らなっていた。
ここが密閉不足だと、隙間から燃料が漏れてフロート室に入り、
満タンになっても供給しつづけてオーバーフローを起こすので
重要なOリングなのだ。  このOリングも要交換。

メインジェット関係。

予想外に綺麗だけど、謎の汚れが付着していた。
穴は全て貫通していたのでキャブクリーナー漬けだけで行ける。

パイロットジェットも外してみた。

これも全ての穴は貫通していたのでキャブクリーナー漬けで軽く
掃除だね。

パイロットスクリューを外してみる。

確認すると1・1/4回転開けに設定されていたのでメモ。

頑張って奥にあるOリングやスプリングも外してみた。

しかし普通は有るはずのワッシャーが見当たらない。
最初からなのか不明だけど、無いとOリングがいびつに潰れるの
で入手しないとなあ。

パイロットスクリューの先端を見て違和感がしたよ。

もっと先端が尖がってて長いはずなのになぜ?

原因が判明した。

先端が破断してて小さな穴に食い込んでる。
元の持ち主はパイロットスクリューが効かないダメな品として
手放したので、その原因がここで判明したのだ。

ここは締めこむ時に太い柄のドライバーでグイグイ力を加えては
ダメなスクリューで、指先の弱い力でそっと回転させて、少しで
も抵抗を感じたらそこが限界と思った方が良い。
この故障例も不慣れな作業者が起こしやすいので注意が必要。

折れた先端を押してみたけれど、噛み込んでてビク
ともしない。 
これは困った。w
 
色々考えて、無理やり押し出す事はせずに「温冷法」で緩ませる事に
した。

ホットガン(ドライヤー型の高温になる道具)で温める。

温める→潤滑スプレーを吹いて冷やす→放置して完全に冷ます→
温める→繰り返しを2回ほど行ってから、針で破断片を押してみ
たらポロっと抜けたよ。
固着したネジなどにも使う方法例で、金属の膨張・縮小の伸縮作
用を利用して、噛み込んでる状態を緩ませるのだ。

折れた先端部分。

かなり食い込んでいたようだ。これは新品を入手しないといけない。

 結局このキャブレターは要交換部品が数点必要になってるので、
ちょっと調べてみたら単体部品で揃えると高額になる事が判明した。

タオバオで調査してメンテ用のフルセットを見つけたよ!

欲しい物が全部そろって約900円ならお買い得。
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どうせなら全部取り替えて新品同様にしてから遊んで見よう。

アマゾンでも似たようなセットを見つけたけれど、肝心の欲しい
部品が付属していないのでボツ。w

 残作業はキャブレタ本体の穴全部をキャブクリーナーなどで
貫通掃除させておこう。
後日部品が揃ったら組み立てて、YB号に付けてみたいと思う。
ヤマハ純正品じゃないので、そのままスロットルケーブルが使え
るのがありがたい中国版ミクニVM22キャブレターなのだ。

以上、雨が続く梅雨時の夜に室内で作業した暇つぶしでした。