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報道写真家から(2)

中司達也のブログ 『 報道写真家から 』 の続編です

アサド政権打倒からシリア分断化へ

2012年09月23日 19時53分19秒 | シリア


昨年の3月に、シリアで騒乱が勃発して以来、
アサド大統領は一貫して、反政府勢力は外国人テロリストだと主張してきた。
もちろん、欧米のメディアは、シリア政府の発表など歯牙にもかけてこなかった。
ところが最近、主要メディアは、突然、目が見えるようになったようだ。

方向転換

これまで欧米の主要メディアは、シリアを蹂躙する外国人武装勢力の存在をひた隠しにしてきた。
たとえ目の前にいても、見ようとはしなかっただろう。

アサド大統領の発言をメディアが取り上げることはある。しかしそれは、民主化を要求する自国民を外国人テロリスト呼ばわりする大統領だという印象を与えるためだ。メディアはそうしたテクニックを駆使して、ターゲットの人格や品格をとことん傷つける。メディアは事実や真実とは無縁の機関だ。

しかし、9月8日、メディアは急に方向転換をして、シリアの外国人武装勢力の存在を報じ始めた。もちろん、真実の報道に目覚めたからではない。

国境なき医師団の共同設立者Jacques Beresは、シリア北部の包囲された都市の秘密病院での二週間の活動のあと、金曜の夜にシリアから戻った。
Jacques Beres, co-founder of medical charity Medecins Sans Frontieres, returned from Syria on Friday evening after spending two weeks working clandestinely in a hospital in the besieged northern Syrian city.

日曜、パリ中央の彼のアパートメントにおけるロイターとのインタビューで、この71歳の医師は、今年初めのホムスとイドリブの訪問のときとは正反対のことを語った。つまり、今回彼が治療した患者のおよそ60%が反乱勢力の兵士で、そのうち少なくとも半数はシリア人ではなかった、と述べたのだ。
In an interview with Reuters in his central Paris apartment on Saturday, the 71-year-old said that contrary to his previous visits to Homs and Idlib earlier this year about 60 percent of those he had treated this time had been rebel fighters and that at least half of them had been non-Syrian.
2012.09.08  Jihadists join Aleppo fight, eye Islamic state, surgeon says
http://www.reuters.com/article/2012/09/08/us-syria-crisis-jihad-idUSBRE88708W20120908

ロイター通信のこの記事は、一人の医師からの伝聞形式ではあるが、シリアの反乱武装勢力内の外国人兵士の存在を明らかにした。

この報道によって、アサド大統領の一連の発言が、決してデタラメではなかったことが証明された。そういう意味では画期的な記事に見える。しかし、なぜアサド大統領に有利に作用するような記事を、主要メディアのひとつがわざわざ掲載したのか、という疑問が生じる。本来、これは黙殺されるべき内容だ。この記事がいくつかの主要メディアに二次利用されていることでも、これはあらかじめメディア間で認知された内容であることがわかる。

報道は常に読者や視聴者を、意図された方向や地点に適切に誘導するという使命を負っている。いままでメディアが隠してきた外国人武装勢力の存在を、今になって報じ始めた背景には、必ず明確な理由がある。

「民主化」から分断化へ

メディアがこれまで外国人兵士の存在を報じなかったのは、反政府活動はシリア国民による自発的な民主化要求だという設定を維持するためだ。この設定によって西側は、シリア国民の民主化を支援するという名目で、アサド政権に対する国際的制裁と圧力をかけることができた。しかし、実際は反政府武装勢力の主力は最初から外国人部隊だ。

ここで重要なのは、西側の目的はシリアの民主化などではなく、単純に破壊することだという点だ。西側によって「民主化」されたイラクやアフガニスタン、リビアの現在の惨状を見れば明らかだ。政治的にも、経済的にも、社会的にも完全に破壊された。そこには民主主義の欠けらも存在しない。もはや、国家でさえない。シリアも同じ「工程表」の中にある。

しかし、シリアの破壊を目論む西側は、NATO軍による空爆という手段を封じられている。また、アサド大統領に対するシリア国民の支持率は高く、国民がアサド政権打倒に立ち上がる可能性は極めて低い。この状況の中で、いかにしてシリアを破壊に導くか。そのための次なる方針が、このロイターの記事で示されている。

シリアを独裁的な宗教支配制に転換することに執着している外国人イスラム教徒が、バシャール・アサド打倒をめざす反乱勢力の中で拡大している。彼らは「聖戦」を遂行していると信じている。アレッポで反乱軍兵士を治療したフランスの外科医はそう語った。
Foreign Islamists intent on turning Syria into an autocratic theocracy have swollen the ranks of rebels fighting to topple President Bashar al-Assad and think they are waging a "holy war", a French surgeon who treated fighters in Aleppo has said.

「 それは実に奇妙に見えた。彼らはバシャール・アサドの打倒には関心がないと率直に語ったのだ。彼らは、後々いかにして権力を得るか、そして、世界の首長国の一部になるために、シャリーア法によるイスラム国家をいかにして建設するかについて考えていた 」 とこの医師は述べた。
"It's really something strange to see. They are directly saying that they aren't interested in Bashar al-Assad's fall, but are thinking about how to take power afterwards and set up an Islamic state with sharia law to become part of the world Emirate," the doctor said.
2012.09.08  Jihadists join Aleppo fight, eye Islamic state, surgeon says
http://www.reuters.com/article/2012/09/08/us-syria-crisis-jihad-idUSBRE88708W20120908

ロイターの記事の中では、外国人イスラム兵士は、いわば自分たちの理想郷を建設するためにシリアにやってきたという設定になっている。そして、そうした外国人武装勢力が拡大していると解説している。

つまり、やがてシリアの反乱勢力は、外国の武装勢力に取って代わられ、外国人武装勢力がシリア各地で独自の支配地域を確保するようになる、ということだ。シリアはさまざまな急進的宗教思想によって分断支配されるというシナリオだ。現在のアフガニスタンやリビアが細かく分割支配されているように。

アサド政権を一気に打倒することが困難となったいま、アサド大統領の失脚はいったん据え置かれる。シリアの破壊こそが目的なのだから、それさえ達成できればいいのだ。西側は、サウジアラビアやカタール、トルコで訓練した武装勢力を大量投入して、シリアの国土を引き裂くという方針に転換したようだ。シリア国民による自主的な民主化要求というこれまでの設定も脇に追いやられる。

今後、表向きの戦いの主役が外国人武装勢力に移行するので、もはや、その存在を隠す必要はなくなったということだ。ロイターの記事はその先鞭であり、外国人武装勢力が自由意志でシリアにやってきたかのように装うための伏線的記事なのだ。

「自由シリア軍」の高官は、外国人武装勢力の拡大に対して、実に憂慮すべき事態だという顔をして見せる。これも、このシナリオに信憑性をそえるための単なる演出だ。もともと「自由シリア軍」など、実体のないただの看板にすぎない。中身はごく一部の元軍人と、あとは金で動く犯罪集団やならず者だ。

急進的イスラム武装勢力のシリア流入という「現象」は、これまで西側が軍事訓練を施してきた外国人武装勢力をシリアに投入するための稚拙なカモフラージュなのだ。

素人ジハディスト

西側は、訓練の行き届いた重武装のプロの武装集団を養成する一方で、世界中から素人ジハディストをシリアに呼び込んでいる。

Beresは、他のアラブ諸国からきた数十人のジハディストだけでなく、少なくとも二人の若いフランス人も治療したと語った。
Beres described treating dozens of such jihadists from other Arab countries, but also at least two young Frenchmen.

「 彼らのうち何人かはフランス人で、未来に対して極めて狂信的だった 」と彼は述べた。「 彼らは、治療を施す医師に対しても極めて警戒的だった。彼らは、私を信用していなかったが、Mohammed Merah は従うべき手本だと私に語った 」
"Some of them were French and completely fanatical about the future," he said. "They are very cautious people, even to the doctor who treated them. They didn't trust me, but for instance they told me that Mohammed Merah was an example to follow."
2012.09.08  Jihadists join Aleppo fight, eye Islamic state, surgeon says
http://www.reuters.com/article/2012/09/08/us-syria-crisis-jihad-idUSBRE88708W20120908

Mohammed Merah とは、3月にフランスのトゥールーズで連続襲撃事件を起こし、ユダヤ人学校の生徒3人を含む7人を殺害したとされるアルジェリア系の23歳の若者だ。事件後、フランス警察に自宅を襲撃され、銃撃戦のすえ死亡している。彼は自身を「アルカイーダ」と名乗った。ただし、この事件には不可解な点があり、真相は不明だ。

Merah が何者であるにせよ、このような襲撃事件の「犯人」とされる人物を信奉する若者が、なぜシリアに来て「聖戦」を戦う必要性があるのか。自国を守ろうとしているシリア軍と戦うことが、なぜ「聖戦」になるのか。彼らの思考と行動は理解不能だ。

しかし、3月に発生したトゥールーズの事件が、「工程表」の一部だと考えれば、素人ジハディストがシリアを目指すのは、それほど不自然な「現象」ではなくなる。

911事件以降、欧州社会では、アラブ圏出身者の居場所はほとんどない。ただでさえ、若者の失業率が高まっているなかで、アラブ系の若者が職にありつける見込みは極めて低い。社会的にも、制度的にも追い詰められている彼らは、貧困や偏見、差別の中で、欧州社会への怒りと憎しみをつのらせている。もともと欧州的価値観の外で暮らす彼らは、より先鋭的なイスラム的世界観に精神的より所を見い出すようになる。

そこへ、トゥールーズのような事件が発生すれば、彼らは欧州社会で異物から怪物扱いになる。欧州社会との決定的な亀裂を生み、排斥されつつある彼らは、必然的に物理的精神的な逃避地を求める。シリアへ行けば君たちの理想が実現できると囁かれれば、躊躇する理由はないだろう。爆発寸前の鬱屈したエネルギーと理想主義にとって、混乱のシリアは理想郷の建設にもってこいと映るだろう。バシャール・アサドも「自由シリア軍」も、彼らの眼中にはない。ひとえに個々の理想の実現にしか興味がないのだ。それが他家の庭の中であろうが関係はない。

ただ、素人ジハディストのリクルートの仕方はさまざまだ。とにかく、武器を持ってシリア軍に突撃するなら別に誰でもいいのだ。シリア軍に従軍取材したロバート・フィスクは、次のようなレポートを書いている。

「 あなたはたぶんこの話を信じないだろう 」 とSomar中佐は興奮して叫んだ。「 我々の捕虜の一人は私に言ったんだ。 "パレスチナがこんなに美しい所とは思わなかった" と。つまり奴は、自分はイスラエルと戦うために、パレスチナにいるのだと信じていたんだ!」
"You won't believe this," Major Somar cried in excitement. "One of our prisoners told me: 'I didn't realise Palestine was as beautiful as this.' He thought he was in Palestine to fight the Israelis !"
2012.08.23  Robert Fisk: 'Rebel army? They're a gang of foreigners'  
http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/fisk/robert-fisk-rebel-army-theyre-a-gang-of-foreigners-8073717.html

イスラエルと戦えると信じて連れてこられた場所が、世界遺産に登録されているシリアのアレッポだった。

パッチワーク

いま、にわかジハディストたちが続々とシリアを目指しているのかも知れない。

しかし、直情的で命知らずな大勢の若者に、十分な武器弾薬を持たせたとしても、所詮は、寄せ集めであることに変わりはない。出身や宗派、思想や理想の異なる小集団同士が協調して行動することはない。そこには共通の目的は存在しないからだ。それは個々の理想を個別に追求する闘争にすぎない。

しかし、たいていの武装勢力の目的は金や利権だ。シリア領内に支配地域を獲得すれば、その域内の利権をすべて手に入れることができる。領民も彼らの所有物になる。小国の王になれるのだ。理想郷であろうが、王であろうが、いずれにしろ、それは個々の欲望の実現にすぎない。それに比して、シリア軍は外敵から国を守るという共通の目的で団結している。プロアマ混交の寄せ集め集団には、もともと勝ち目はない。

メディアは、アサド政権の崩壊は時間の問題などと自信満々に伝えているが、現実はまったくの逆だ。武装勢力は、シリア軍の前に後退を重ねている。崩壊寸前なのは、武装勢力の方だ。ただ、次々と新兵を供給して何とか戦線を維持しているにすぎない。

今後、重武装の外国人武装勢力があらたに大量投入されるだろう。当分の間、シリア情勢は混乱を極めることになる。しかし、西側が仕組んだ、こんなつぎはぎだらけの戦略が成功するとは思えない。

多くのシリア軍兵士は、……あまりにも多くの「外国戦闘員」がアレッポに投入されていることに驚きの声をあげている。 「 アレッポの人口は5百万人だ 」 と一人の兵士が言った。 「 ということは、もし敵側がそんなにも正しいのなら、こんな外国人なんか投入しなくても、勝てるはずじゃないか。奴らに勝ち目はないね」
Many of the soldiers, who were encouraged to speak to me even as they knelt at the ends of narrow streets with bullets spattering off the walls, spoke of their amazement that so many "foreign fighters" should have been in Aleppo. "Aleppo has five million people," one said to me. "If the enemy are so sure that they are going to win the battle, then surely there's no need to bring these foreigners to participate; they will lose."
2012.08.23  Robert Fisk: 'Rebel army? They're a gang of foreigners'  
http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/fisk/robert-fisk-rebel-army-theyre-a-gang-of-foreigners-8073717.html

前線の兵士は、簡単に真理を言い当てている。そんなにも西側の主張が正しいのなら、シリア国民がとっくに答えを出している。


最も警戒しなければならないのは、国連安保理決議を抜きにした米軍による単独のシリア空爆だ。
もし、そのような事態を許せば、今後米軍は好きなときに、好きな国・地域を自由に爆撃できる。
クリントン国務長官に与えられた任務は、早急にシリア爆撃の理由をひねり出すことだ。
シリアの戦いは、決して地域的問題ではない。
これは地球の未来がかかった戦いなのだ。



アサド政権打倒からシリア分断化へ : 資料編

http://blog.goo.ne.jp/leonlobo2/e/62dea4b1ab12d9fd0b53ce5f10edc711


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アサド政権打倒からシリア分断化へ : 資料編

2012年09月23日 19時52分47秒 | シリア


ロイター電および二次報道

2012.09.08  Jihadists join Aleppo fight, eye Islamic state, surgeon says
http://www.reuters.com/article/2012/09/08/us-syria-crisis-jihad-idUSBRE88708W20120908

2012.09.08 Jihadists Join Aleppo Fight, Eye Islamic State, Surgeon Says
http://www.nytimes.com/reuters/2012/09/08/world/europe/08reuters-syria-crisis-jihad.html?ref=world
2012.09.08  Jihadists join Aleppo fight, eye Islamic state, surgeon says
http://articles.chicagotribune.com/2012-09-08/news/sns-rt-syria-crisisjihad-tv-pixl6e8k80wg-20120908_1_aleppo-northern-syrian-city-merah
2012.09.08  Jihadists join Syria fight, eye Islamic state, French surgeon says
http://www.haaretz.com/news/middle-east/jihadists-join-syria-fight-eye-islamic-state-french-surgeon-says-1.463554

Robert Fisk:シリア従軍レポート

2012.08.23  Robert Fisk: 'Rebel army? They're a gang of foreigners'  
http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/fisk/robert-fisk-rebel-army-theyre-a-gang-of-foreigners-8073717.html

シリアを蹂躙する外国人武装部隊

2011.11.29  Bomb voyage: 600 Libyans ‘already fighting in Syria’
http://rt.com/news/libya-syria-fighters-smuggled-475/
2011.12.02  Libyan in(ter)vention: False facts fatal for Gaddafi
http://rt.com/news/lybia-gaddafi-war-evidence-833/
2011.12.26  From Tripoli to Damascus: Arab wild geese take wing
http://rt.com/news/syria-libya-gunmen-mercenaries-643/
2011.12.27  Qatar builds Sunni intervention force of Libyan, Iraqi terrorists against Assad
http://www.debka.com/article/21602/
2011.12.28  Qatar builds up anti-Syria Wahhabi army
http://www.presstv.ir/detail/218149.html
2012.01.07  'Foreign death squads kill Syrians'
http://www.presstv.ir/detail/219755.html
2012.01.12  NATO Airlifting Libyan Terrorists and Weapons……
http://tarpley.net/2012/01/12/free-syrian-army-unleashes-suicide-bombing-in-damascus/
2012.01.19  ‘Foreign military intervention ? threat to freedom’ ? Syrian opposition
http://rt.com/news/syria-protests-russia-dialogue-149/
2012.02.01  'KSA-backed groups stoke Syria unrest'
http://www.presstv.ir/detail/224256.html
2012.02.08  First foreign troops in Syria back Homs rebels.  
http://www.debka.com/article/21718/
2012.02.09  British, Qatari troops already waging secret war in Syria?
http://rt.com/news/britain-qatar-troops-syria-893/
2012.02.10  ‘Foreign military in Syria raises ghost of Libya’
http://rt.com/politics/syria-russia-libya-duma-statement-975/
2012.02.20  Iraqi gunmen afoot to join Syrian insurgency
http://rt.com/news/iraq-gunmen-syria-insurgency-741/
2012.02.21  Made in Jordan: Thousands of gunmen preparing to enter Syria?
http://rt.com/news/jordan-syria-intelligence-training-859/
2012.02.23  US preparing for military intervention in Syria?
http://rt.com/usa/news/us-military-intervention-syria-045/
2012.03.04  Saudis arm terrorist gangs in Syria: Report
http://www.presstv.ir/detail/229902.html
2012.03.05  13 undercover French army officers seized in Syria ?
http://rt.com/news/french-army-officers-syria-893/
2012.04.17  ‘External forces hampering truce in Syria’ ? Lavrov
http://rt.com/politics/external-forces-truce-lavrov-251/
2012.04.27  'Armed Groups' Infiltrating into Syria from Lebanon
http://www.presstv.ir/detail/238368.html
2012.06.24  Syria arrests over 40 Germans for smuggling arms
http://www.presstv.ir/detail/2012/06/24/247677/syria-arrests-40-germans-report/
2012.07.19  NATO death squads involved in Syria bombing
http://www.presstv.ir/detail/2012/07/19/251671/nato-death-squads-linked-to-syria-attack/
2012.07.24  Britain's ex-army commandos train armed rebels in Syria: UK media
http://www.presstv.ir/detail/2012/07/24/252536/british-army-trains-syria-militants/
2012.07.26  Foreign militants join armed gangs in Syria: Western media
http://www.presstv.ir/detail/2012/07/26/252817/foreigners-join-syria-armed-gangs/
2012.08.04  Syria crisis: Turkey training rebels, says FSA fighter
http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-19124810
2012.08.05  Syria Arrests Turkish Army General in Aleppo
http://english.farsnews.com/newstext.php?nn=9104252929
2012.08.06  Syrian army arrests Turkish, Saudi officers in Aleppo
http://www.presstv.ir/detail/2012/08/06/254750/syria-arrests-turkish-saudi-officers/
2012.08.07  Convoy of Turkish military forces briefly enters Syrian town of Jarablos
http://www.presstv.ir/detail/2012/08/07/254956/turkey-enters-kurdish-region-in-syria/
2012.08.08  Tomorrow’s foes? Syrian rebels fear foreign Islamist fighters are ‘too extreme’
http://www.rt.com/news/extreme-islamic-jihadists-syria-161/
2012.08.09  France deploys troops to Syria-Jordan border
http://www.presstv.ir/detail/2012/08/09/255333/france-sends-troops-to-syria-border/
2012.08.10  Syria accuses US, others of overseeing rebel battles
http://www.reuters.com/article/2012/08/10/syria-crisis-un-letter-idUSL2E8JAGEK20120810
2012.08.11  French military sends Syria-bound shipment to Jordan
http://www.presstv.ir/detail/2012/08/11/255775/france-sends-syriabound-cargo-to-jordan/
2012.08.14  Exclusive: Libyan fighters join Syrian revolt
http://www.reuters.com/article/2012/08/14/us-syria-crisis-rebels-idUSBRE87D06G20120814
2012.08.16  British convert to Islam vows to fight to the death on Syrian rebel front line
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/middleeast/syria/9481246/British-convert-to-Islam-vows-to-fight-to-the-death-on-Syrian-rebel-front-line.html
2012.08.24  Amateur jihad tests Syrian rebel resources
http://www.reuters.com/article/2012/08/24/us-syria-jihadists-idUSBRE87N0AQ20120824
2012.08.25  In Syria, Islamic militants may complicate uprising
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-syria-foreign-fighters-20120826,0,7940241.story
2012.08.25  Security services 'failing' to stop British jihadis heading to Syria
http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/terrorism-in-the-uk/9499202/Security-services-failing-to-stop-British-jihadis-heading-to-Syria.html
2012.08.26  Libyan Terrorist Relates Details of How Terrorists are Trained in Libya with Funding from Arab Gulf Countries and Sent to Syria
http://sana.sy/eng/21/2012/08/26/438111.htm
2012.09.04  Kilicdaroglu: Apaydin Camp Dedicated to Training Gunmen and Sending Them to Syria
http://sana.sy/eng/22/2012/09/04/439733.htm
2012.09.17  Increased numbers of 'foreign elements,' Jihadi groups operating in Syria 
http://rt.com/news/un-syria-crimes-foreigners-297/
2012.09.20  Associated Press Reveals Increasing Numbers of Foreign Militants and Extremists within Armed Terrorist Groups in Syria 
http://sana.sy/eng/22/2012/09/20/442750.htm
2012.09.21  Libyan fighting in Syria symbolizes fears
http://edition.cnn.com/2012/09/20/world/meast/syria-libya-fighter/index.html?hpt=imi_t2
2012.09.22  UN confirms existence of foreign militants in Syria
http://english.pravda.ru/world/asia/22-09-2012/122239-un_militants-0/

シリア爆撃を画策する米国

2012.08.11  U.S., Turkey to study Syria no-fly zone 
http://www.reuters.com/article/2012/08/11/us-syria-crisis-idUSBRE8610SH20120811
2012.08.12  Syrian crisis: Clinton talks contingency plans with Turkey 
http://edition.cnn.com/2012/08/11/world/meast/syria-unrest/index.html?hpt=imi_c1
2012.08.14  Pentagon plays down Syria no-fly zone option 
http://www.reuters.com/article/2012/08/14/us-usa-syria-nofly-idUSBRE87D10R20120814
2012.08.29  West scripting scary scenario in Syria 
http://www.presstv.ir/detail/2012/08/29/258871/west-scripting-scary-scenario-in-syria/
2012.09.10  ‘US doesn’t need UN to oust Assad’ - Clinton 
http://rt.com/news/clinton-syria-un-unnecessary-755/

トゥールーズ事件

2012.03.22 Obituary: Toulouse gunman Mohamed Merah
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-17456541
 


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サイバー攻撃下のSANAサイトの最終閲覧方法

2012年09月05日 11時40分40秒 | シリア

※2013年6月6日、SANAサイトへのアクセス不能を確認。

※2012年9月6日(09:30)現在、SANAサイトの復旧を確認。

======================================================

9月5日現在、ついに、なにをどうしてもSANA(Syrian Arab News Agency)のサイトにアクセスできなくなった。
いよいよDDos攻撃が本格化したようだ。
ただ、この攻撃手法は洪水のようなアクセス要求をしかけて、元栓を停滞させるという単純な仕組みだ。
SANAのサーバーのデータを破壊しているわけではない。
元栓の向こうでは、SANAサイトは普通に更新され運営されている。

少し手間はかかるが、SANAのサイトを閲覧することはできる。
検索エンジンのキャッシュデータにアクセスするのだ。
ただ、あまり手間をかけないためにはグーグルクロームを使うしかない。
インターンネットエクスプローラーをお使いの方は、グーグルクロームをインストールしていただく必要がある。
(ブラウザを複数インストールしても問題はない)


● SANAサイトのキャッシュデータへのアクセス方法 (グーグルクローム編)

下記のSANAサイトのURL http://sana.sy/index_eng.html をグーグルクロームのアドレスバーに入力して、エンターキーを押す。
SANAにはアクセスできないので、次のように表示される。



表示内の[ キャッシュコピー ] をクリックする。
画面の表示が始ったら、右上の[ テキストのみのバージョン ]をクリックする。
そうしないと表示に時間がかかりすぎる。



すぐにSANAのメインページのテキストバージョンが表示される。
日付が最新なので、SANAのサイトは問題なく運営されていることが分かる。



読みたい記事のタイトルをクリックする。
この記事にもアクセスできないので、今回も次のように表示される。

表示内の[ キャッシュコピー ]をクリック。
画面表示が始ったら、[ テキストのみのバージョン ]をクリック。
読みたいページのテキストバージョンが素早く表示される。


多少手間はかかるが、これを繰り返せば、サイバー攻撃下のSANAのサイトでも間接的に閲覧できる。


グーグルクローム・ダウンロードサイト
http://www.google.co.jp/intl/ja/chrome/browser/?brand=CHMB&utm_campaign=ja&utm_source=ja-ha-apac-jp-ct&utm_medium=ha&utm_term=%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%B6%20google
※インターネットエクスプローラーをいままで通り既定のブラウザとして使うためには、最初のインストール画面内の [Google Chrome を既定のブラウザとして設定する] のチェックをはずしてからインストールを始めてください。


ブラウザを複数インストールしても特に問題はない。ひとつのブラウザに不具合が生じた場合に備えるという意味で、別のブラウザをインストールしておいた方がよいとも言える。僕は、インターネットエクスプローラー、ファイアーフォックス、グーグルクロームの三種類を使い分けている。


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サイバー攻撃下のSyrian Arab News Agency(SANA)へのアクセス方法

2012年08月23日 21時29分43秒 | シリア

※アクセス不能状態になったSANAの閲覧方法は、以下の記事を参照ください。

サイバー攻撃下のSANAサイトの最終閲覧方法
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo2/e/76a2369b30d0f1f2bbaa01ac5d4e2771


--------------------------------------------------------------------------------------------------------
SANA
のサイトへのサイバー攻撃が再開されたかも知れない。
断続的にアクセスできない状態が続いている。
しかし、DDos攻撃ではない。
ブロックされるのはいつも英語版だけだ。
他の言語版にはアクセスできる。
SANAの英語版にアクセスしづらくなったら以下の方法を試していただきたい。

※8月25日現在、アクセスが復旧。
※9月4日(08:30)現在、メインページの表示に時間がかかる現象を確認。
  表示後も、個々の記事が表示されない現象を確認。
  断続的になんらかの攻撃が仕掛けられている可能性が考えられる。



Syrian Arab News Agency(SANA)

http://sana.sy/index_eng.html


サイバー攻撃時のSANAへのアクセス方法

① SANAのアラビア語版のURLhttp://sana.sy/index_ara.html) をアドレスバーもしくは検索バーに入力してエンターを押す。
アラビア語版が表示される。たいてい表示までに時間がかかる。




② サイト上部の赤いバーの左端の English をクリックする。

         

英語版が表示される。同じく表示には時間がかかる。
あとは問題なく通常通り閲覧できる。




上記の方法でアクセスできない場合は、SANAの過去記事のURLで、記事を表示してから、画面左の[Main Page]をクリックすると最新のメインページが表示される。

表示を確済みのサンプルURL。やはり表示には時間がかかる。
http://sana.sy/eng/22/2012/08/17/436920.htm
http://sana.sy/eng/22/2012/08/21/437388.htm
http://sana.sy/eng/22/2012/08/19/437199.htm

       

 

もし、この方法でもうまく表示されない場合は、最後の手段があるが、そこまでは必要ないと思われる。サイバー攻撃が激しくなり、上記の二方法でもアクセスできなくなった場合に公開する。


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シリア情勢 : メディア ・ ウォー

2012年08月21日 17時44分43秒 | シリア

この世界には、われわれが信じているような “報道” というものは見当たらない。
報道と呼ばれているものは、すべからく政治的意思の延長にすぎない。

BBCの “無断誤用”

いままさに行われている西側メディアによる中東報道は、報道などではない。純粋な戦争政策だ。
カダフィ大佐やアサド大統領は、絶対悪。「フリーダム・ファイター」や「自由シリア軍」は、絶対善。
そして、絶対善を支援(操作)する 「国際社会」 は、超絶対善だ。

典型的なハリウッド映画的構図というしかない。現実世界にそんな展開が存在するわけがない。しかし、世界中のメディアが一糸乱れず連動することによって、架空に現実味と臨場感が備わる。世界は架空の構図を真実だと信じて疑わない。

「国際社会」という超絶対善の意向を反映するメディアは、シリア破壊の側面攻撃を担当している。したがって、メディアには免罪符が渡されている。シリア報道のすべては捏造報道だと考えて差し支えない。捏造でないシリア報道を見つける方が極めて困難な作業だ。記事やレポートの内容は、あらかじめ決められた構図から決して逸脱しない。<絶対悪>対<絶対善>の戦いだ。もはや、捏造の域さえ超えている。おとぎ話だ。

しかし、屈することのないシリア政府の姿勢に、「国際社会」は焦りと苛立ちを募らせている。それがメディアの報道に反映される。シリア軍による残虐行為の証拠としてメディアが掲げる写真や映像の中には、何年も前にまったく別の国で撮影されたものが混じっている。ニュースに掲載される写真や映像の出所をいちいち追跡する者などまずいない。


5月27日、BBCのWebサイトは、シリアのホウラで発生した虐殺事件を報じた。記事には画像が添付されていた。体育館のような場所に、白布に包まれたおびただしい数の遺体が並べられている衝撃的な写真だ。

その写真の撮影者である Marco di Lauro は、BBCのサイトを見て椅子から飛び上がるほど驚いた。ホウラの虐殺とされるその写真は、彼が2003年にイラクで撮影したものだったからだ。しかも、その写真は自身のサイトでしか公開していない。BBCによる明らかな無断使用であり、かつ、はなはだしい誤用だった。

同日、英国テレグラフ紙は、BBCによる “誤用” をキャプチャー画像とともに報じた。


2012.05.27  BBC News uses 'Iraq photo to illustrate Syrian massacre'
http://www.telegraph.co.uk/culture/tvandradio/bbc/9293620/BBC-News-uses-Iraq-photo-to-illustrate-Syrian-massacre.html

テレグラフ紙の指摘に対してBBCは、その写真はホウラの虐殺としてWeb上で広く流布されていたので、権利が放棄されたものと考え、出所を調べなかったのだと、信じがたい言い訳をした。そして、掲載後にソースを突き止め、間違いであることが判明したので写真を削除したと、平然と述べた。

インターネット上に出回っている、仔細不明な画像を転用してから、そのあとで出所を調べるなどというのは、よほど無責任な素人のすることだ。BBCのような大メディアが犯すことはあり得ない。要するにBBCはしらばっくれたのだ。写真の出所を最初から知っていたことは間違いない。その上でホウラの虐殺の証拠として掲載したのだ。無断使用や誤用ではなく、確信犯的捏造と言える。

同じ英国のメディアに揚げ足を取られてしまったため、BBCは画像を削除し、動画に差し替えた。


2012.05.27  Syria massacre in Houla condemned as outrage grows
http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-18224559

上記のキャプチャーが現在のBBCの記事だが、 Marco di Lauro の写真と比べると、虐殺を伝える場面としては、いかにもインパクトが小さい。BBCがこれを使いたくなかったのも無理はない。

テレグラフ紙のインタビューに、di Lauro は次のように答えている。


「私は本当に驚いている。BBCのような報道機関が、何者か (アクティビストや市民記者、またはその他すべて) によって配布されたような写真を、ソースも調査せずに、ためらいもなく掲載するなんて」
"What I am really astonished by is that a news organization like the BBC doesn't check the sources and it's willing to publish any picture sent it by anyone: activist, citizen journalist or whatever. That's all.

「報道機関が、昨日シリアで発生した虐殺を証明する写真として、2003年に撮影されたまったく別の虐殺の写真を使うとは、実に驚くべきことだ」
"What is amazing it's that a news organization has a picture proving a massacre that happened yesterday in Syria and instead it's a picture that was taken in 2003 of a totally different massacre.
2012.05.27 BBC News uses 'Iraq photo to illustrate Syrian massacre'
http://www.telegraph.co.uk/culture/tvandradio/bbc/9293620/BBC-News-uses-Iraq-photo-to-illustrate-Syrian-massacre.html


彼の驚きは当然だ。天下のBBCが、無責任な素人同然の行為を平然と行ったのだから。

BBCも間違いを犯すと、短絡に片付けるべきではない。人間は間違いを犯すものだが、あり得ない間違いと区別して考える必要がある。うっかりパラシュートを忘れてスカイダイブした例などない。メディアにとって、画像の出所を調べもせずに掲載するというのは、身投げも同然の行為だ。平然とそれを行ったのには、明確な理由と目的があったからだ。

di Lauroは、 「プロパガンダのために誰かが他人の写真を使っているということだ」 と端的に述べている。

仕組まれたホウラの虐殺

5月25日にシリアのホウラで発生した虐殺は、異様というべき犯行だった。殺害方法や殺害現場の有様は凄惨と言うしかない。虐殺はすべて凄惨なものだが、ホウラの虐殺は何かが違う。それは虐殺のための虐殺としか思えない。

世界のメディアは、シリア軍がホウラ市民を虐殺したのだと断定し、激しく非難した。しかし、その根拠は「アクティビスト」を名乗る人物の証言だけだ。上記のBBCの記事でも「アクティビスト」の証言だけを根拠にしている。シリア軍が行ったという明確な証拠は示されていない。メディアにとって「アクティビスト」を名乗る人物の証言は、いっさいの検証を必要としない絶対的証拠として位置づけられている。この前提がなければ、シリア軍を悪魔として描けなくなるからだ。そうなると<絶対悪>対<絶対善>の戦いというシリア報道の構図さえ成り立たなくなる。

シリア軍には市民を殺害する理由や動機が存在しない。そんなことをすれば、シリア政府が困難な立場に置かれることは歴然としている。政府に不利になるとわかっている行為を、なぜシリア軍が行う必要があるのか。そうした疑問や矛盾を覆い隠すために、メディアは 「アクティビスト」 という絶対的証言者を設定する必要があるのだ。

ホウラの虐殺は、世界の非難をアサド政権に集中するために周到に準備された作戦だったと考えれば、すべてが納得できる。アサド政権を非難する巨大な国際世論さえ形成すれば、あとは、イラクやリビアと同じ展開が期待できる。そのためには、できるだけ残忍で衝撃的な虐殺事件が必要だった。

BBCが、Marco di Lauro の写真を盗用したのは、国際世論を形成するためのインパクトのある画像が必要だったからだ。最もインパクトがあるのは、虐殺現場の写真だが、それはあまりにも凄惨すぎて使えない。生々しすぎる写真は読者から反発を受ける。BBCとしては、虐殺現場に代わる衝撃的な写真が欲しかった。そこで目をつけたのがWeb上で流布されていた画像だ。 おそらくすぐに出所を突き止めたはずだ。あるいは、もともと知っていたかも知れない。di LauroGetty Imagesという業界では有名なストックフォトサービスと契約しているからだ。

の写真には、湾岸戦争における 「原油まみれの水鳥」 のような役割が与えられたのだ。国際世論の怒りを誘発し、アサド政権を追い詰める、という筋書きだ。ところが、期待したほどのセンセーションを引き起こすことはなかった。テレグラフ紙による暴露が水を差したとは言えるが、それが原因とは思えない。

di Lauro の写真が、衝撃的であることは間違いない。彼がサイトで公開しているオリジナル写真には息を呑む。しかし、この写真は、国際世論の怒りを煽るという目的には適していない。衝撃的ではあるが、反面、水を打ったような静寂に満ちた作品なのだ。この優れた作品が訴えているのは、決して報復や復讐ではない。観る者のこころを引きとどめ、熟考をうながすような強い力がある。

テレグラフ紙の横槍がなかったとしても、BBCが期待したような怒りの渦は巻き起らなかっただろう。BBCはこの作品の衝撃度にだけとらわれ、それが訴えているものまでは読み取る余裕がなかったように思う。

BBCのような大メディアが、出所も明らかでないような写真をうっかり使用するなどということは絶対にあり得ない。BBCはこの写真の出所を知った上で、明確な目的のもとに平然と盗用を行ったのだ。

メディアは、シリア政府を追い詰めるためなら、手段は選ばない。相手は絶対悪なのだから、どのような行為も正当化される。世界のメディアによる一方的な反アサド捏造報道はますますエスカレートする。

爆弾、誘拐、殺人: 標的にされるシリアの国内メディア

いま世界中のメディアは、アサド政権を追い詰めようと捏造報道の生産に励んでいる。
一方で、シリア国内のメディアは孤軍奮闘を続けている。

しかし、紛争が長引く中で、シリア国内のメディアやジャーナリストに対する攻撃が頻発している。これまでに、記者やレポーターが誘拐され、殺害されるという事件が発生している。また、テレビ局が爆破されたり、武装襲撃を受けたりしている。あるいは、偽の衛星テレビ局が現れて偽放送を流したり、インターネットのニュースサイトにはサイバー攻撃が加えられたりしている。

アサド政権に対する国民の支持率は高い。「国際社会」がこの戦いを有利に進めるためには、シリア国民と政府を分断する必要がある。それには国民から情報を奪うことだ。

テレビやラジオ放送、インターネット通信に携帯通信が途絶えれば、政府は機能しなくなったというサインになる。情報から隔離された人間は不安になり、結束も揺らいでしまう。アサド大統領が辞任するというデマはこれまでに何度か流布されている。しかし、アサド大統領がテレビに登場すれば、簡単にウソだとばれる。「国際社会」としては、何とかしてシリア国内のメディアを機能不全に陥れたい。

シリア政府が、国内メディアのすべての報道関係者を護衛することは不可能に近い。反政府武装勢力がその気になれば誘拐や殺害はたやすい。執拗に報道関係者を付け狙えば、恐れをなして活動を停止するか、あるいはシリアを逃げ出すかも知れない。

西側のメディアは、シリア政府から少しでも取材規制をされると言論弾圧だ、検閲だと大騒ぎするが、シリアのメディアが爆破されても、記者が誘拐され殺害されても、まったく無関心だ。言論の自由とは、西側のメディアやジャーナリストのためだけの特権的な概念なのだ。

7月14日、Syrian Arab News Agency(SANA)というシリア国営通信のWebサイトがサイバー攻撃を受けてダウンした。ボットを仕込んだ多数のコンピュータから大量のアクセスをかけるDDos攻撃のようだ。現在、SANAはドメイン名を変更して通常通り運営している。SANAには英語、仏語、西語、中国語、トルコ語、アラビア語のバージョンがあり、シリア発のニュースを直接閲覧できる貴重なサイトだ。

Syrian Arab News Agency (SANA) 
http://sana.sy/index_eng.html     ※ 表示に時間がかかることがある

8月16日には、シリア国内を移動中のイランの英語放送局PressTVの車両が、反政府武装勢力に待ち伏せ攻撃を受けた。死者や負傷者はでなかった。シリアの友好国のメディアも当然攻撃対象となっている。では、欧米のメディアなら安全かというと、例外的事例もある。

6月8日、武装勢力に動向していたイギリスのChannel 4の記者が、戦闘地域で政府軍の近くに置き去りにされるという出来事があった。この記者は、反乱軍は自分をシリア軍に撃ち殺させるつもりだったと、述べている。首尾よく彼が射殺されれば、シリア軍はジャーナリストと知っていて狙い撃ちしたのだと言い立てたことだろう。ヨーロッパ人の記者が死ねば、欧米のメディアはここぞとばかりにシリア政府を非難したに違いない。


アサド大統領は、「 西側とのメディア・ウォーには勝てない 」 と発言したことがある。
「 しかし、これはカウント戦ではない 」 とも続けて述べた。

欧米のメディアが大量投下する圧倒的物量の捏造報道には到底太刀打ちできない。
だが、欧米の報道とは、虚構に満ちた塵の山にすぎない。
降り積もっていく塵を数えることはできない。

「 重要なのは、真実、それだけだ 」



メディア ・ ウォー : 資料編
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo2/e/39ed01c3f5e2db84ff432035d1a1669b


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