歴史だより

東洋と西洋の歴史についてのエッセイ

≪『Vision Quest 総合英語』の文法の要点 その1≫

2021-12-15 17:58:26 | 語学の学び方
ブログ≪『Vision Quest 総合英語』の文法の要点 その1≫
(2021年12月15日)

【はじめに】


野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』(新興出版社啓林館、2017年)を参考に、英文法の要点をまとめてみた。




【野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』はこちらから】

Vision Quest 総合英語 2nd Edition







【はじめに】


 
その内容を要約した上で、【読後の感想とコメント】を述べてみたい。
 
 






野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』新興出版社啓林館、2017年

本書の目次は次のようになっている。
【目次】
第1章  文の種類
第2章  文型と動詞
第3章  時制
第4章  完了形
第5章  助動詞
第6章  受動態
第7章  不定詞
第8章  動名詞
第9章  分詞
第10章  関係詞
第11章  比較
第12章  仮定法
第13章  否定
第14章  強調・倒置・挿入・省略・同格
第15章  無生物主語・名詞構文
第16章  話法
第17章  接続詞
第18章  前置詞
第19章  疑問詞
第20章  名詞
第21章  冠詞
第22章  代名詞
第23章  形容詞
第24章  副詞











さて、今回の執筆項目は次のようになる。


【文法の要点 その1】
・『Vision Quest 総合英語』の文法の要点
・「第2章 文型と動詞」の基本5文型のまとめ
・「第10章 関係詞」の関係詞の種類と意味
・句と節のまとめ
・「第11章 比較」
・「第12章 仮定法」の仮定法過去と仮定法過去完了
・「第14章 強調・倒置・挿入・省略・同格」

なお次回に【文法の要点 その2】
・前置詞の重要性~「第18章 前置詞」より
・群動詞
・形容詞の語法~「第23章 形容詞」より
・つなぎ言葉(ディスコースマーカー)になる副詞(句)および副詞の語法~「第24章 副詞」






「第2章 文型と動詞」の基本5文型のまとめ



基本5文型のまとめ
 文型                   意味        動詞
第1文型  SV         Sは~する        自動詞(目的語不要)
第2文型  SVC(S=C)    SはCである       自動詞(目的語不要)
第3文型  SVO        SはOを~する      他動詞(目的語必要)
第4文型  SVO(人)O(物)    SはO(人)にO(物)を~する 他動詞(目的語必要)
第5文型  SVOC(O=C)   SはOをCにする     他動詞(目的語必要)

※S(主語):名詞・代名詞
 V(動詞):動詞
 O(目的語):名詞・代名詞
 C(補語):名詞・代名詞・形容詞

<CROSSOVER>
〇句や節も主語、目的語、補語になる。
 名詞や代名詞だけでなく、名詞の働きをする名詞句や名詞節も、主語(S)、目的語(O)、補語(C)になる。
●主語
① Swimming in the sea is fun. (海水浴は楽しい。)
 ⇒Swimming in the sea=S(名詞句)
② Why he left the band is still a mystery.
(なぜ彼がバンドを脱退したのかは今も謎のままだ。)
 ⇒Why he left the band=S(名詞節)

●目的語
③ I like to play soccer. (サッカーをするのが好きだ。)
 ⇒to play soccer=O(名詞句)
④ I think that Lisa is right. (私はリサが正しいと思う。)
 ⇒that Lisa is right=O(名詞節)
⑤ Jim asked her what she was doing. (ジムは彼女に何をしているのかを尋ねた。)
 ⇒what she was doing=O(名詞節)

●補語
⑥ Her dream is to be a singer. (彼女の夢は歌手になることだ。)
⇒to be a singer=C(名詞句)
⑦ The problem is that we don’t have much time.
(問題は私たちにはあまり時間がないということだ。)
⇒that we don’t have much time=C(名詞節)
(野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』新興出版社啓林館、2017年、46頁)

文法用語の補足


 Sは主語[Subject]、Vは動詞[Verb]、Oは目的語[Object]、Cは補語[Complement]、
  Mは修飾語[Modifier]をさす。
(野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』新興出版社啓林館、2017年、14頁~15頁)

※群動詞


群動詞とは動詞に副詞や前置詞などが付いて「1つのまとまり」で動詞の働きをするもの
 群動詞は、break(壊れる)→break out(起こる)のように、動詞本来の意味から発展した別の意味を持つ。

<+Plus α>~前置詞・副詞のイメージ
 前置詞・副詞のイメージを持っていると、群動詞の意味もつかみやすい。
●break(動詞)→down(副詞)下へ→「故障する」(自動詞)、「~を壊す」(他動詞)
 break(動詞)→out(副詞)外へ→「起こる」
●look(動詞)→for(前置詞)求めて→「探す」
look(動詞)→into(前置詞)内部へ→「調べる」
(野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』新興出版社啓林館、2017年、47頁)

「第10章 関係詞」の関係詞の種類と意味


関係詞は、直前の名詞を修飾する。

関係代名詞について、考えてみよう。
☆男の子がたくさんいる状況で、
① Do you know the boy? (その男の子を知っていますか。)
② Do you know the boy who is riding the bike?
  (自転車に乗っている男の子を知っていますか。)
①:男の子はたくさんいるので、誰のことかわからない。
②:「自転車に乗っている男の子」ということが特定できる。
・どの男の子なのかをはっきりさせるために、「自転車に乗っている男の子」のように、どの男の子なのかを、具体的に示す必要がある。
・英語では、the boy ←who is riding the bikeと、whoを使って後ろからthe boyを修飾する。

<ポイント>
・日本語では、「自転車に乗っている男の子」のように、動詞を含む修飾語句は名詞の前につく。
・一方、英語は、whoは名詞とそれを修飾する節を「関係」付ける働きをし、「関係代名詞」と呼ばれる。
 また、関係代名詞を使って修飾される名詞(the boy)は、「先行詞」と呼ばれる。

関係詞の種類と意味


関係詞は、直前の名詞(先行詞)と直後の節(関係詞節)をつなげる。
①関係代名詞
 関係詞節の中で代名詞の働きをするもの
②関係副詞
 関係詞節の中で副詞の働きをするもの
③複合関係代名詞
 関係代名詞に –everが付くと、「~ならどんなものでも」「~しようとも」などの意味を表し、名詞節を導く。先行詞を含むことに注意。
④複合関係副詞
 whenever, wherever, howeverがあり、「~する時はいつでも」「いつ~しようとも」などを意味し、副詞節を導き、接続詞のように使われる。
⑤関係形容詞
 whatの後に名詞が続いて、「…するだけの~」「…するすべての~」を意味することがある。名詞を修飾して形容詞の働きをしているので、関係形容詞と呼ばれる。
 all the ~that で書きかえることができる。

関係代名詞


【関係代名詞】
 先行詞         主格      所有格      目的格
 人            who whose      whom / who
 人以外(動物・物・事) which whose which
 人・人以外(すべて) that ― that



〇関係詞節の中で主語の働きをする関係詞を主格の関係代名詞と呼ぶ。
・先行詞が人のときはwho、先行詞が人以外のときはwhichを用いる。
・thatはどちらの場合も使える。

〇所有格の関係代名詞は、先行詞が所有するものについて情報を加える場合に使われる。
・先行詞が人か人以外かにかかわらず、whoseを用い、<whose+名詞>の形で使われる。

〇関係詞節の中で目的語の働きをする関係詞を目的格の関係代名詞と呼ぶ。
・先行詞が「人」のときは whomかwho(口語ではwhoのほうが多く用いられる)、先行詞が「人以外」のときはwhichを用いる。
・thatはどちらの場合も使える。
・目的格の関係代名詞は省略されることが多い。

関係副詞


 関係副詞は、関係代名詞と同様に名詞(先行詞)を修飾する場合に使われるが、関係代名詞とは違って関係詞節の中で副詞の働きをする。


 先行詞      場所を表す語   時を表す語   reason(s)   不要
 関係副詞     where when why      how

(野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』新興出版社啓林館、2017年、207頁~232頁)



句と節のまとめ


1. 句と節


・句~2語以上の語が続いて、<主語+動詞>を含まない語のまとまり
・節~2語以上の語が続いて、<主語+動詞>を含まれる語のまとまり

句や節には、文の中で「名詞」の働きをするもの、「形容詞」の働きをするもの、「副詞」の働きをするものがある。
・句~「名詞句」「形容詞句」「副詞句」
・節~「名詞節」「形容詞節」「副詞節」
<例文>
句:① Tom knows what to do.    名詞句=「主語+動詞」を含まない
節:② Tom knows what he should do.  名詞節=「主語+動詞」を含む
※上の例はどちらも「トムは何をすべきかわかっている。」という意味の文である。
①は、what to doという名詞句を使って表現している。
②は、what he should doという名詞節を使って表現している。

2. 句の種類と働き


1 名詞句
 名詞句は、文の中で主語・補語・目的語・前置詞の目的語になる。
<例文>
① Reading good books can make your life richer.
 (よい本を読むことで人生をより豊かにできる。)
 S=Reading good books [動名詞句が主語]
 V=can make
 O=your life
 C=richer

② My dream is to be a graphic designer.
 (私の夢はグラフィック・デザイナーになることだ。)
 S=My dream
 V=is
 C=to be a graphic designer [不定詞句が補語]

③ He told me how to solve the problem.
(彼はその問題の解き方を私に教えてくれた。)
 S=He
 V=told
 O=me
 O=how to solve the problem [<疑問詞+to 不定詞>が目的語]

④ He went out of the room without saying goodbye.
 (彼はさよならを言わないで部屋を出て行った。)
 S=He
 V=went
 前置詞=without
 前置詞の目的語=saying goodbye  [動名詞句が前置詞の目的語]

2 形容詞句
 形容詞句は、名詞・代名詞を後ろから修飾したり、補語になったりする。
<例文>
① The flowers in the vase were very beautiful.
 (花びんの中の花はとても美しかった。)
 前置詞句=in the vase
②I don’t have time to go to the library.
 (図書館に行く時間がない。)
 不定詞句=to go to the library
③ The man talking with the long-haired girl is our teacher.
 (髪の長い女の子と話をしている男の人は私たちの先生です。)
 分詞句=talking with the long-haired girl
④ I received a letter written in English.
 (私は英語で書かれれた手紙を受け取った。)
 分詞句=written in English
⑤ Mario is from Italy.
 (マリオはイタリア出身です。)
 S=Mario
 C=from Italy [前置詞句が補語]
 ⇒ S=Cの関係

3 副詞句
 副詞句は、動詞や形容詞、その他の副詞、文全体を修飾する。
<例文>
① I got off the train at the station.
 (私はその駅で電車を降りた。)
 動詞=got off
 前置詞句=at the station
② I went to the stadium to watch a soccer game.
(私はサッカーの試合を見に競技場へ行った。)
 動詞=went
 不定詞句=to watch a soccer game
③ I’m glad to see you.
 (あなたに会えてうれしいです。)
 形容詞=glad
 不定詞句=to see you
④ It’s snowing too hard to go out.
 (外出するには、雪が激しく降り過ぎている。)
副詞=too hard
 不定詞句=to go out
⑤ I was waiting for her, reading a magazine.
 (私は雑誌を読みながら、彼女を待っていた。)
動詞=was waiting
 分詞句(分詞構文)=reading a magazine
⑥ Generally speaking, Japanese men are shy.
 (一般的に言って、日本人の男性は内気だ。)
 文全体=Japanese men are shy
 分詞句(分詞構文)=Generally speaking

3. 節の種類と働き


1 名詞節
・名詞節は、文の中で主語・補語・目的語・前置詞の目的語になる。
・同格の用法もある。
<例文>
① Whether you believe it or not isn’t important.
 (あなたがそれを信じるか信じないかは重要ではありません。)
 主語=Whether you believe it or not [whether節が主語]
 動詞=isn’t
 補語=important

② The trouble is that he wastes a lot of money.
 (困ったことに、彼は無駄遣いが非常に多い。)
 主語=The trouble
 動詞=is
 補語=that he wastes a lot of money [that節が補語]

③ I don’t know who that guest is.
 (あの客が誰なのか私は知りません。)
 主語=I
 動詞=don’t know
 目的語=who that guest is [疑問詞節が目的語]

④ She cooked lunch with what was in the fridge.
 (彼女は冷蔵庫にあるもので昼食を作った。)
 主語=She
 動詞=cooked
 目的語=lunch
 前置詞=with
 前置詞の目的語=what was in the fridge [関係詞節が前置詞の目的語]

⑤ He had to face the fact that he would never walk again.
 (彼は二度と歩けないという事実と向き合わなければならなかった。)
 主語=He
 動詞=had to face
 目的語=the fact
 同格=that he would never walk again [that節がthe factと同格]

2 形容詞節
・形容詞節は形容詞の働きをする。
・関係代名詞や関係副詞が使われ、名詞・代名詞を後ろから修飾する。
<例文>
① This is the book (that) I bought yesterday.
 (これが昨日私が買った本です。)
 名詞=the book
 形容詞節=(that) I bought yesterday [関係詞節(関係代名詞)]

② I’ll never forget the day (when) I first met her.
 (私は彼女に初めて会った日を決して忘れないだろう。)
 名詞=the day
 形容詞節=(when) I first met her [関係詞節(関係副詞)]

3 副詞節
・副詞節は副詞の働きをし、他の節(の動詞)を修飾する。
・when, if, becauseなどの接続詞や複合関係詞が使われる。
<例文>
① When I was a child, I would often go fishing.
 (子どものころ、私はよく魚釣りに行ったものだ。)
 副詞節=When I was a child [接続詞whenが時を表す]

② If it is fine tomorrow, we will go on a picnic.
 (もし明日晴れたら、私たちはピクニックに行くつもりだ。)
 副詞節=If it is fine tomorrow [接続詞 if が条件を表す]

③ I sat down because I was so tired from walking.
 (歩くのに疲れたので、私は腰を下ろした。)
 副詞節=because I was so tired from walking [接続詞 because が理由を表す]

④ Whoever may come, you mustn’t open the door.
 (誰が来ようとも、ドアを開けてはいけません。)
 副詞節=Whoever may come [関係詞節が譲歩を表す]

4. 主節と従属節[従位節]


・節には、主節と従属節という区分けがある。
・主節は「文のS+V」が含まれる節、従属節[従位節]は主節に従属している節で、「S’+V’」が含まれる。
・名詞節・形容詞節・副詞節の見分けが必要なのは従属節のほうである。

① I think that he is right.
 (私は彼が正しいと思う。)
 主節=I think (S=I、V=think)
 従属節(名詞節)=that he is right (S’=he、V’=is)

② Do you know anyone who can speak Chinese?
 (中国語を話せる人を知っていますか。)
 主節=Do you know anyone(S=you、V=know、O=anyone)
 従属節(形容詞節)=who can speak Chinese (S’=who、V’=can speak)

③ Although it was raining, we went to the stadium.
 (雨は降っていたけれど、私たちは球場に出かけた。)
 主節=we went to the stadium(S=we、V=went、M=to the stadium)
 従属節(副詞節)=M=Although it was raining (S’= it、V’= was raining)

※修飾語(M=Modifier)は、主語(S)・動詞(V)・目的語(O)・補語(C)をより詳しく説明するために付け加えられている。


<参考>
・2つの節が対等な関係で結び付いているとき、それぞれの節を等位節という。
<例文>
I like tea and my sister likes coffee.
 (私は紅茶が好きで、妹はコーヒーが好きだ。)
 等位節=I like tea, sister likes coffee
等位接続詞=and
 等位接続詞は、「語と語」、「句と句」、「節と節」を対等の関係で結ぶ働きがあり、and, or, but, so, forなどがある。
 ただし、so, forは「節と節」を結びつける用法しかない。

※Sは主語[Subject]、Vは動詞[Verb]、Oは目的語[Object]、Cは補語[Complement]、
  Mは修飾語[Modifier]をさす。
(野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』新興出版社啓林館、2017年、14頁~15頁、233頁~236頁、346頁~347頁)



「第11章 比較」


【比較変化】


【比較変化】
・多くの形容詞や副詞は、原級(形容詞・副詞のそのままの形)だけではなく、「より~、もっと~」を意味する比較級や「最も~」を意味する最上級に変化する。
 このような変化を比較変化と呼ぶ。
・比較変化には、規則変化と不規則変化がある。
 さらに、規則変化には -er, -est型とmore, most型がある。
(⇒ Focus 131, Focus 132, Focus 133を参照のこと)

☆ここでは、「原級・比較級を使って最上級の意味を表す」場合を解説しておく。
 (Focus 141, Focus 142, Focus 143)

【原級・比較級を使って最上級の意味を表す】


①【 no (other), any otherを使った表現】
Focus 141 原級・比較級を使って最上級の意味を表す①
 Russia is the largest country in the world.  (ロシアは世界でいちばん大きな国だ。)
1. No (other) country in the world is as large as Russia.
(世界にはロシアほど大きな国はない。)
2. No (other) country in the world is larger than Russia.
(世界にはロシアよりも大きな国はない。)
3. Russia is larger than any other country in the world.
(ロシアは世界のほかのどの国よりも大きい。)

1. <No (other) +単数名詞…as+原級+ as A> で「Aほど~な…はない」を表す。
  (otherは省略されることもある)
2.  <No (other) +単数名詞…比較級+than A> で「Aよりも~な…はない」を表す。
3.  <A…比較級+than any other +単数名詞> で「Aはほかのどの…よりも~」を表す。



②【 nothing, anythingを使った表現】
Focus 142 原級・比較級を使って最上級の意味を表す②
 Light can travel (the) fastest.       (光は最も速く伝わる。)
1. Nothing can travel as fast as light.    
(光ほど速く伝わるものはない。)
2. Nothing can travel faster than light.    
(光よりも速く伝わるものはない。)
3. Light can travel faster than anything else.  
(光は何よりも速く伝わる。)

1. <Nothing…as+原級+ as A> で「Aほど~なものはない」を表す。
  比較するものが漠然とした「物」の場合、<no (other) +単数名詞>ではなくnothingを使う。
2.  <Nothing…比較級+than A>で「Aよりも~なものはない」を表す。
3.  <A…比較級+than anything else> で「Aはほかの何よりも~」を表す。
  比較するものが漠然とした「物」の場合、<any other +名詞>ではなくanything elseを使う。



③【 nobody, anybodyを使った表現】
Focus 143 原級・比較級を使って最上級の意味を表す③
 My brother plays the guitar (the) best. (私の兄[弟]はいちばん上手にギターを弾く。)
1. Nobody plays the guitar as well as my brother (does). 
(私の兄[弟]ほど上手にギターを弾く人はいない。)
2. Nobody plays the guitar better than my brother (does).
(私の兄[弟]よりも上手にギターを弾く人はいない。)
3. My brother plays the guitar better than anybody else.
(私の兄[弟]はほかの誰よりも上手にギターを弾く。)

1. <Nobody [No one]…as+原級+ as A> で「Aほど~な人はいない」を表す。
  比較するものが漠然とした「人」の場合、<any other +名詞>ではなくnobodyを使う。
   (nobodyの代わりに no oneを使ってもほぼ同じ意味)
2.  <Nobody [No one]…比較級+than A>で「Aよりも~な人はいない」を表す。
3.  <A…比較級+than anybody [anyone] else> で「Aはほかの誰よりも~」を表す。
  比較するものが漠然とした「人」の場合、<any other +名詞>ではなくanybody [anyone] elseを使う。



英作文のコツ 「誰よりも~」の表し方


「英作文のコツ」では、原級・比較級を使って最上級の意味を表す表現を扱っている。

「誰よりも~」の表し方
<問題>ボブはクラスで誰よりも頭がいい。
<解答>Bob is more intelligent than anyone else in our class.
<解説>   
・thanの後はanyoneではなく、anyone elseになることに注意。
・日本語では、「クラスで誰よりも」だが、厳密に言えば「クラスの中でボブ以外の誰よりも」になるので、elseが必要。
☆「いちばん頭がいい」と考えて、別解のように最上級で表したり、Nobodyを主語にして表すことも可能。

<別解>Bob is the most intelligent in our class.
Nobody [No one] is as intelligent as Bob (is).
Nobody [No one] is more intelligent than Bob (is).
(野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』新興出版社啓林館、2017年、237頁~254頁)



比較を使った構文


次の原級・比較級・最上級を使った26の構文は覚えておこう。

― 比較を使った構文
●原級を使った構文
1. as ~ as possible|できるだけ~
  Please let me know as soon as possible. できるだけすぐに私に知らせてください。
2. as +原級+ as ever|相変わらず~、普段と変わらず~
  The band is as popular as ever.    そのバンドは相変わらず人気がある。
3. as many [much] as +数詞+名詞|(数[量]が)…もの~
  As many as five thousand people took part in the campaign. 
5千人もの人たちがそのキャンペーンに参加した。
4.as good as +形容詞[分詞]|ほとんど~と同様、~も同然
  This book is as good as new. この本はほとんど新品同様だ。
5. not so much A as B|AというよりはむしろB 
  He is not so much a singer as an actor. 彼は歌手というよりはむしろ俳優だ。
6.without so much as +名詞[動名詞]|~さえしないで
  He went out of the room without so much as saying goodbye.
彼はさよならも言わないで部屋を出て行った。

●比較級を使った構文
7. 比較級+and+比較級|ますます~、だんだん~
  It’s getting hotter and hotter.  だんだん暑くなってきている。
8. the+比較級+SV …, the+比較級+SV~|…すればするほど、ますます~する
The higher you go, the more beautiful the view becomes.
高く上れば上るほど、ますます景色が美しくなる。
9. (all) the+比較級(+for …)|(…のために)それだけ~、ますます~
  I need to study all the harder for the next exam.
次の試験があるのでいっそう勉強する必要がある。
10. none the less (for …) |それでもやはり、~にも関わらず
  I like Mike none the less for his faults. マイクは欠点があるが、それでも私は彼が好きだ。
11. (and) what is more|その上、さらには
  Japanese food is delicious, and what’s more, it is good for the health. 
  和食はおいしいし、その上、健康にも良い。
12. know better than to do |(~するほど)愚かでない、分別がある(から~しない)
  He knows better than to believe the rumor. 彼はそのうわさを信じるほど愚かではない。
13. more than+数詞+名詞|~よりも多い
  Tom has more than 10 dollars. トムは10ドルよりも多くのお金を持っている。
14.not more than+数詞+名詞|多くても~、せいぜい
  Tom has not more than 10 dollars. トムは多くても10ドルしか持っていない。
15. not less than+数詞+名詞|少なくとも~
  Tom has not less than 10 dollars. トムは少なくとも10ドルは持っている。
16.no more than+数詞+名詞|たったの~、わずか~しか
  Tom has no more than than 10 dollars. トムはたった10ドルしか持っていない。
17. no less than+数詞+名詞|~もの、~ほども多く
  Tom has no less than 10 dollars. トムは10ドルも持っている。
18. A … no+比較級+than B|AはBと同じくらい~だ、AはBほどの~しかない
  The computer is no bigger than the palm of my hand. 
そのコンピューターは私の手のひらほどの大きさしかない。
19. A … no more ~than B|AはBでないのと同様に~でない
  A bat is no more a bird than a rat is (a bird). 
ネズミが鳥でないのと同じように、コウモリは鳥ではない。
20. much [still] less|まして~ない
  I can’t afford to buy a used car, much [still] less a new one.
私は中古車を買う余裕はないし、まして新車は買えない。
21. more or less|1. 多かれ少なかれ 2.ほとんど、事実上
① Her story is more or less true. 彼女の話は多かれ少なかれ真実だ。
② I’ve more or less finished the book. 私はその本をほとんど読み終えた。
22. sooner or later|遅かれ早かれ、いつかそのうちに
  You’ll see what I’ve said, sooner or later. 
遅かれ早かれ、君は私の言ったことがわかるだろう。

●最上級を使った構文
23.  at (the) most|多くても、せいぜい[最大でも同じかそれ以下]
  There were at (the) most 50 people in the concert hall.
  コンサートホールにはせいぜい50人の人しかいなかった。
24. at best|最高でも、せいぜい
   The game will end in a draw at best. その試合は最高でも引き分けに終わるだろう。
25. at one’s best|最高の状態で
   It was a tough match, and I wasn’t at my best. 
それは厳しい試合だったし、私は最高の状態というわけではなかった。
26. make the most of ~|~を最大限に利用する
  We must make the most of this chance. 
私たちはこの機会を最大限に利用しなければならない。

とりわけ、13~17の比較級を使った構文は、言い換えの表現とともに、しっかり覚えておこう。
13. more than 10       □>10        =over
(10よりも多い)
14.not more than 10      □≦10        =at (the) most(⇒23)
(多くても10)
15. not less than 10      □≧10        =at least of (⇒23)

(少なくとも10)
16.no more than 10      □↙10しか      =only
(10しか)[思ったより少ない]
17. no less than 10      □↗10も!!       =as many [much] as(⇒3)
(10もの)[思ったより多い]
(野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』新興出版社啓林館、2017年、258頁~266頁)




「第12章 仮定法」の仮定法過去と仮定法過去完了



現在のことを表す仮定法(仮定法過去)


Focus 150 現在のことを表す仮定法( 仮定法過去)
1. If I were free, I could go with you. 暇があれば、君と一緒に行けるのに。
2. If I knew his phone number, I would call him.
彼の電話番号を知っていれば、彼に電話するのに。

仮定法過去
・「もし(今)~ならば、…だろうに」と現在の事実と違うこと、実際には起こり得ないことを述べる場合、過去形が使われる。
⇒これを仮定法過去と呼ぶ。
・形は過去であるが、現在のことを表す。
☆仮定法過去の形は、次のようになる。
①if節の動詞には過去形を用いる。
 be動詞の場合、普通はwereになる。
②主節には助動詞の過去形が使われる。
 次のような意味になる。
  would(…だろうに)、could(…できるのに)、might(…かもしれない)

仮定法過去:「もし(今)~ならば、…だろうに」
 If+S’+過去形, S+(would, could, might)+動詞の原形
 (if節)    (主節)

<参考>
・イギリス英語では、主節にshould が使われることもある。文語的表現。
・仮定法の文で、1人称・3人称単数の場合、口語では wasが用いられることも多い。

<注意>
☆if節は後ろに置くこともできる。
 Sally would be pleased if she were here now. (サリーが今ここにいれば喜ぶだろうに。)
(野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』新興出版社啓林館、2017年、270頁)

過去のことを表す仮定法(仮定法過去完了)


Focus 151 過去のことを表す仮定法( 仮定法過去完了)
1. If I had been free, I could have gone with you. 暇があったら、君と一緒に行けたのに。
2. If I had known his phone number, I would have called him.
彼の電話番号を知っていたなら、彼に電話したのに。

仮定法過去完了
・「もし(あの時)~だったなら、…だっただろうに」と過去の事実と違うこと、実際には起こらなかったことを述べる場合、時制を過去よりさらに過去にずらして、過去完了形が使われる。
⇒これを仮定法過去完了と呼ぶ。
・仮定法過去完了は、「あの時~だったら、…していたのだが」という後悔や弁解などを表すことが多い。

☆仮定法過去完了の形は、次のようになる。
①if節の動詞には過去完了形<have+過去分詞>を用いる。
②主節には、<would [ could, might]+have+過去分詞> 次のような意味になる。
 
仮定法過去完了:「もし(あの時)~だったなら、…だっただろうに」
 If+S’+過去完了形, S+(would, could, might)+have+過去分詞
 (if節)    (主節)

仮定法過去完了を用いた名言として、次のものがある。
“If Cleopatra's nose had been shorter, the whole face of the world would have been changed.” ― Blaise Pascal
「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史は変わっていただろう。」
ブレーズ・パスカル

<+Plus α>~仮定法の時制イメージ
・現実と想像との距離を過去形という手段で表す仮定法は、現実の時制より1つ過去にずらしたものを使う。
※現在のことであれば過去形、過去のことであれば過去完了形で表す。
 <現実と想像の距離>
 現実 → 過去    → 現在
 想像 →過去完了形  → 過去形


(野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』新興出版社啓林館、2017年、271頁)



「第14章 強調・倒置・挿入・省略・同格」


強調のための倒置


Focus 175 強調のための倒置
1. Never have I seen such a beautiful sight. 
    (疑問文の語順)
(私はこれまで一度もこんなに美しい光景を見たことがありません。)
2. Not a word did he say.  
(O)  (疑問文の語順)
(彼は一言も言わなかった。)

【倒置】
・英語の語順は普通<主語+(助)動詞>だが、主語と(助)動詞の順序が逆になることがある。これを倒置という。

【否定を表す語句が文頭に出る】
1.never(一度も~ない、決して~ない)、rarely(めったに~ない)のような否定を表す副詞(句)を文頭に置き、否定の意味を強調することがある。
・このとき、その後は疑問文と同じ語順になる。
 (主に文語的な表現である。)
<例文>
・I have never seen such a beautiful sight.
 ①否定語句を文頭に
・Never have I seen such a beautiful sight. 
 ②<主語+動詞>の部分を疑問文の語順に

【倒置で使われる否定語句】
□ never      一度も[決して]~ない
□ little      まったく[ほとんど]~ない
□ hardly/scarcely  ほとんど~ない
□ seldom/rarely  めったに~ない
□ not only ~  ~だけではなく
□ not until …  …まで~ない
□ at no time  一度も~ない
□ on no account  決して~ない
□ under no circumstances どんな状況でも~ない

2.Focus 175の第2文のように、目的語が no, not, littleなどの否定語を伴って文頭に出た場合、疑問文と同じ語順になる。
・ He did not say a word.
→Not a word did he say.  (彼は一言も言わなかった。)
(O)  (疑問文の語順)

(野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』新興出版社啓林館、2017年、309頁)

そのほかの倒置


Focus 177 そのほかの倒置
1. Here comes the bus.       (ほら、バスが来たぞ。)
 (副詞) (V) (S)

2. Happy are those who have dreams. (夢を持っている人は幸せだ。)
(C) (V) (S)

【副詞が文頭に出る】
1. 場所や方向を表す副詞や副詞句が文頭に出るとき、<副詞(句)+V+S>の語順になることがある。
・この場合、単に主語と動詞の位置が入れかわるだけで doを立てる必要はない。
<例文>
・The bus comes here.
→Here comes the bus.
<注意>
・主語(S)が人称代名詞の場合、倒置は起こらない。
・Here he comes.    ×Here comes he.
   (S)  (V)

【補語が文頭に出る】
2.  主語(S)が長い場合に倒置が起こり、<補語(C)+V+S>の語順になる。
<例文>
・These who have dreams are happy.
→Happy are those who have dreams.

【参考】
・<補語(C)+as+S+V…>の語順で理由を表すこともある。譲歩を表すか理由を表すかは文脈から判断する。
<例文>
・Tired as she was, she went to bed early.(彼女は疲れていたので、早めに寝た。)
(野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』新興出版社啓林館、2017年、311頁)

挿入


【挿入】
・付加的な情報を加えるために、文の途中に語・句・節を差し挟むことを挿入という。
・挿入される部分は、コンマ(,)やダッシュ(―)で挟み込まれる。
・挿入はあくまで付加的な情報なので、削除しても文として成立する。
・挿入される語句は副詞(句)が多く、文頭でも用いられる。

<例文>~副詞句の挿入
Focus 178の第2文
・You can save water by, for example, washing dishes in a dishwasher.
  (例えば、食器洗い機で食器を洗うことで水を節約することができます。)
(野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』新興出版社啓林館、2017年、312頁)

省略


【省略】
・英語では、基本的に簡潔に表現することが好まれる。
 そのため、同じ語句が繰り返されるとき、文脈から推測可能な場合は省略されることが多い。

【接続詞の後の<主語+be動詞>の省略】
Focus 180 
・I stayed with a friend while in New York.(ニューヨークにいる間中、私は友人と一緒にいた。) 
☆<主語+be動詞>の省略
・when, if, whileなどで導かれる副詞節において、副詞節の主語が主節の主語(S)と同じとき、<主語+be動詞>を省略することができる。
 例文の省略を補うと次のようになる。
→I stayed with a friend while I was in New York.
(野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』新興出版社啓林館、2017年、314頁)

同格


【同格】
・名詞や名詞に相当する語句を、別の名詞や名詞に相当する語句と並べて言いかえたり、補足的に説明することがある。
 この関係を同格の関係と呼ぶ。
<例文>~that を使った同格
Focus 182 
・He faced the fact that he would have to try again. 
(もう一度挑戦しなければならないという事実に彼は直面した。)

【名詞をthat節で説明する】
・名詞の内容をそれに続くthat節が説明する場合がある。この節を導くthatを同格のthatと呼ぶ。
・同格のthatを使うことができる名詞は限られているので、注意する必要がある。

≪同格のthat節と結びつく名詞≫
同格のthat節と結びつく名詞
①事実・可能性を表す名詞
□ fact     事実
□ evidence     証拠
□ proof     証拠
□ possibility 可能性
□ probability 見込み
□ chance     可能性
□ likelihood 見込み、可能性
□ certainty 確かな見込み
□ doubt     疑い

②情報・知識を表す名詞
□ news     知らせ、ニュース
□ rumor     うわさ
□ information 情報
□ report     報告
□ record     記録
□ knowledge 知識

③考え・認識を表す名詞
□ idea     考え
□ thought     考え
□ concept     概念
□ belief     信念
□ opinion     意見
□ feeling     感情

④提案・決定を表す名詞
□ proposal     提案
□ suggestion 提案
□ condition 条件
□ decision     決定
□ conclusion 結論

⑤要求・希望・期待を表す名詞
□ demand     要求
□ desire     願望
□ hope     希望
□ expectation 期待

<例文>~that を使った同格
・I support the idea that we should save electricity.
(節電すべきだという考えを私は支持する。)

・I don't like the idea that I'm not in control of my life. ― The Matrix
(自分の人生をコントロールできないという考え方が気に入らない。『マトリックス』)

【参考】~同格のthatと関係代名詞のthatの見分け方
次の文を比べてみよう。
① I know the fact that she is trying to publicize this news. 【同格】
(S) (V) (O)   ←完全な文 
 (私は彼女がこのニュースを公表しようとしているという事実を知っている。)
② I know the fact that she is trying to publicize. 【関係代名詞】
(S) (V)    ←不完全な文 
 (私は彼女が公表しようとしている事実[の内容]を知っている。)

※①の文は、thatに続く部分がSVOを含む完全な文である。
 それに対して、②の文のthatに続く部分は、publicizeの目的語がない不完全な文になっている。(publicizeは他動詞なので目的語が必要。)
 つまり、thatの後に文の要素が欠けていなければ、同格のthatで「~という…」を表す。一方、thatの後に文の要素が欠けているならば、関係代名詞のthatで「~する…」の意味になる。

(野村恵造『Vision Quest 総合英語 2nd Edition』新興出版社啓林館、2017年、316頁~319頁)



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