電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

テーマ武器②”剣”

2007-12-23 22:58:06 | その他・研究
テーマ武器の2回目は”剣”にしてみました。今回もこのテーマに関する作品をピックアップして書いておきます。
本日は【嘉禾】の「名劍」から。

鄭少秋…アダム・チェン。70年代後半、テレビの時代劇や主題歌でヒットを飛ばした後、この映画でも主演したパトリック・タムによる映像美を追求した剣戟片です。

タイトルからして”名劍”という名前ですので、なんらかの言われのある剣が登場し、その剣を巡り最後まで物語が続く・・というのが想像出来ると思います。イメージするといろいろ膨らんでいきます。

その昔、私が尊敬している淀川長治先生がこんな事を言っておられました。”映画はタイトルから始まる”と。
また“映画の原名をさぐること。原名はその映画の狙いを示している。”とも言っていました。これは私のなかに深く残っているお言葉です。

タイトルからまずどんな映画なのか想像し、イメージを膨らませて行きます。原名に私が拘るのも最初は本当はどういった名前が付けられていたのかを知りたいためです。この原名(当初のタイトル)は作品のイメージに近いタイトルを表していることが多いですね。その後、様々な理由により全く異なった別の題名に変えられてしまうことが多いです。

この「名劍」の原名は「名劍恨」と”恨”が付いていました。名剣は名剣でも恨みが篭った剣ということなのでしょうが、やはり負のイメージのせいか”恨”は省かれてしまいました。

映画の導入で花千樹(田豊)は鍛冶匠(剣を扱う映画には剣を打つ鍛冶屋シーンがあるのが理想的ですね。)に寒星剣を作らせた。偶然手に入れた"齋物剣"の打ち直しも同時に依頼すると、これは邪悪に満ち持っていては命に関わると言われてしまう…。
この2本の剣で物語は進行していきます。


アダム・チェンの主演映画では「御猫三戲錦毛鼠」「少林與武當」辺りがとても気に入っているのですが、これらの作品よりも若くキリッとした剣士を演じております。この映画での彼のイメージは青です。青から何を想像しますか?



主人公・李驀然が出会う花千樹(田豊)の娘・花盈之には徐楓の実妹、徐杰が扮してます。この映画で初めて彼女を見たのですが、個人的には彼女の”可愛らしさ”は群を抜いていると思っています。

(この美貌でしたので当時絶頂期のジャッキーが放っておくはずは・・・ないですね。)
他にも嘉禾の女優たちが艶やかさを競うように共演しています。

また、顧嘉輝の音楽もいいですね。これは内容にピッタリと合うように作られているのだと思います。ラストにはアダム・チェン主唱の主題歌が流れます。

ところでクレジットを見ますと黄鷹が原案のストーリーを書いていて、脚本にはその黄鷹をはじめ、「モンキーフィスト猿拳」の冒頭に出演した劉天賜、この他にも数名の名前が挙がっています。これだけの脚本スタッフですのでなかなか練り込まれたシナリオである訳ですね。


蛇足ですがライバル・連環役の徐少強が出演していることが不思議に感じてしまいます。この時期は羅維のところで姜大衛らと共演していたはずなのですが、この映画から嘉禾に転向したのでしょうか。

この映画を見ると、のちの映画で見られる香港映画らしさがにじみ出ているのを感じます。ただ、よく言われるように確かに早過ぎたのですね。しかし、この段階でワイヤーワークを完成させた程小東の熱意は相当なものだったと思います。

名劍という“剣”に魅せられた美青年の物語がこの映画にはありましたね。


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