らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

日々の練習

2008年12月01日 23時48分47秒 | ヴィオラ
 もう明後日の今頃は、山形Q第29回定期演奏会も終わってほろ酔い気分で帰宅している頃かもしれません。

 今回とりあげるBrahmsの弦楽五重奏などの多声部で綿密な作品は、一人一人の受け持ったパートをどれだけ責任感を持って演奏出来るかにその成功の鍵はあるかと思います。一人でも無責任な演奏をしてしまうと他の4声部にたいして多大な迷惑をかけてしまうわけです。かといって所謂「さぐる」~人につけてしまう、事をするとかえって音楽が停滞してしまいます。

 人のタイミングで音楽に乗ったふりをするのではなく、自分でちゃんと数えた結果ずれていたならそこを練習で調整するべきでしょう。

 では、この複雑な絡み合いになる音楽をどうやって練習すれば良いのでしょうか?

 私は今回はいつもよりメトロノームと真剣に向かい合いました。(写真)普段オケの仕事が忙しいので、限られた時間の中で自分の気分が良くなるだけの練習では意味が無いと思っていますので(気分の練習ならやらないで、休んでいた方が良いでしょ?)、この練習方法を取り入れました。

 以前から言っていますが、私はデジタルのメトロノームは嫌いです。デジタルは明かりで知らせる「点のタイミング」しか感じさせてくれないからです。普段はまず使わないものです。「拍々する」と現場ではよく使われる言葉ですが、それを助長するするための物のような気がしてなりません。

 写真のような昔からの振り子のメトロノームで、1拍を(もちろん拍子によりますが)円を書くようになるべく長く感じていたいのです。振り子の幅の間は1拍の中ですから、その中で歌うという事になります。

 特にBrahmsのような後期ロマン派には音楽の上下以外に幅や奥行きが出て来ますので、とても大切な事になります。

 縦割りの1・2・3・4では、譜面ヅラが弾けていても音楽にはならない事が多い気がします。

 Beethovenの時代に出来たと言われているメトロノームですが、当時の作曲家の曲から1970年代くらいまでの作曲家の作品は、デジタルではなくこの振り子メトロノームの方が想定されているように思われます。

 ウェーベルンなどの新ウィーン楽派の音楽でさえ、点と点はあるのですが全体を見渡せば、小さい点ではなく音楽の中に振り子が感じられるそうです。難しい事ですが。

 なので、海外の昔からの高価なメトロノームを買ってしまいました。壊れるまでこれからも活躍してもらいましょう。
 

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