毎日の朝晩と日中の気温差が少しずつ体に堪える季節になってきています。
さて、新潮文庫「剣客商売 天魔」は、「雷神」、「箱根細工」、「夫婦浪人」、「天魔」、「約束金二十両」、「鰻坊主」、「突発」、「老僧狂乱」の八篇の読み切りで構成されています。
池波正太郎先生の文章は、私のような無教養人でも、すぐに物語に没入できる力を持っているような気がします。
剣閣商売に関して言えば、藤田まことさんの主演によるテレビドラマを全編見ているので、よりそう感じるのかもしれません。
一つの物語を読み終わるたびに、あり得ないのに江戸時代に生活したことがあるような感覚になるのもいいのかもしれません。
十六文で二八そばを食べたり、一両小判で料亭に行ったり、暗闇に提灯を持って歩いたり、火事にあったり、暴漢に襲われそうになったり、すっかり江戸の住人のような気分です。
現実逃避が、読書の一番の利かもしれません。
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