映画や舞台を観ました。

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くちづけ 東京セレソンデラックス

2010-08-05 15:42:06 | 舞台


東京セレソンデラックスの舞台『くちづけ』を観てきました。
初めてセレソンの舞台を観たのが夏の3部作『夕』だったので、私にとってセレソンは夏の風物詩と言っても良いかも。
私が観たのは千秋楽だったのですがどうでしょう?このBLOGを観てくれている方、けっこう見逃した方多いのではないですか?
これがね~、なんと今までのセレソンの舞台で、1、2を争う出来でした。
すごく良かった。

宅間さんは、結婚されてもまったくパワーが落ちないのは恐れ入るけど、ただ結婚したからこういう舞台も作るようになったのかなあと思わないではありません。
すごいです。
知的障害者の人々の役柄があって、幕が開いてすぐは「なんかちょっとイヤだな」って。
それはどういうことかというと、安直な動物ものとか子供を使ったお涙頂戴物だったらイヤじゃん。
で、そういうものかと一瞬思ったのですがとんでもない、舞台として素晴らしい、おもしろいものになっていました。

なんかセレソンの舞台はボクシングの試合をしてるみたいな感じなんだ。
セレソンの舞台を観に行く男の多くは、こんどこそ泣かないようにしようというかなりの決意を持って劇場に赴く人が多いと思う。
なのでガードを高く上げて、姿勢を低くして試合に臨むんだ。
はじめから警戒しまくりで試合開始。
でもね、しばらくするとボディとかに地味なパンチが単発で当たりだして、しつこいくらいボディを攻められてガードが下がったところを見事にクリーンヒット。
もちろんすぐに立ち上がるんだけどね。
またやられちゃんだよね。
この日はいったい何回ノックアウトされただろ?
筋書きもすごいんだけど、最後の、ここで決めるっていう時の役者の腕力というか全身全霊のラッシュの凄さはこれぞセレソンの舞台というのを思い出させてくれました。

まあ、ちなみに私はそのだいぶ前の歌のところで、もう10カウントを聴いてるんだけどね。
歌もセレソンの舞台のキーワードだよな。
今回はアン・ルイスさんの曲なのですが、そういうソールフルじゃない感じでね、これがね~加藤さんの声質がね~雰囲気がね~
と、まあこれは、おそらくこのブログを観てくれている人たちは『くちづけ』を見逃してしまった人も多いと思うし、私の胸の中にしまっておくことにいたしましょう。

そんなこんなの『くちづけ』でした。
ヒロイン役は加藤貴子さんで、どんな人なのかとネットで調べてみると今田さんと東野さんとの共演がイヤでイヤでたまらなく、収録に向かう新幹線の中で吐いたとかいうエピソードがあっておもしろいなあと思った。
あと、伊藤高史さんと東風万智子さんは、昔より今のほうが全然良くて、素晴らしいと思いました。
越村さんは次の作品では観られるのでしょうか?
こんどはまたチャッキチャキの恋愛ものなんかを観れたら良いなあとも思うけど、宅間さんの視点は家族とか、そういう方へいってるんですかね。
なにはともあれまた新作に期待することにいたしましょう。

もし今度東京セレソンデラックスの舞台を観てみようと、そう思った初見の方がいるとすればひとつだけアドバイスがあります。
それは絶対に千秋楽だけは避けること。
なぜなら、もう1回観たいと思うこと請け合いだからです。
現にいまの私がそう(笑)

でもなあ、さすがに地方は無理だよ。
ねえ。