映画や舞台を観ました。

映画や舞台を観た記録です。

pinky

2019-03-30 13:57:13 | 舞台
今にも雨の降り出しそうな金曜日の夕方、私は中華街の店先で行列にぽつんと一人。
他の有名店が軒並み行列なんて無かったのに、なんでここだけ?
その時にはもう、口がここの牛バラ飯になってたんでどうすることも出来なかったんだ。
だけど実際にご飯を前にすると、やっぱりご満悦。





「あいちゅん」の牛バラ飯。
これと春巻きをいただいたら腹ごしらえ完了。





会計の時におかみさんから「お客さんもTV観ていらっしゃったんですか?」と聞かれて、いや違いますと。
なんか2ヶ月くらい前に2番組で取り上げられて、それ以来行列がすごいんだそうです。
いつも来てくれてたサラリーマンの人たちが来られなくなっちゃってね〜と、おそらく店内のほとんどであろう一見さんたちに聞こえる声で言っておりました笑。

さて、そんなこんなで腹ごしらえがすんだら、そこからすぐのところにあるKAATへpinkyを観に。





初日に次いで二回目の観劇になる今回は、初日の時に演者さんから解説してもらったことを踏まえて観ることにしました。
pinkyは、3つの劇団がラブホテルの1室という同じセットを舞台にして、40分弱のまったく異なった3つの短編劇を披露するという試み。
だからそれぞれが、その中で起承転結を作って盛り上げようというよりも、ある1場面を切り取ってその状況を楽しもうという趣旨のものが多かったかな。
ひとつめの『森が燃える』がまさにそうで、こちらはコンテンポラリーアートのような劇だった。
誰も現代美術の作品を、理解しようと思って眺めたりしないじゃないですか。
ピカソとかミロの絵を、頭で理解しようと思っても無理っしょ。
『森が燃える』も、全神経を張り巡らせて筋を理解しようと観ていくよりは、セリフのリズムが好きだなとか、照明の当たり方がきれいだなとか、そうやって観ていくことが正解みたい。
でもそうして考えると2回観た中で、同じ場面で、同じセリフをかなり盛大に噛むところがあって、それももしかしたら意図的にやってることなのかなと思ったり。
ふたつめ『Leave!』と3つめの『静的コンプレックス』はストーリーになっております。
特に『静的コンプレックス』は、誰がハセガワを殺したのか?という謎解きですが、でもやっぱり推理小説を読むように犯人を捜してみるというよりも、その場に居合わせたキャラクターの心の葛藤であったり、動揺やあがきを楽しむというか、『leave!』も家族と少しの他人が繰り広げる劇で、そのなかでほっこりしたり笑ったりと、そういう舞台ですね。

そして舞台を観終わってみて、こういう現代美術のようなことって、実は日常で結構あるんじゃないかと思ったり。
例えばTVのお天気お姉さんのことがすごく好きになって、毎日その時間になるとテレビをつけて誰よりも熱心に観るんだけど、番組が終わってその人の頭に残るのは、そのお天気お姉さんの表情や髪型や衣装のことばかりで、明日の天気がどうなのかなんてことはまったく頭に入ってなかったりだとか、休日に旦那の会社の野球大会についていった妻が、野球のことなんてまったく知らないんだけど旦那の仕草だとか、普段と違ってユニフォームを着ている感じだとか、チェンジになってベンチに戻ってくるときの走りかただとか、そんなことを見ていたら、なんだかんだその時間を楽しむことが出来たみたいな。

誰にでも、そういうことってありますよね。
そんな心持ちで観劇すると、また違った発見がある『pinky』になるかもしれません。
日曜までKAAT神奈川芸術劇場で開催中です。

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