地球の危機!

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「日本IBM様」

2009-10-19 15:58:29 | Weblog
「日本IBM様」

『どうする不況リストラ正社員切り』(徳住堅治・君和田伸仁著、旬報社)に、

「日本IBMは2008年秋から約1000名の退職強要リストラを開始しています。IBMは、11月7日「HPC(High Program Culture」の方針と内容という取締役執行役員の声明を発表いたしました。

そこでは、高い業績を上げる社員こそがIBMの社員といえます。HPCこそがIBM本社の企業文化です。IBMは能力主義を強化し、スキルを最大限発揮し、実績を伸ばそうとする社員を大いに応援したいと考えています。

一方業績が低く、改善が見られない社員は社外でキャリアを求めることを含め、将来について真剣にご検討、ご判断いただきたいと思います。」

と宣言されています。

高い業績を上げる社員とそうでない社員を区分けして高い業績を上げる社員以外は全て会社を辞めてもらい、別の会社で、パフォーマンスを考えてもらいたい、つまり、「自ら退職しなさい」と迫ったのです。」
                          (引用終わり)

とあります。

これは、日本で行われたことでした。

「高い業績」とは、「大きな利益の額」でしょう。

『キャノン』の社長さんだった御手洗冨士夫氏(現在日本経団連会長)は、1966年から23年間『キャノンUSA』に出向していたそうですが、「会社は誰のために」(丹羽)宇一郎と共著、文芸春秋)という本の中で、こんなことを述べておられます。

当時日本では、「売上高」(シェアの拡大)が重視されていたそうですが、アメリカでは「利益」だったそうです。

帳簿上の売り上げは300万ドルあったけれど、経費等を差し引くと、6千ドル(6万ドルではなくて)しか残らなかった。

P.33「そこでアメリカの税務署から脱税の疑いをかけられてしまった。売上高が300万ドルもあるのに、利益が6千ドルしかないのはおかしい、というわけです。そこで税務署から係員が来て、あれこれ調べていったのですが、赤字ギリギリだった我社の実態を知って彼は言いました。

「お前に良いアドバイスを上げよう。今ある売掛金を全部回収して、それを銀行の定期預金に預け、皆さんは日本に帰りなさい。そうすれば確実に預金金利5%が出る。」

この言葉は、私にとって、衝撃的でした。」
                            (引用終わり)

アメリカは、ドライというか、割り切っているというか…

「利益」か、「売上高」かは、さておき、日本IBMの、「優秀な人材のみ、残れ」というやり方は、日本には合わないと思います。

『モンスターペアレントの正体』 (山脇由貴子著、中央法規)に、「なぜ「モンスターペアレント」が出現したのか」に、「生き苦しいから」とあります。(→(*))

企業の、「いいとこ取り」のやり方が、学校も同じ、になっている。

日本IBMの、このやり方が「普通」になるならば、苛めはもっと増え、虐待の家庭も急増するのではないかと思います。(「モンスターペアレント」も当然増えると思う)

絶対に止めていただきたいです。


(*)
「異質であるものを排除する」

前述の通り、普通学級で適応できるIQの幅が狭くなっている。授業についていけなかったり、授業中立ち歩いてしまったり、集団の流れに乗るのが難しい子達は、「普通学級でやって行くのは難しい」と判断され、普通級ではない学級に移ることを勧められる。これは、やはり前に述べたとおり、学校と保護者との関係性から生じてきた傾向であり、担任や学校だけの判断によるものではない。

しかしこうした傾向が子供たちのどのような影響を与えるか、。「普通学級ではやってゆけない」と判断されてしまったということは、ある側面「普通ではない」とみなされたということである、ということは本人が感じるだけではなく、周囲の子も同様に感じる。

当然子供たちは、IQのことなど考えはしない。「普通」と判断される幅が狭くなっていることなどにも気付いていない。当然のことである。しかし雰囲気だけは感じ、察するようになる。「普通ではない」子はクラスにいられなくなるのだ、ということを。

この雰囲気を作り上げているのは、大人である。少しでも「普通ではない」と思われる子を普通学級から排除してしまう雰囲気である。もちろん、大人たちには排除するという意識はない。「普通ではない」とも思ってはないかもしれない。その子自身のレベルにあった教育を受けさせることがその子のためであると本心から思っている保護者もいるだろう。もちろん、その裏には、授業をスムーズに進めてほしい、何の問題もない学校生活を我が子に送らせたい、という保護者の意向はあり、苦情を発生させたくない、トラブルを起こしたくない、という教師それぞれの思いはあるのだが。

この、大人が作り上げた雰囲気は確実に子供たちの影響を与える。ちょっとでも変わっている子や、クラスで浮いてしまっている子、授業についていけない子、友人関係が結べない子は、「異質な存在」とみなされる。そして子供たちもまた、その子を自然と排除してまうようになる。