地球の危機!

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「原爆投下」 3、

2011-08-11 19:38:12 | Weblog
「原爆投下」 3、

(『私はヒロシマ、ナガサキに原爆を投下した』 チャールズ・W・スウィーニー著、原書房)

私がこの本を読んでショックだったのは、優れている人は文句なしに立派なのです。が、時々、とんでもない愚か者が出てくるのです。

1度目は、原爆投下の練習をしていた時、
2度目は、「ナガサキ」を挙行する時。

2、を追ってみます。

「このようにしてスウイーニー少佐は長崎に原爆投下をしました」ということを書きます。読みたくない人は、読まれないでください。


「ナガサキ」原爆投下は、「ヒロシマ」同様、3機編成で、ティベッツ中佐より乗組員の発表があった。

「スウイーニー少佐が爆弾を、
A大尉が計測機器を、
B中佐が撮影機器を運ぶ。」

この時のことを、スウイーニー少佐は、
「このことを聞いた時、私はかなり驚いた。B中佐は、…  それほどB-29での経験を積んでいなかった。実際、もし私だったら、…  B中佐は、優秀だと考える者たちの中にすら入らなかっただろう。…  しかし私は、そんな思いを振りはらった。」

○原爆は重量が重く、少しでも積載量を減らすために、武器は積まないことにした。丸腰で飛ぶのだ、

○万が一撃墜された場合には、「スーパーダンボ」と呼ばれる海軍の救援作戦が敷かれていた。飛行艇が日本への往復航路を巡回し、乗組員を水面から救出するため、水上艦艇や潜水艦と協力体制をとる事になっていた。

○長崎型爆弾「ファットマン」は、構造が複雑なので、安全装置をはずし、発火状態にしたまま飛行機に搭載された。離陸時に失敗は許されない。

○台風が硫黄島付近で勢力を増しつつあったので,合流地点が屋久島に変更された。


○皆で、打ち合わせ終了後、スウイーニー少佐は、B中佐に、少し待つように言った。周りに人がいなくなってから、

「B中佐、悪天候の中、屋久島の9000m上空で合流するのは、かなり難しいでしょう。もし屋久島上空で旋回することになったら、海岸からどれくらいの位置にいるのか分からない。私は1km、あなたは3kmかも…  とにかく、分からなくなってしまう。

そうしたら、永遠に会えないかも分からない。

だから、島の南西の地点を選んでおいたんです。--ここです。」私は壁にピンで張った地図を指差した。

「この地点からコンパス方位で180度に向かって2分間飛び、それから360度に向かって2分間飛び、お互い出会えるまでこの端を基点に、楕円状に飛び続けることにしましょう。」

B中佐からは、こんな答えが返ってきた。

「いいかい、少佐。そんな事は、全部分かりきっている。合流の仕方ぐらい知っている。君に教えられる筋合いは無いよ」。他に一言も言わず、彼は向きを変えて去って行った。


○離陸直前に、後部爆弾倉プラダの予備タンクの燃料ポンプが作動していない事が判明。予備燃料のうち、2000ℓが使えない,ということ。直すのには、数時間は掛かる。

ティッベッツ中佐に報告すると、「これは君の任務だよ、チャック」と言われた。そうか。出発を遅らせるわけにはいかないし、もし燃料切れとなったら、「スーパーダンボ計画」によって救助してもらえば良い。出発しよう。


○離陸は、この重い荷物を載せて飛ぶには、滑走路の距離が足りないと直感した。が、エンジンをフル回転させ、無事離陸。

○ 7:00。爆弾信管モニターの警告灯が点滅を始める。整備係りに点検を頼む。

電気回路のスイッチを正しい位置にセットしなおして、O.K.

○ 7:45 
屋久島の合流地点に到着。2番機は現われたが、3番機(B中佐)は現れず。10分、15分…  40分待っても現れず。(3番機は、高度9000mを飛ぶべきを、12000メートルを飛んでいた)

仕方が無い。2機で第1目標の小倉に向かう。

2番機は(我々は無線封止で飛んでいた。それを破り)、テニアンに連絡した。「スウイーニーは、止めたのか?」

ところが、テニアンでは、「スウイーニーは、止めた」と受け取っていた。

大騒ぎとなり、「スーパーダンボ計画」も撤収された。(その事は我々は知らなかった)

○ 9:45
小倉到着。煙で目標が見えず。(「煙」とは、前夜、隣の八幡市を爆撃した火災の煙) 「投下中止」

日本軍の高射砲に攻撃される。(「目視によって命中させよ」の命を受けていた)

2度目の接近。 「見えません!」 「投下中止」

零戦が接近。10機。高射砲がすぐそばで炸裂。

3度目、接近するが、やはり、雲に隠れて見えず。

長崎に変更。ところが、肘があたって、「選択ボタン」を押していて、私の声は大日本帝国中に響き渡っていた。

B中佐の「チャック? 君なのか? チャック? どこにいるんだ?」の声が聞こえる。選択ボタンを急いで元に戻す。


○長崎へ行くには、最短距離だと九州の戦闘機基地の真上を飛ぶ事になる。燃料不足から直進する。 

これ以上悪いことは起こらないよな? 

○長崎は積雲で覆われていた。1回で投下しなければ、燃料が無い。レーダーで投下する。

「ヒロシマ」のより、より強烈だった。雲は14000メートルにまで達した。

燃料はあとわずか1000リットル。沖縄の手前100キロメートルくらいまでしかない。

空海共同救助隊(スーパーダンボ)の出動要請を送信。が、応答なし。

燃料節約の為に、「段飛行」で飛ぶ。(我々は高度9000メートルを飛んでいた。少しスピードを出して、そのままで飛ぶ。(高度は少し落ちる) また少しスピードを上げて、そのままで飛ぶ。これの繰り返し。)

○沖縄まで残り15分。読谷の管制塔を呼んだ。応答なし。

伊江島を呼んだ。話ができた。が、伊江島と読谷はあまりに近いので、別々の周波数を使用していた。(伊江島、読谷間は、不通)

○沖縄が見えてきた。突然、クハレックが言った。「少佐、すべての計器に「空」の表示が出ています。右外側のエンジンが止まった。「第3エンジンに出力増加!」

昼間用の照明弾を発射。飛行場では、飛行機の離着陸が変わらず行われている。

「機内の照明弾を全部発射しちまえ!」

離着陸が止んだ。消防車が駆けつけた。

かろうじて着陸できた。この飛行機は、「改良型B-29」なのだ。だからこそ、無事着陸できた。ティベッツ中佐のおかげだ。