地球の危機!

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「他者から心配してもらえること」

2009-12-01 09:10:04 | Weblog
「他者から心配してもらえること」

『良心をもたない人たち』 (マーサ・スタウト著、草思社)という本の中にこういう描写があります。

(引用始め)
(P.136)「私は、’サイコパス’(=「良心を持たない人」、と思う、(注、井上)」と認識され、裁判を受けた患者に面接する機会があった。

彼は暴力的ではなく、言葉巧みに虚偽の儲け話をもち掛けて客から金を巻き上げる詐欺師だった。

この人物と彼を突き動かす動機に興味を抱いた私は、こう尋ねた。

「あなたにとって人生で大事なものは何です? 何より欲しいものは?」 私は「金儲け」とか「刑務所の外の自由」などということを期待していた。

ところが、彼は何のためらいも無く答えた。

「ああ、答えは簡単さ。俺が何より好きなのは、他の人間から哀れんでもらうこと。一番欲しいのは、人の同情だね」

私はびっくりし、かなりむかついた。「刑務所から出ること」あるいは「金儲け」という答えの方がまだ彼を好きになれたと思う。そして私は戸惑った。なぜこの男は、よりによって人からの同情を望んだりするのだろう? 信じられなかった。」
                                 (引用終わり)

私もびっくりした。

私がびっくりしたのは、「俺が何より好きなのは、他の人間から哀れんでもらうこと。一番欲しいのは、人の同情だね」

ではない。この部分は私も全く同じなのだ。(「同情」ではなくて、「同じ目線の高さで向き合ってもらえること」かな。とにかく、人に気にして欲しいのです)

私がびっくりしたのは、心理学の専門家である筆者が、「患者さん」=「俺」の答えに対して「びっくりし、かなりむかついた。「刑務所から出ること」あるいは「金儲け」という答えの方がまだ彼を好きになれたと思う。そして私は戸惑った。なぜこの男はよりによって人からの同情を望んだりするのだろう? 信じられなかった。」

と書いておられることだ。私は、ドヒャーッ、びっくりした。

「よりによって人からの同情を望んだりするのだろう? 信じられなかった。」

そりゃ、キツイよ、冷たいよ、と思う。

人は誰でも、他者から同情されたいもんだよ。

他者からの同情が無かったら、「同情」というか、気持ちのやり取りがなかったら、/ 心配してあげたり、心配されたり、が無かったら、人は生きていけないよ。命を保つのに水や食料が必要であるのと同じくらい、他者からの気持ち=気にかけてもらえること、も必要だと思う。


私はこのことを、子猫たちに教えられた。

捨て猫(捨てられ猫)を拾ってきて、お腹がすいていそうだから、ストローで牛乳を飲ませようとした、が、飲まないのだ。

膝の上におらせて、抱いてやると、しばらくして、子猫自身が安心できたら、飲んでくれた。(と思う)

私は、生きているものは、食べ物よりも、安心感の方が大事なんだと教えられた。安心感こそ、最優先なのだ。

「一番欲しいのは、人の同情だね」。

これこそ、人=命あるもの、にとっての大原則(必要不可欠なもの)だと思う。

非行や反社会的行動をしてしまう人は、例外なく、といっていいくらい、そのことを求めていると思う。

このことが、社会の常識になったら良いのに、と思う。


1 コメント

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Unknown (被害者の立場から)
2009-12-05 02:06:05
引用されている書籍に関心があり検索していたところこちらの記事にたどり着きました。

“良心のない人”に迷惑や損害を受けた立場からしたら「同情がほしいから」という理由を人間として当然のことと主張されてしまわれたら、それこそ被害者は何をよりどころにしたらよいのでしょう?

あなたは“良心のない人”に出会ったことがありますか?
おそらくないのではないでしょうか?
体験していない人には絶対に想像がつかないことだと思います。

目の当たりにしていてさえ、その正体を想像することなど私にはできませんでした。

たしかに人間は誰でも人に優しくしてもらうことを望んでいるかもしれません。
しかしそれでも私たちは地道に一生懸命生きています。
そして築き上げた平穏な日常を自分本位に欲求のままに破壊されたとして、あなたは理解しろと言うのですか?

きっとそうではないと思います。
あなたはきっと優しい人なのでしょう。

しかし、あなたから見て反社会的な人の向こう側にはたくさんの理不尽に傷つけられた人々がいます。
その存在を忘れないでいただきたい。
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