京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

「軒ににほふ梅が枝」

2018年03月03日 | こんなところ訪ねて
「梅は白き、うす紅梅。ひとへなるが疾く咲きたるも、かさなりたる紅梅の匂ひめでたきも、みなをかし」と、匂いを褒めて引き立てているのは兼好さん。(『徒然草』第139段)
そして、「京極入道中納言は、一重梅をなん軒近く植ゑられたりける。京極の屋の南向きに、今も二本侍るめり」とあります。
京極入道中納言と呼ばれた藤原定家。その邸宅は京極、現在の寺町通の西側にあって、軒に植えた梅が有名だったようです。
現在、その梅も屋敷もありません。ただ、このあたりに邸があったことを示す碑が建っているだけです。 


京都市役所の西の通り・寺町通を北へ。二条を上がった西側の店先にその碑はあります。(写真手前が北。碑は東向きに)昨日、ちょっと足を延ばしてみました。

   わすれじな宿は昔に跡ふりて変はらぬ軒ににほふ梅が枝   永福門院内侍

コメント (6)
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