
啄木は「馬鈴薯の花咲く頃となれりけり 君もこの花を好きたまふらむ」と歌っている。
消しがたい面影の「君」を馬鈴薯の花に偲んで…。どことなく恋ごころを誘う花なのだろうか。
「ジャガイモみたいな人が好き」、海老蔵さんをこんなふうに言われたのが麻央さんだった。茨木のり子さんに「おんなのことば」という少し長い詩がある。
【いとしい人には 沢山の仇名をつけてあげよう
小動物やギリシャの神々 猛獣なんかになぞらえて
愛しあう夜には やさしい言葉を そっと呼びにゆこう 闇にまぎれて】
と始まる。
いとしいどなたかを思い浮かべながら、果たして次から次と名づけられるほどに湧き出る喜びはあるものだろうか。一度いかが、お試しあれ。